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《靖国神社にトイレの落書き》日本在住の中国人被告(29)は「処理水放出が許せなかった」と動機語るも…共犯者と「海鮮居酒屋で前夜祭」の“矛盾”

NEWSポストセブン / 2024年12月4日 7時13分

 来日した際、成田空港までAとBを迎えに行き、その後、海鮮居酒屋などで食事。AとBと別れた後は、現場で実際に使用された赤色スプレーを1人で購入した。

 事件当日、AとBと合流した後、姜被告は両名の荷物を持って近くの駅で待機をしており、現場にはいなかった。その間、Aは犯行を行い、その様子をBが撮影した。Xに投稿された動画によると、放尿をする様子も映されていた。

 汚損された箇所は、職員が高圧洗浄機により清掃を行い、やむなく若干削れてしまった。専門業者でも完全な汚損の除去は難しいと言われ、提示された見積額は約460万円だった。2023年は年間で187万人が靖国神社を訪れており、金銭的損害にとどまらぬ影響を受けたのは想像に難くない。

 撮影後、3人は再び合流して羽田空港へ向かい、AとBはそのまま出国した。AとBは日本国内での逮捕等に至っていない。

「日本は1億3000万人の人。でも海が汚れたら80億人が悲しむ」

 被告人質問でも、姜被告はほとんどの質問に対して日本語で受け答えを行なった。来日したA・Bと話をする過程で、Aから落書きの計画を知らされたという被告。「落書きと聞いてどう思いましたか」という弁護人の質問に対して、突然「処理水」について触れた。

姜被告「私は歴史に興味もないし、靖国神社に恨みもない。私はただ海を守りたいんです。去年から処理水を出して、日本は周辺国から非難されています」

 姜被告が言う「処理水」とは、2023年8月に始まった、福島第一原子力発電所にたまっていた放射性物質を含む水を浄化したALPS処理水の海洋放出を指すとみられる。中国は一時的に日本産水産物の輸入停止措置を取る(2024年9月に輸入を段階的に再開する方針で合意)など、中国国内では批判の声が上がっていた。

 急に「処理水」を話題に出し、話のペース上げた姜被告。弁護人は必死に軌道修正にかかる。

弁護人:「落書きのことを悪いこととは思いましたか」

姜被告:「悪いとは思ったけど、処理水を止められる人はいないと思った。水産物を輸入停止しても止まらない、韓国では21日間何も食べない抗議活動した人もいた。他に誰ができるのかと思った」

 検察官からの質問にも、処理水について懸命に主張を続けた。

検察官:「(靖国神社に)落書きをするのは、財産的な被害より大きいとは思いませんでしたか」

姜被告:「両方大きいと思う。私は海が好き、雲の90%は海。海が汚れたら雲が汚れる、そうしたら雨が汚れる」

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