《指摘される前に奴隷は頭を低くしろ》田村瑠奈被告が暮らした「地獄の家」に貼られていた“メモ”の数々と、天井から吊るされた“ナゾの赤い布”【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン / 2025年1月17日 16時15分
2023年7月、札幌・繁華街ススキノのホテルで男性会社員(62=当時)が殺害された事件。この事件で逮捕・起訴された親子3人のうち、殺人ほう助や死体損壊ほう助などの罪に問われている父親・田村修被告(61)の裁判員裁判が、1月14日札幌地裁で開かれた。
これまで母親の田村浩子被告(62)の公判では、殺人と死体損壊罪に問われている娘の無職・田村瑠奈被告(30)は修被告を『ドライバーさん』、浩子被告を『彼女』と呼ぶなど、いびつな家庭環境が明らかにされてきた。裁判を傍聴したジャーナリスト・高橋ユキ氏が語る。
「親子は“瑠奈ファースト”の関係で成り立っていました。また両親が言うには事件の1ヶ月前には、瑠奈被告の申し出で、父娘で『SMプレイ』をしていたともいいます」(高橋氏、以下同)
そうした異様な関係は、事件の過程においても見られた。瑠奈被告は被害者を殺害した後、頭部を自宅に持ち帰り、目玉をくり抜く様子を修被告に撮影させていた。今回の公判では、被害者の頭部が保管されていた“地獄の家”の全貌が明かされたという。
「これまでも、家の中は瑠奈被告が集めたパワーストーンや古着、UFOキャッチャーの景品などで溢れかえり、足の踏み場がなかったことが語られていましたが、詳細に明かされたのは今回が初めてです」
“地獄の家”の全貌
今回の公判で、「死体損壊および死体遺棄、現場の状況」として法廷大型モニターに映し出された証拠を見た高橋氏は、その異様な光景を次のように語る。
「家の中は、おびただしい量のゴミと事件に関する証拠品が散らばっていました。浩子被告の清楚な風貌、修被告の朴訥(とつ)とした風貌からはまるで想像できない“ゴミ屋敷”でした」
また、家のいたるところに“メモ”が貼られていたといい、「親子関係のいびつさを表していた」と高橋氏は語る。
「居間に置かれたテレビに貼られたメモには、『お嬢さんの時間を無駄にするな。私は奴隷です』とあり、台所にある食器棚の側面にあったメモには『奴隷の立場わきまえて無駄なガソリンや金を使うな。勝手に無駄なものにお金を使わないこと』と書かれていました。
さらには、食卓テーブルの上には『何か指摘される前に奴隷は頭を低くすること(土下座すること)』『何か起きたときは誰が主人であるか思い出すこと』と書かれた黄色の紙が置かれていました」
そのなかで、特に不気味な存在だったのが1階洋室の天井に吊るされた“赤い布”だ。高橋氏が言う。
「玄関ホール隣のドアを開けると、洋室の天井から赤い布が吊るされていたとのことです。しかし、この赤い布については『なぜ吊るされていたのか』『用途はなんなのか』といった説明がされることはありませんでした」(高橋氏)
これだけのことが明かされてもなお、謎が多い“地獄の家”。近年稀に見る猟奇的なこの事件、公判は引き続き行われる。
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