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《日枝代表に説明求める声も》CM“撤退ドミノ”で問われるフジテレビの体質 港社長「次はカメラを入れる」ってそこじゃない、露悪的なノリとネタ化が引き起こし続けた問題

NEWSポストセブン / 2025年1月26日 16時15分

 それでもこういう意見もあった。コンテンツも手掛ける広告代理店の40代プロデューサーの話。

「放送免許の取り上げはないしその必要はないと総務省も言ってますからね。実際に放送法や電波法に抵触したわけじゃない。あくまで倫理的な問題で刑事事件化もされていないわけですからね。放送免許を持つフジテレビという器が残る限り新たなスポンサーやコンテンツが持ち込まれてくることでしょう。イメージなんてそもそも気にしてないしテレビに出られればどうでもいいよという会社やタレントはいくらでもいるし、そういうイメージに無頓着どころか『それくらいいいじゃない』『そういうコンプラが面白さを無くす」って視聴者もいる、SNSにだっていくらでもいる。それに、ほとぼりが冷めれば普通に営業できるのはこれまでの大企業のパターンですからね。もっとも、CMの売上そのものは激減するでしょうが、フジテレビは『お台場不動産』で莫大な資産を保有していますから」

 大山鳴動して鼠一匹とまでは言わないが、果たしてフジテレビの姿勢で切り抜けられるのか、いまや日本政府より怖い海外の投資ファンドが手ぐすねをひいている。そしてスポンサーだけでなくコンテンツも逃げ出しかねない事態になりつつある。いま放送している作品はともかく、アニメーションをフジテレビで放送すると言って原作者やそのファンが納得するのか、いまやコンテンツホルダーやその「推し」と放送局の立場は逆転している。ただ「放送免許」のみがフジテレビを守っていると言っても過言ではない。

 かつて「母と子のフジテレビ」として『鉄腕アトム』をはじめ『ママとあそぼう!ピンポンパン』『ひらけ!ポンキッキ』といった知育放送局の顔もあったフジテレビ、中居氏も引退したいま、このままでは誰からも愛されないテレビ局になりかねない。そして、いずれ他のキー局も対岸の火事では済まなくなるであろうこともまた、確かなように思う。

【プロフィール】
日野百草(ひの・ひゃくそう)/出版社勤務を経て、内外の社会問題や社会倫理のルポルタージュを手掛ける。日本ペンクラブ広報委員会委員。

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