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【仏・連続レイプ事件】押収されたパソコンには半裸で眠る娘の動画が…妻には身に覚えのない子宮頸部の炎症、父親による10年間の性被害を母娘が実名顔出しで訴え続け社会現象に

NEWSポストセブン / 2025年1月19日 7時15分

ジゼル・ぺリコさん(時事通信フォト)

「あなたは大事なことを忘れています。想像できないことは、想像することができないのです」──ジゼル・ぺリコさん(72)の親族が、裁判で「なぜ家族は誰も事件に気づかなかったのか?」と問われた時の一言だ。実際、耳を疑うような事件を誰が想像できただろうか。仲睦まじく暮らしていたはずのジゼルさんの夫が、睡眠薬で妻を眠らせ、2011年ごろから10年近くにわたって50人以上の男に性的暴行させた性的倒錯者だったとは。

 フランスが前例のない集団性的暴行事件に揺れている。昨年12月19日、フランス南部アヴィニョンの刑事裁判所は、ジゼルさんの夫・ドミニク被告が妻を強姦するように誘った罪で最高刑である禁錮20年の判決を言い渡した。また、この判決までに20代〜70代まで、50人の男をジゼルさんへの強姦、強姦未遂、性的暴行の罪で有罪判決を下している。

 舞台となったのは、プロヴァンス地方のぶどう畑に囲まれ、絵葉書のように美しいと評される村、マザンだった。

 複数のフランスメディアによると、ジゼルさんは娘と2人の息子に恵まれ、仕事を引退し、フレンチブルドッグの愛犬と共に夫婦で穏やかな田舎暮らしを送っていたという。だが、そんな暮らしの裏で、ジゼルさんは深刻な健康被害に悩まされて続けていた。具体的には、記憶喪失や一時的な失神、子宮頸部の炎症などの不可解な症状に悩まされ、何度も医師の診察を受けていたのだという。一方、その原因はいつまで経っても、判然としなかった。

 夫のドミニク被告に自身の体調を相談すると、「不倫でもしているんじゃないの?」と驚き、からかわれる始末。ジゼルさんは自身がアルツハイマー病なのではないかと不安を抱え、次第に車の運転や旅行を控えるようになった。

 BBCによると、「ジゼルさんは体重が減り、髪の毛が束になって抜け、意識を頻繁に失うこと」により、「死期が近づいていると確信」すらしていたという。そんな辛い日々をどうにかやり過ごせたのは、自身に献身的に料理を振る舞う“最愛の夫”、ドミニク被告の姿があってこそだ。

 その料理に“とんでもない化学物質”が含まれていたことを知ったのは、ドミニク被告がショッピングセンターで女性のスカートの中を盗撮したという、2020年9月に起きた別の事件がきっかけだった。その事件に関しては夫婦2人で話し合い、ジゼルさんは寛容にも許すという前向きな決意を固めた。

 だが、警察がドミニク被告のパソコンを押収した数日後のある日、ジゼルさんは警察署に呼び出され、目を背けたくなる事件の全貌を伝えられることになる。それは、自分が記憶障害を疑っていたと思われる時間に、見知らぬ男たちがジゼルさんの部屋にやってきては、性的暴行を加えていくことを映した、膨大な動画と写真のアーカイブだった。

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