私がこの15年、1度も風邪にかかっていない理由

プレジデントオンライン / 2019年12月10日 15時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/RyanKing999

寒くなり、風邪をひく人が目立ってきた。一方、ネットニュース編集者の中川淳一郎氏はこの15年、一度も風邪にかかっていないという。中川氏は「私は6つの対策をとることで、風邪をひかなくなった。そのうえで、本人のためにも、周囲のためにも、咳をする人は家で休んでくれ」という──。

■私が風邪にかからない理由

冬が来た。とにかく言いたいことがある。

「咳(せき)をする人は休んでくれ」

これだ。そして、もうひとつある。

「その咳がぜんそくによるものなのであれば、それは言ってください」

冬になると、とにかく風邪やインフルエンザをうつされることが恐怖でたまらない。私は当連載で「満員電車はクソ」「定時出勤はクソ」などと言い続けてきたが、そうした主張をする大きな理由のひとつは、風邪やインフルエンザに感染したくないからである。不特定多数の人が大勢いる場所に身を置くことにより、病気をうつされてしまう。それを回避する人生を送ることこそ幸せである──そう思ってきた。

フリーランスになって以来、満員電車にはほとんど乗らなくなり、不特定多数の人々が集まるような場所に行くことも減ったので、風邪はまったくひいていない。おそらくこの15年ほど、一度も風邪にかかっていないと思う。

■咳をする人が気になって仕方ない

とはいえ、仕事をしていれば当然ながら打ち合わせや会議などが発生するため、必要に応じて電車にも乗るし、取引先にも出向くことはある。そんななか、会議室や執務室で咳を頻繁にする人がいると、どうしても「風邪をうつされるのでは……」という気持ちにならざるを得ないのだ。私だけでなく、その周囲にいる多くの人が、内心では「その咳、気になるな」と思っているはずだ。

ひとたび咳が気になってしまうと、会議の内容なんてそっちのけで、その人の咳をいかに直撃しないかばかりを考えてしまう。風邪をうつされてしまうと、自身の仕事や娯楽にも影響するし、家族にもうつしてしまうかもしれない。それをいかに回避するかが、冬の時期の重要課題になる。

そこで今回提案したいのが「咳が出るのであれば休んでもいい」という空気をさまざまな組織でつくり、それを社会的コンセンサスにすることである。最近は「インフルエンザにかかったら完治するまで絶対休め」というコンセンサスがだいぶ醸成されてきたように感じるが、それを「咳」にも適用してはどうか、ということだ。

「マスクをすればいいのでは」という意見もあるだろうが、会議に出席した際にマスクをしている人が数名いたら、私は「風邪をうつされるのではないか」と恐怖を覚える。マスクの人々が相応の配慮をしてくれているのはわかるものの、正直、こちらはその人からできるだけ遠い場所にいたいと思う。ビシッと密閉されたタイプのマスクを着けてくれていればまだ少し安心できるが、ところどころに隙間があるようなマスクでは恐ろしく感じる。電車で座っていても、マスクの人が隣に座ってきたら逃げたくなる。

■零細企業は従業員の健康が第一

いや、過剰反応かもしれないことは、重々承知している。ただ、自分も含めて従業員2名という超零細企業を経営しているだけに、風邪やインフルエンザで寝込むような状況は死活問題なのだ。私と唯一の従業員であるY嬢の2人が共に病に倒れてしまったら、業務がまったく進まなくなってしまう。そのため「零細企業は従業員の健康が第一!」と方針を掲げ、本気で実践してきた。

たとえば、2人がそれぞれ仕事場を構えて、「第1オフィス」「第2オフィス」に分かれて業務にあたり、じかに会うのは週1回にしているのも、その一貫である。寝不足だったり、ちょっと体調が芳しくなかったりする際は、気兼ねなく仮眠を取ることもできるし(「つらいときは無理をしない。眠いときは、寝ろ」も弊社の方針のひとつである)、どちらかが風邪をひいたとしても(私は一切ひかないが)感染は避けられるのである。

もちろん、仕事場を別にする一方で、連絡はメールや電話で密に取っているし、グーグルドキュメントといったツール類を活用して、業務に関する確認ごとや連携には支障をきたさない体制にもなっている。別の言い方をするなら「環境や仕組みさえ整えれば、必ずしも同じ仕事場で顔をそろえて働く必要はない」「物理的に離れていても進められる業務はかなり多い」ということだ。

■ぜんそくと風邪はまったく異なる。だから言ってほしい

ここで話は、冒頭の「その咳がぜんそくによるものなのであれば、それは言ってください」に戻る。アレルギーによる咳も同じだ。

私の仕事仲間に、一緒のオフィスにいると頻繁に咳をする男性がいた。それこそ夏も含め、何カ月にもわたってである。彼の咳を耳にするたび、「風邪をうつされたらたまったものではない」と思い続けていたのだが、私はまったく風邪をひかない。気になったので、ある時、「風邪、なかなか治りませんね」と尋ねてみた。すると、彼はこう言った。

