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47歳でフィギュア競技を始めた大人スケーター「スピンは苦手、イナバウアーは多少できる」充実のスケート人生

NEWSポストセブン / 2024年12月30日 7時15分

 リッポン選手が私の住む田舎町に来たときに、私のレベルで大丈夫だろうかと不安ながらもこんな機会は二度とないと思って、リッポン選手の講習に申し込みました。もちろんすっ転んだわけですが、その時に「人生後半でスケート始めるとやっぱりだめだなぁ」と言い訳めいたことを言った私に、「絶対にできる。そんなことを言ってはダメだ」と真剣に言ってくれた彼。

 また、現役スケーターで、親日家のジェイソン・ブラウン選手のホームリンクをたまたま訪ねた縁で、国内26州から50人以上の参加者が集まる大人スケーターの合宿を知り、思い切って参加しました。合宿中のリンクで、ジェイソンさんと日本語で会話したときは「人生、こんなこともあるんだ」と不思議な気持ちでした。ほんの少し勇気をもって今いる場所から飛び出すと、世界がどんどん広がっていく。大人スケーターの世界って考えていたよりも奥が深いです。見事に沼にはまってしまいました(笑)。

──高齢になっても続けていたり、試合には出ないでショーだけ出るなど、フィギュアスケートの楽しみ方も人それぞれですね。

 大人スケートの世界は、何歳であっても、体重が何キロでも、全く関係ないということを実感しています。学生時代は体育が苦手だった、という方も多いです。試合に出ない、テストを受けたりしない方がいる一方で、「海外に行く理由ができるから」と国際試合に行くスケート友達もいます。個人スポーツなので、一人一人のスタンスが違ってもいい、ブランクがあってもいい、そんな緩やかな面があるので続けやすいのだと思います。

 それからフィギュアスケートをやっていると言うと、「柔軟なんですね」とか、「筋トレやっているんですか?」などと聞かれますが、筋トレは苦手なのでやっていないし、柔軟も数週間やっていないとすぐに元に戻ります。食事制限も一切するつもりはありません(笑)。大人アスリートのイメージを壊しているとは思いますが、このスタンスが今の私にはちょうどいいと思っています。

──新しい趣味やスポーツに出会いたい、仲間を作りたいと考えている中年は多いと思います。新しい人生の扉をひらく秘訣とは?

 当時は中年クライシスだったので、スケートに出会ってなかったら、精神的にやられていたかもと思います。だから、スケート費用は私にとって、薬代や、病院代、カウンセリング代のようなものと捉えています。同時に、スケート以外に興味が移ったら、それはそれでOKと思っています。

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