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体が芯から奮い立つ! 錦織 イチロー 五郎丸が実践する「アンカリング」技術5

プレジデントオンライン / 2016年10月18日 6時15分

■結果を出し続ける人がしている「アンカリング」とは?

こうした例はみなさん心当たりがあるかもしれません。

「つい、忘れ物をしてしまう」
「いいことを聞いたのに、それを実践できない」
「悪いクセがやめられない」
「落ち込んだ時に気分を立て直せない」
「いい習慣が続かない」

今回はこのような日常の「あるある」場面で使えるひとつの技術「アンカリング」を紹介したいと思います。

1.よい「条件づけ」をすれば、いつでも引き出せる

アンカリングとは、心理学用語です。簡単に言うと、ある行動や心理状態を作り出すためのキッカケとなるものをつくることを言います。いわゆる条件づけです。

アンカーとは船を止めておく錨。

自分にとって好ましい行動や心理状態を自分の中の錨として持っておくことができればいつでも乗ることができるのです。すぐ動き出すことができるのです。

2.自分にとっていいアンカーを持つ

では、そのアンカーとなるものとは、どんなものか。例えば、映像、写真、言葉、音楽、動き、匂い、味覚などです。簡単にご説明しましょう。

【アンカー1 音楽】

オリンピック選手などアスリートは、最高のパフォーマンスを出すために心理状態をよくすることが結果を左右するポイントになります。

そのため、彼ら選手たちは、それぞれ勝負曲を持っていることが多いです。

体操の内村航平選手:AK-69『Flying B』
水泳の瀬戸大也選手:少女時代『Into The New World』
テニスの錦織圭選手:ONE OK ROCK『The Beginning』

この勝負曲というのはまさにアンカーです。

これらの音楽を聴くと気持ちが最高の状態になるように条件づけされているわけです。良い条件づけがアンカリングなのです。

勝負曲だけではなく、リラックスできる曲、心が浄化される曲、テンションが上がる曲など心の状態をつくるのに曲は、極めて有効的なアンカーになります。

■視界の中に「張り紙」でもうひと踏ん張りできる

【アンカー2 儀式】

一定のルーティン動作もアンカーになります。

有名な例で言えば、大リーグのイチロー選手がバッターズボックスに入って構えるまでの一連の「儀式」もアンカーです。

ラグビーの五郎丸歩選手がボールを蹴る時の一連の動作(ルーティン)もまさにアンカーです。身近な例でいうと、勉強する前に片付ける、起きたらすぐにコーヒーを飲む、寝る前に瞑想するなどを習慣化させると心身ともにいい状態を作ることができる人も多いのではないでしょうか。

朝の儀式、夜の儀式をつくると良い1日をスタートし、締めくくることができます。私は「朝ルーティン」「夜ルーティン」と呼んでいますが、これは行動のアンカーです。

【アンカー3 張り紙】

日光東照宮に行った時のこと。長い長い階段の先にある徳川家康公の墓を目指している途中に石碑があり、そこには遺訓が書かれていました。

「人の一生は遠き道を行くが如し、急ぐべからず」

長い階段を上っている最中にみると、ズシッと響くものがありました。それ以降、私はこの遺訓を座右の銘にしています。この言葉を筆耕さん(写字や清書をする専門家)に書いてもらい、机の前に貼って毎日見えるようにしています。

会社の施設内外にはしばしば社是がかけてあったり、お寺には禅語の掛け軸があったりします。このように、言葉や自分のありたい姿、尊敬する人の写真を貼っておくと、目にする頻度の分だけ心の状態が変わります。

座右の銘が目の前にあれば、心が整います。自分の理想を写真で貼っておけば、ワクワクします。尊敬する人の写真や言葉を、デスク回りなどに貼っておくと、もう一踏ん張りしようとやる気が湧きます。

視覚を使ったアンカー。これもすぐにできます。

■嗅覚と味覚で、体を芯から奮い立たせる!

【アンカー4 アロマ(匂い)】

アロマもひとつのアンカーです。例えば、ユーカリは集中力を高める、ライムはストレス緩和、ラベンダーは不安の軽減(リラックス)をさせてくれます。

自分が大好きな匂いは、心の状態をよいほうへと導いてくれます。

私の場合、秋風の匂いを嗅ぐと心が浄化されたような気持ちになりますし、線香の匂いを嗅ぐと心を全てオープンにしたようなリラックス感を得られます。

【アンカー5 味】

作家の湊かなえさんは、執筆するときに気合が入らない時にどうしているのか、という質問に面白い回答をしていました。こんな主旨の内容でした。

「ストロングミント味の作品、グレープ味の作品……。連載が月に2本ある時とかは、ガムの味で“今、私はこれを書いてるんだ”とわかるんです」

ガムを噛むと創作モードに入るというのですが、これも作家によって違うようで、黒川博行さんは「お茶を飲む」のが執筆に集中する儀式のようです。

いずれにしても口に入れるもので、テンションを変えることができます。

最高の心の状態をつくるための、5つのアンカー(音楽、儀式、張り紙、アロマ(匂い)、味)をご紹介しました。どれも、実行に移しやすく、心を簡単にいい状態(集中力ややる気を高めやすい)に再現できたり、気分を一新できたりする習慣なのです。

(習慣化コンサルティング代表取締役 古川 武士)

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