ローソン社長が"全自動コンビニ"急ぐワケ
プレジデントオンライン / 2019年4月14日 11時15分
■総菜はロボットがつくり、品出しや清掃も自動
コンビニで商品を手に取った顧客が会計せずに店を出る。商品に付けた無線識別タグにより専用レーンをくぐれば自動決済される。ディスプレー上にはバーチャル店員の接客。総菜は店頭でロボットがつくり、品出しや清掃も自動。2018年10月、家電とITの見本市CEATECジャパンに初参加した、ローソンの竹増貞信社長が示すコンビニの未来像である。
人手不足の深刻化で「人件費が高騰し店舗の維持が難しくなっている」(オーナー)との悲鳴がある。竹増氏は「このままだと出店が続けられなくなる。デジタル技術のフル活用でこの先も進む人手不足に対応する」と強調する。足元では自動釣り銭機能付きのレジや、発注の作業時間を大幅に短縮する発注システムの導入などで店舗の省力化を進めている。
■課題はセブンに商品力で追いつくこと
竹増氏は三菱商事出身。2014年にローソンの副社長に転じ16年、46歳で社長に就いた。翌年、三菱商事はローソンを子会社化し、外部から招いた玉塚元一会長も退任する。
竹増氏の昇格は商事が関与を強める人事だった。「絵に描いたようなエリートで弁舌さわやか。若いので今後、三菱商事に戻り出世する可能性もある」(社内関係者)との評がある一方、「発信力が弱い」(アナリスト)との見方もある。
課題は1日当たりの店舗売上高で10万円以上差があるセブン-イレブンに商品力で追いつくこと。ファミリーマートはサークルKサンクスとの統合で競争力を高めた。竹増氏が大胆な逆転施策を打てるかどうかで今後の競争環境は大きく変わる。
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ローソン社長
1969年生まれ。大阪大学卒。93年三菱商事入社。2014年ローソン副社長。16年6月より現職。
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(入江 近 写真=時事通信フォト)
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