ギャンブルで106億円“溶かした”大王製紙前会長・井川意高が分析する水原一平被告(40)が囚われた“ひりひり感”「手をつけちゃいけないカネで賭けてからがスタート」【量刑言い渡し前の提言】
NEWSポストセブン / 2025年2月5日 17時13分
大王製紙で社長業をやりながら、井川は週末になるとマカオやシンガポールへ通い、月曜日朝にはなに食わぬ顔で出勤した。カネが欲しい、あるいは勝ったカネで何かを買いたいという物欲があるわけではない。ただ、それまでの負け分を取り返すために、カジノに向かったという。
それはシンガポールでのこと。手持ちが残り2万5000ドル(当時のレートで約150万円)のチップ1枚だけになった。そこから逆転劇を果たし、わずか1時間で23億円に化けたという。ところが井川は、そこで止めなかった。
「その10時間後に全部スッてしまいました。でも、そういう人間だから150万円を23億円にできるんです。種銭100万円が500万円に増えた時点で、それでレクサスを買おうと考えている人間はそもそも500万円にできません。
500万円になろうが1000万円になろうが、23億円になろうがもっと増やしてやろうとなるか否か。そもそもお金が欲しくてやっているわけではないんです。今まで負けて返済しなきゃいけないカネもあるから、それを取り返すためにまた駆り立てられる」
そうして賭け続けた結果、井川は106億円という“天文学的数字”の金を溶かしてしまったのである。その心境を井川はこう説明する。
「例えるなら、主婦の方が100万円をスってしまうのと同じだと思います。ギリギリの金額っていうのは人によって違いますよね。私にとっては、それが100億円だっただけのことなんです。例えばパチンコにハマってへそくりを使い、消費者金融からも借りて、それ以上やったら夫にバレてしまう、そういう状況の主婦にとっての100万円と変わらない」
その人にとって限界を超えた世界で勝負するヒリヒリ感が、井川のようなギャンブラーたちを虜にしてしまうのだろう。
水原被告の場合も、それは同じだったのかもしれない。アメリカ連邦検察によると、水原被告は違法の胴元を通じて少なくとも1万9000回の賭けを行ない、少なくとも約220億円勝ち、少なくとも約284億円負けたという。
水原被告にとって最も「手をつけてはいけないカネ」、それは相棒である大谷の財産だった。被告はそれを種銭に、自らの限界を軽く超える金額を賭け続け、泥沼にハマったのだ。
その背景について被告は、裁判所に提出した申立書で「ギャンブル依存症という病気だった」と主張。大谷の過密なスケジュールに同行する仕事を続けるうちに、ストレスで賭博に手を出してしまい、抜け出せなくなったとしている。
しかし井川は、被告の行ないに対し「病気だからと言って許される話でもないでしょう」と喝破するのだった——後編では、井川がギャンブラーの先輩として水原被告に送ったエール、計画する「YouTube対談」について詳報する。
(後編につづく)
【プロフィール】
水谷竹秀(みずたに・たけひで)/ノンフィクションライター。1975年生まれ。上智大学外国語学部卒。2011年、「日本を捨てた男たち」で第9回開高健ノンフィクション賞を受賞。最新刊は『ルポ 国際ロマンス詐欺』(小学館新書)。10年超のフィリピン滞在歴をもとに「アジアと日本人」について、また事件を含めた現代の世相に関しても幅広く取材。2022年3月下旬から2か月弱、ウクライナに滞在していた。
外部リンク
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