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なぜバツイチのほうが結婚できるか

プレジデントオンライン / 2013年8月20日 8時45分

離婚増加で増える「再婚カップル」

子育て中、養ってくれる男性に人気が集中! 経済力も恋愛力もある男性は希少なので、何回も結婚して何人かの女性を養うことになる――。

■50代以上なら自営業の男が有利

36%……この割合は何の数字でしょうか? これは日本の離婚率です。つまり3組に1組のカップルが別れているわけです。

離婚した人を「バツイチ」と呼ぶ言葉がすっかり定着しました。しかし「結婚に失敗した人」というマイナスな意味ではない……そう思う女性が増えています。

「私、絶対にバツイチのほうがいいと思う。だって、誰かが1度でもその人と結婚したいと思ったわけでしょう?」

だいたいこのような発言をするのは、恋に迷い、婚活に疲れたアラサーから上の女性たち。

さまざまなシングル男性たちに出会っても、中には履歴書はピカピカでも、まったく女性とコミュニケーションがとれない人もいる。カレシがいても、なかなか結婚してくれない永遠のモラトリアムボーイ。先日もおしゃれな女性たちが200名も集う「女子会」のトークショーに出たのですが、「カレシが結婚してくれない」というのが全員の悩みでした。

婚活に疲れ切り、いったい王子様はどこにいるのか……そんな女性たちにとって「離婚経験者」は魅力的にうつるのです。

日本の結婚市場は身もふたもなく、「高収入」「安定」「恋愛力」を持つ男性から売れていきます。年収600万円以上の独身男性は5.7%しかいない。子育て中に養ってほしいと思うと、それができる男性は非常に少数の激戦市場。既婚男性がフリーともなれば、誰かがその席を占めたいと思っても当然です。

新刊『女子と就活』で女性と就労の実態を調べましたが、結局のところ、「第1子出産後常勤の仕事を続けられるのは2割」という数字がここ20年間変わっていない。子どもと仕事がトレードオフなら、養ってくれる男性に女性たちは集中してしまいます。

男性はもともと再婚率が高く、約10人に7人が、女性では約10人に6人が再婚をしています。1年間に結婚したカップルのうち、4組に1組が、どちらかが、または両方が再婚者となっています。世の中、「1度も結婚しない人と何回も結婚する人」に2極化してきているのです。

最近の加藤茶さんなどの例を見ていると、「時間差一夫多妻制」の時代がきていると思います。経済力も恋愛力もある男性は希少なので、何回も結婚して何人かの女性を養うことになる。

しかし、誰もが熟年になっても若い女性と再婚できるわけではありません。「子ども」という問題があります。友人は魅力的なバツイチ男性(50歳)で、「誰か女の子紹介してよ。再婚したいんだよ」といつも言っています。しかし、彼の条件は「できれば20代から30代半ば」です。さらに「もう子どもはいらない」といいます。離婚した妻との間の2子を養育しているので、これ以上は養えないというのです。ところが、結婚したい女性というのはだいたい「子ども」がほしい。あきらめるのは45歳以上ぐらいです。かくして紹介はいつも不成立となります。

また50歳以上でも若い女性と再婚できるバツイチは「定年のない仕事に就く人」のほうが有利です。「子どもが20代になったときに相手はいくつか」ということを女性は常に計算しているのです。

かつては「バツイチなんてとんでもない」という親もいましたが、最近は「結婚できればどんな人でもいいのよ」と女性たちも因果を含められている。結婚市場の中でバツイチへの注目度は上がっています。

「バツイチの人のほうが絶対にいいわよ」と、再婚同士で最近結婚した女性にすすめられたアラサー女性。

「でも、バツイチでステキな人は、あっという間に再婚してしまって市場にでている期間が短いのよ。離婚する前からちゃんと目をつけておいて、離婚が成立したら、すかさずいかないとね」

そう諭された彼女は今「離婚しそうな男性」を一生懸命探しています。

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ジャーナリスト 白河桃子
1961年、東京生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。結婚、少子化など女性のライフスタイルに関する取材を数多く手掛ける。『「キャリモテ」の時代』、『「婚活」時代』(共著)など著書多数。

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(少子化ジャーナリスト、作家、相模女子大客員教授 白河 桃子)

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