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《”男子厨房に入らず””女子はお酌を”》今も息づく昭和の呪いに立ち向かうヒント『反応』ではなく『選択』を

NEWSポストセブン / 2024年12月1日 19時15分

「未だに『女は家庭を守る存在』や、『男は大黒柱であるべき』といった古風な昭和な固定観念や偏見が、ジェンダー・バイアスとして残っている日本。こういったジェンダーバイアスは、ややもすると、仕事や教育、生活の場面で不平等を生み出し、個人の能力や選択肢を制限し、社会の多様性を損ないかねないのではないでしょうか……?

 こちらのフレーズを読んでみてください。

『部長は大きな取引を成立させた』
『保育士は子どもたちの世話をした』
『パイロットは長距離フライトを無事に完了させた』

 読んでみて、どちらの性別を思い浮かべましたか?

 「部長」「パイロット」は男性を、「保育士」は女性を思い浮かべたのではないでしょうか。これが私たちが普段気づかずに持っている、ジェンダー・バイアスの一例です。政治、経済、教育、健康の4つの分野で男女平等の度合いを示すジェンダー・ギャップ指数でも日本は特に政治、経済の分野では女性の参加が少ないと指摘されています。

 自分で好きに選んだ行動が結果として「男らしさ」「女らしさ」というジェンダーに結びつくのなら問題ないとして、やりたいことがあっても性別を理由に『男(女)らしくないんじゃない?』『女(男)のくせに』と言われてチャレンジすることを諦めるのは、まさにジェンダーの呪いではないでしょうか。」

そして、未だによく見聞きする典型的な“昭和なジェンダーの呪い”として松尾氏は、以下のようなフレーズを列挙する。

「男だから気にすんな」

 「ジェンダーギャップ指数の順位が日本は低いと話題にされる時、たいていの場合、女性への不平等をなくしていこうという意味で言われることが多いです。しかし裏を返せば、それだけ男性も生きづらさを抱えているということでもあります。

 「男だから気にすんな」は男が細かいことにいちいち目くじらを立てるな、感情的にならずに受け流せという呪いの言葉ですね。人間誰しも感情を持つ生き物だし、男だからという理由だけで嫌なことがあってもクールに振る舞わなきゃいけないなんて、よく考えてみたらとても奇妙です。「マッチョ」というのは、強きょう靱じんさ、逞たくましさ、勇敢さといった男らしさを示す言葉ですが、「男なんだから」という言葉が暗に意味している男の規範や評価基準は、マッチョという言葉によく表れています。

「男子厨ちゅう房ぼうに入らず」もマッチョイズムな考え方に紐づいていますね。男は炊事などしないで仕事を頑張れという考えが根底にあるのでしょう。ハッキリ口に出して言わなくても、心の中でそう思っている人は(女性も含めて)少なくないのでは。何を隠そう昔の私も「キッチンは女の聖域」という呪いを固く信じていたぐらいなので(笑)」

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