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ラーメン店長射殺から宅配ヒットマンまで事件多発の「山口組分裂抗争10年」、収束には一方的な「抗争終結宣言」しかない【溝口敦氏×鈴木智彦氏が予測】

NEWSポストセブン / 2025年1月10日 7時15分

鈴木:山口組には警察の風当たりが強い。会津小鉄を形の上だけでも独立組織としておくのが最適解かもしれません。今の暴力団はほとんど事件を起こさない。でも、これらの事件を見ると、暴力団員の反社会性と暴力性は変わっておらず、上に立つ人間次第なんだなと。

溝口:そういう側面はあるね。かつて自他共に認める武闘派である竹中武(四代目山口組・竹中正久組長の弟で二代目竹中組組長)は「喧嘩に必要ならマシンガンでもヘリコプターでも買ってやる」と言ってたし。喧嘩太郎と言われた中野太郎(五代目山口組若頭補佐)の口癖は「殺してしまえ!」だった。

抗争終結宣言を出すべき理由

鈴木:10年目を迎えた山口組の分裂抗争は、今年もずるずると収束せず進むでしょうか?

溝口:前々から言っているんだけど、六代目山口組は一方的に抗争終結宣言を出すべきです。田岡一雄三代目時代の山口組は、1970年代の大阪戦争の時、当時若頭だった山本健一が中心となって抗争終結宣言を出し、メディアを呼んで記者会見をしています。

鈴木:なるほど。常に答えは歴史の中にあるわけですね。山口組の分裂抗争の前に勃発し、足かけ8年間続いた九州・道仁会の分裂抗争でも、割って出た側の九州誠道会(現・浪川会)が一方的に抗争終結宣言を出しましたが、道仁会はそれを無視して抗争を続行した。でも、主導権を握る六代目山口組なら抗争を実質的に終結できる。

溝口:警察は“偽装終結宣言”だと決めつけ、ナンバー2の高山清司若頭や、実質ナンバー3の竹内照明・三代目弘道会会長のところに「どうなってるんだ」と聞きに来るでしょう。

「これ以上世間を騒がせるわけにもいかないし、こうするしかないでしょう」と彼らは説明するはずです。そうして警察側は井上(邦雄・神戸山口組組長)に会って「抗争終結宣言を出すみたいですよ。どうでしょう」と訊く。井上は「勝手にやりゃあいいんだ」と言うしかない。

鈴木:そうなれば確実に次の局面に展開します。問題は山口組内部のタカ派でしょうか。

溝口:仮にも山口組に反旗を翻し、「逆盃(ぎゃくさかずき)」をした大罪人を許すのかという声が起き、障害になるかもしれない。だがもはや分裂抗争の間、配下たちは何度も逆盃を行ない、組織を超えて移籍しているわけで、組長との疑似親子関係を表わす「盃」はもはや実質を失っている。盃の神聖さなんて、ヤクザ当人たちがみじんも信じていません。

鈴木:山口組にとっての脅威は神戸山口組より警察です。警察は山口組を壊滅させるつもりなんでしょうか?

いまやトクリュウの時代

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