JALの接客プロ「5200人中1位の会話術」

プレジデントオンライン / 2018年9月26日 9時15分

JALスカイ 国際部 国際パッセンジャーサービス担当 永見愛里さん

接客のうまい人は、どんな「話し方」をしているのか。今回、業界を代表する5社から5人の達人を推薦してもらい、それぞれのトーク術について聞いた。第5回はJALスカイ 国際部 国際パッセンジャーサービス担当の永見愛里さんだ――。(第5回、全5回)

■JALグランドスタッフ5200人の「頂点」に立った女性の仕事

国内外からの大勢の旅行者で連日賑わう羽田空港。チェックインカウンターや搭乗口、手荷物返却エリアなどで利用客の対応や案内をするのが、グランドスタッフと呼ばれる職員だ。

国際線ターミナルに勤務する永見愛里さんは、入社3年目ながら、日本航空(JAL)のグランドスタッフが接客スキルを競う「空港サービスのプロフェッショナルコンテスト」の国内部門で優勝した実力の持ち主。国内外5200名に上るJALのグランドスタッフの頂点だ。

「まさか自分が優勝できるとは思いませんでしたから、この結果には驚きました。ただ、私は普段から『聞き役に徹する』ことを意識しているので、コンテストでもその点を評価していただいたのかもしれません」

本人は控えめに話すが、永見さんが接客の現場で実践している“聞く”のレベルは相当に高い。

「相手の話に耳を傾けながら、声のトーンや話すスピード、表情などを観察して、その方に合った対応をします。時間を気にして急いでいるご様子なら、こちらも必要な情報のみを簡潔かつスピーディーにお伝えしますし、『今日の旅行が楽しみでね』などと世間話を交えてのんびりと話しかけてくださったときは、こちらも会話のペースをゆっくりにしてお話しさせていただきます」

■成長のきっかけは、新人時代の「失敗」

永見さんが「聞くこと」の大切さを実感した新人時代のエピソードがある。ある乗客が預けた手荷物が破損したため、JALが責任を持って修理すると相手に伝えたときのことだ。

「『お客さまをお待たせしてはいけないと思い、早くご説明しなくては』と焦ってしまい、私が一方的に修理の手順を早口で話しはじめてしまったんです。そうしたら、お客さまの表情がみるみる険しくなって……。もしお怒りなのであれば、まずはその気持ちを推し量って、こちらが共感と理解を示すことが必要だったんですね。改めて要望を伺うことでそのお客さまも最後は『こちらの気持ちをわかってくれたならそれでいい』とご納得してくださいました。お客さまにご迷惑をおかけしたときこそ、相手の言葉に耳を傾けることが重要だと学びました」

アジアからの旅行客のために中国語や韓国語の挨拶を勉強したり、聴覚障がい者に対応できるよう手話を覚えたりと、日本一になっても努力を惜しまない永見さん。「自分がお客さまに対してできることの引き出しをもっと増やしたい」と、さらなる接客スキルの向上に向けた意欲を語ってくれた。

▼日本一のポイント:会話のスピードを合わせる

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永見愛里(ながみ・えり)
JALスカイ 国際部 国際パッセンジャーサービス担当
大学卒業後、2016年入社。18年日本航空の地上係員の接客スキルを競う「空港サービスのプロフェッショナルコンテスト国内部門」で優勝。

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(塚田 有香 撮影=市来朋久)

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