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デキる人がサウナ時間をわざわざ作る深い理由

プレジデントオンライン / 2019年11月22日 15時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/qwerty01

なぜ仕事で忙しい人が、わざわざサウナに通う時間を作っているのか。サウナイベントをプロデュースする経営者・本田直之氏は「サウナに通うことで心身が安定し、風邪も引きづらくなる。だから仕事の生産性にこだわる人ほど、サウナに入っている」という――。

※本稿は、本田直之、松尾大『人生を変えるサウナ術 なぜ、一流の経営者はサウナに行くのか?』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

■疲れた身体をリセットするリフレッシュ効果

サウナの効果で最も代表的なのは、運動後に得られるのと同じような爽快感、リフレッシユ効果だ。

筆者はサウナに入る際、「サウナ→水風呂→外気浴」というサイクルを繰り返しながらサウナに入ることを推奨しているが、まずはこのサイクルが身体にどのような変化をもたらすか、簡単にご説明しよう。

サウナ室に入ると、身体は熱い空気に包まれてじわじわと汗が出てくる。体内の老廃物が汗とともに排出され、身体の物質交換が進んで疲労回復に繋がる。

しばらくサウナにいるとだんだん熱くなってきて、40℃近くまで上昇した体温を冷まそうと皮膚の表面の血流量が増加し、脈拍も平常時の2倍ほどの速さになる。

「サウナ=気持ちいい」というわけではなく、むしろ不快感が増して交感神経が活発になる。80~90℃もあるサウナ室に何時間もいたら死んでしまうので、身体が危険信号を出すために交感神経が活発になるのは生物としては当たり前のことだ。

サウナ室を出たら、次は水風呂に入る。温められていた身体が冷たい水で急速に冷やされ「気持ちいい?!」となるところなので、サウナー(サウナ愛好者)の中にも特に水風呂をメインの楽しみにしている人は多いのだが、水風呂でも、リラックスしているときに優位になる副交感神経ではなく、交感神経が優位になる。

本多直之、松尾大『人生を変えるサウナ術 なぜ、一流の経営者はサウナに行くのか?』(KADOKAWA)

16℃などの水風呂(場所によっては一桁台の温度の水風呂もある)にずっと浸かっていたら、体温はどんどん下がり、またもや生命の危機に晒されることになるからだ。

水風呂も十分に浸かったところで、浴槽を出て、外気浴スペースで休憩を行う。

このとき、サウナ→水風呂で大きく交感神経優位になっていたところから、反発して逆に副交感神経が優位となり、身体全体が一気にリラックスモードに入る。

水風呂によってぎゅっと収縮していた血管が解放され、体表温度も脈拍も平常時近くに戻る。

この、交感神経優位から副交感神経優位に自律神経がスイッチし緊張から解放されたときのホッとした感じ、自分の基準である体温や脈拍へと一旦リセットされ、リブート(再起動)されるときの、いうなれば野性的な感覚が、サウナにおける爽快感であり「ととのう」という感覚の正体だ。

この一連の流れを終えると、血流の変化によって身体の凝りがほぐれ、全身のだるさや疲れが取れる。頭はシャキッとしてすっきりし、新しい軽やかな気持ちでまた仕事に向き合うことができるようになる。

■良質な睡眠を得られる

睡眠不足や不眠症に悩む人も多いが、良い睡眠を得るのにもサウナは効果的であり、サウナの本場・フィンランドでも、「サウナに入れば睡眠薬は必要ない」と言われている。

筆者と共にサウナの研究を進めている日本サウナ学会代表理事の加藤容崇医師は、このサウナが睡眠にもたらす効果を検証すべく、サウナに入った日と入らなかった日の自身の睡眠状態を計測した。

すると、サウナに入らなかった日の夜は、脳や身体の疲労を回復させる深い睡眠の割合が全体の14%程度だったのに対し、サウナに入った日の夜は約28%と、全体に占める深い睡眠の割合が2倍近くになっていた。すなわち、サウナに入った日のほうが睡眠の質が改善し、ぐっすり眠れていたのである。(図表1)

