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どんな問題も万事解決!「総理を狙う男の口グセ」

プレジデントオンライン / 2015年6月1日 9時45分

小泉進次郎氏(写真=時事通信フォト)

「これから総理大臣になる政治家を挙げてください」。そう言われたとき、多くの記者が小泉進次郎議員を思い浮かべるだろう。少なくとも進次郎氏の同世代には、ライバル候補がいない。

今でこそ世間から高い評価を受ける進次郎氏だが、政治家としてのスタートは決して順風満帆ではなかった。彼がいかにして現在の地位に上りつめたか。進次郎氏の言動の端々を点検すると、人の上に立つ人物にふさわしい品格が見えてくる。初当選は2009年。父である小泉純一郎氏が政界引退を表明し、地盤である神奈川11区を引き継いでの立候補だった。自民党に逆風が吹き、世襲政治家に厳しい目が向けられる時勢にあって、進次郎氏もまた、難しい戦いを強いられた。演説に耳を傾けてくれない人々。ペットボトルを投げつけられたこともあった。それでも57.1%の得票率で選挙に勝つが、純一郎氏が70%を超える票を集めていたことを考えると、進次郎氏への期待はまだ薄かった。それから5年後、14年12月に行われた第47回衆院選では応援演説で地方を飛び回り、地元で終日活動できたのは2日間のみ。にもかかわらず、83.3%という父も成しえなかった驚異の得票率をマークし、投票率・投票数とも全国1位。国会議員として、自民党の顔として不動の地位を築き上げた。

地元での演説にはその躍進の謎を解く鍵が隠されている。進次郎氏はことあるごとに「皆さんに支えられて」というフレーズを口にする。「私が地元を空けていても、皆さんが守っていてくれるから、安心して仕事に打ち込める」といった具合に、周りの協力を得られるからこそ自分があると説く。「総理大臣になりたいですか」という質問に「総理大臣になってもらいたいと思われるような人になりたい」と回答したことからも、その姿勢が徹底していることがわかる。

自分が発案して行動を起こした際でも、会見や報告会をほかの議員とともに行い、自分の手柄であることを強調することはない。「私たちが進次郎を支えなければ」。周りの人間をそんな気持ちにさせるのかもしれない。一般的な政治家との違いはメディアへの対応にも表れる。基本的に特定のメディアからの個別取材はNGだが、ぶら下がりと呼ばれる複数メディアへの取材は積極的に受けるし、メディアを選り好みすることはない。ぶら下がりはどんな質問が飛ぶかわからないこともあり、敬遠する政治家は少なくないが、父譲りの堂々たる態度でそれに応える。

細かい所作だけではない。政治活動にも誠実さが見え隠れする。族議員という言葉に象徴されるように、活動の中で特定の団体・集団の支持を取り付けた国会議員は多い。一方で、進次郎氏は、そのようなバックグラウンドを持たない。彼が政治家としてのライフワークに定めたのは東日本大震災の被災地復興および福島第一原発の事故処理だ。復興も廃炉もこれから先何十年と続くことになる。進次郎氏はまだ30代前半。「私は、すべて終わるまで見続けることができる立場だ」と言えば、周りの議員たちもうなずくしかない。毎月11日に被災地に入る「TEAM-11」を、党青年局長時代に設立。被災地を未訪問の議員がまだいる中、被災者と強い絆を築いている。そんな進次郎議員のことを「(パフォーマンスを)うまくやっている」と揶揄する自民党議員もいるようだ。かつて、選挙応援で自らを「客寄せパンダ」と自虐的に話したこともある進次郎氏だが、被災地と継続的な関係を築くことで、被災地への国民の関心を集めていることも事実だろう。

強烈な個性で総理となり、一匹狼にも例えられた父。その背中を見て育った息子が、父とはまったく違うやり方でトップになる日はそう遠くないのかもしれない。

(日刊スポーツ記者 中山 知子 構成=唐仁原俊博 写真=時事通信フォト)

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