杉山桃子さん、祖母を書いた&描いたデビュー作についてインタビュー「佐藤愛子の人生を自分なりに表現できるのはありがたい財産」
NEWSポストセブン / 2024年11月17日 16時15分
あるとき死んだ後の話になって、佐藤さんが桃子さんに「人は死んだら無になる」と言ったそうだ。スピリチュアルな世界に関心を持ち続けてきた人なので意外でもあるが、「頭では理解しても、芯の芯では信じきれなかったということなのかなと思います」。
桃子さんは「青乎」という名前で活動する音楽家で、漫画家でもある。今回の本には文章だけでなく漫画も収録され、桃子さんの笑いのセンスが炸裂している。
草笛光子さんが御年90歳で佐藤愛子役を務め、今年6月に公開された映画『九十歳。何がめでたい』の撮影現場見学の漫画も面白い。
佐藤さんと桃子さんは毎年、年賀状のために趣向を凝らしたコスプレ写真を撮影していて、本にもなっている。映画ではそれが、贅沢にも写真で忠実に再現されている。
落武者の扮装をすることになった草笛さんが「ご先祖様に顔向けできない」とつぶやき、それを目の前で聞いた桃子さんが「祖母の悪ふざけのせいで大女優が……」と申し訳ながっている様子も描かれて、笑ってはいけないのにこみ上げる笑いに七転八倒する。取材・構成/佐久間文子
【プロフィール】
杉山桃子(すぎやま・ももこ)/1991年東京生まれ。立教大学卒。作家・佐藤愛子さんのエッセイに「孫の桃子」としてたびたび登場する。幼少期よりコスプレ年賀状に付き合わされ、『孫と私のケッタイな年賀状』として刊行されている。それを映画『九十歳。何がめでたい』では草笛光子と桃子役の藤間爽子が熱演(!?)。現在は「青乎(あを)」名義で音楽、映像などの創作活動を行っている。本作が初著作。
取材・構成/佐久間文子
※女性セブン2024年11月28日号
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