理想的な睡眠時間が約8時間程度であるのに対し、働きざかりの40代日本人の半数前後は毎日6時間未満しか眠れていないというが、サウナで睡眠の質を高めることができれば、忙しい生活の中でも身体のコンディションをより良い状態に持っていくことができるだろう。

■自律神経が鍛えられ、メンタルが安定する

サウナでは交感神経、水風呂でも交感神経が優位になり、外気浴で一気に副交感神経が優位になることによって「ととのう」という状態に導かれるということは、先ほど書いたとおりだが、これはメンタルの安定という意味でもとても効果的である。

そもそもこの交感神経や副交感神経とは、自律神経と呼ばれる、血液や臓器のはたらきを司る神経系のことであり、交感神経とは日中優位になる緊張モードの神経、副交感神経とは夜間や休憩時に優位になるリラックスモードの神経のことだ。

私たちは毎日この交感神経と副交感神経を昼と夜で切り替えながら生きているわけだが、このバランスが不規則な生活やストレスによって崩れてしまうと、身体の不調を感じたり、自律神経失調症やうつ病といった疾患に至ったりする。

こうした疾患にかかる患者数は年々増えているようで、これは現代人がいかにストレスの多い社会に生きているか、また自律神経を鍛える必要が高まっているかの表れとも言えるだろう。

熱いサウナ、冷たい水風呂と外気浴での休憩というサイクルを繰り返すと、日常生活ではなかなか自分の意思で切り替えにくい交感神経と副交感神経のスイッチングが繰り返され、自律神経の働きが鍛えられる。

イライラしたり、落ち込んだりすることも減り、穏やかで安定したメンタルを手に入れられるようになるのだ。

■免疫力が高まり、風邪を引きにくくなる

ハードな生活を送るビジネスパーソンにとって「体調を崩さない」ということも重要なことのひとつだ。いくら普段の生産性が高い人であっても、一度ひどい風邪やインフルエンザで1週間も寝込んでしまうと、仕事に大幅な支障をきたしてしまうためである。

こうした普段のコンディション維持や免疫力のアップにも、サウナが役立つことがわかってきた。

オーストリア・ウィーン大学の研究チームが、週に2回以上サウナに入るグループと、サウナにに入らないグループの風邪の罹患率を6カ月間にわたって調査したという論文によると、サウナに入る人はそうでない人に比べて約50%も風邪にかかる率が低かったのだ。

すでにインフルエンザが流行し始めているともいうが、風邪が本格的にはやりだすこれからの季節、サウナで身体を温めながら免疫力を高めることができれば、一石二鳥である。

■サウナが一番“手っ取り早い”

サウナの効果の一部は、たとえば筋トレなどのほかの運動や、日々の生活習慣に気をつけることによって手に入れることも可能だ。

ただし、サウナがほかの活動と異なるのは、30分~1時間というごく短時間の間に、運動と同様の効果を得られる点と、ただサウナや水風呂に入って休憩するだけで良く、特別な身体能力や技能、努力を必要としないことである。筋トレや運動はあまり好きではない、続かないという人にも取り入れやすい、万人に効果のあるソリューションと言えるだろう。

生活習慣を改善したいけどなかなかその時間が取れないという忙しいビジネスパーソンにこそ、ぜひサウナを生活に取り入れ、仕事の生産性向上にも活用してみてほしい。

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本田 直之(ほんだ・なおゆき)
レバレッジコンサルティング代表取締役
日米のベンチャー企業への投資育成事業を行いながら、年の5カ月をハワイ、3カ月を東京、2カ月を日本の地域、2カ月をヨーロッパを中心にオセアニア・アジア等の国々で過ごし、各地で食およびサウナを巡る旅をしている。食やサウナのイベントのプロデュースも行う。

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(レバレッジコンサルティング代表取締役 本田 直之)

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