「オレはぜんそくなんですよ。あれ、初めてお伝えしましたっけ? 咳が常に出てしまうんです」

ぜんそくと風邪はまったく異なるものである。以後、彼がどんなに咳をしようが気にならなくなった。彼が咳をしたところで、そこにウイルスは含まれていないのだから、私も風邪をひくわけがなかったのである。

同様のことでは、マスクを着けている人が「実はアレルギー性鼻炎なんです」と教えてくれたり、「自分が風邪をひかないよう、予防の意味でマスクをしています」と言ってくれたりすると、非常に安心できる。

■オフィスワークの大半は遠隔でも対応可能

咳が出るのは仕方がない。だが、咳をすることにより、周囲の人は不安感を覚える。だからこそ、その咳の理由は隠すことなく伝えるほうがいい。とくにぜんそくといった持病がある人は、周囲にキチンと伝えておくことが職場全体、ひいては当人に安心感をもたらしてくれる。

などと改善策を述べつつも、やはり咳が出るようだったら仕事は休んでもいいのではないか、と個人的には思う。何しろそれは病気の症状なのだから。

工場や農場、建築系の現場などで実際に手足を動かす必要がある人、あるいは所定の場所で人前に立つことが仕事に付いて回る講師や教員といった職種の人を除き、オフィスワーカーの業務の大半は、職場に出勤しなくても成立するものばかりである。会議があるといっても、よほど重要な会議はさておき、日常的なものであれば、絶対にその場にいなければならない状況は、実際のところそれほど多くないはずだ。

たとえば、自身の意見や報告をまとめたペーパーを事前に送っておき、他の参加者に代読してもらう方法でも話は済むだろう。どうしても議論に参加しなければならないなら、スカイプなどビデオチャットを使うのも一案である。咳が止まらないところを押して職場に出ることより、職場に出ないで済む方策を考えるべきではないだろうか。

■風邪やインフル予防は、とにかく「うがい」

このように、風邪やインフルエンザをうつさない努力も大切だが、うつされないための対策も同じく大切である。

基本的な予防方法だが、専門家に聞いたところによると、とにかく1時間に1回はうがいをすることが重要らしい。2019年11月14日発売の週刊誌『女性セブン』には、以下の記述がある。なぜ、1日に何人もの患者を診断する医師が風邪をうつされないかについて言及したものだ。

〈1人診察するごとに緑茶をゴクリと飲んでのどを潤しているそうです。つまり、万一ウイルスが入って来ても、お茶で流して胃に送り込んでしまえば感染はしにくくなります〉
〈かぜやインフルエンザなどのウイルスから最前線で体を守っているのはのどの粘膜だ。粘膜がじゅうぶんに潤っていると、ウイルスなどの異物は胃に流されてしまうが、体内の水分が不足してのども乾燥気味になると、ウイルスは粘膜から侵入し、感染するのだ〉

現在、私は週に3回、大企業に出勤して、大勢の人がいる環境で業務にあたる生活をするようになった。その際はとにかく、水分補給とうがいを徹底的にすることを心掛けている。いくら他社に出勤をしようが、結局は自分が経営する会社の代表なのである。自分が仕事をしなくては売り上げが立たなくなってしまうため、一切休むわけにはいかないし、健康であり続けなくてはならないのだ。

■私の風邪予防策6カ条

幸いなことに、まったく風邪をひかない暮らしをずっと送ってきたが、以下がそんな私の風邪予防策である。一点、「それはマズいんじゃないの!?」というものも【6】に含めた。薬や健康管理に詳しい人からすれば「それは絶対にダメ!」と言いたくなるかもしれないが、とにかく今の激務を乗り切るには【6】のような方法もやむを得ないのだ。実際、以下の6点を徹底することにより、この15年風邪はひいていない。

【1】満員電車は極力避ける。
【2】オフィスにいても、人があまりいない場所で仕事をする。
【3】人が大勢いる場所に何時間もいる場合は頻繁にトイレへ行き、手洗いとうがいを励行する。
【4】電車から降りたらすぐに手洗いとうがいをする。公衆トイレだろうが公園の水飲み場だろうが気にしない。水道の蛇口があったらそれを活用する。場合によっては、ペットボトルの水を買い、手洗い、うがいに使うことも躊躇しない。
【5】食事は栄養豊富なものを取るよう心掛け、ファストフードやコンビニ食は避ける。
【6】少しでも喉の痛みを感じたり、咳をする人と接触したりしたら、迷うことなく総合感冒薬を服用する。これは210錠入っていて1200円の安い商品。この時期は1日に2回は3錠ずつ飲む。

■本当にヤバイ時期は風邪なんてひかない

とはいうものの、実のところ「病は気から」というのは真理かな、とも思っている。自分が休んだらすべてが終わる——そういう感覚を常に抱いているため、気が抜けない人生なのだ。これまでの自分の人生を振り返ってみても、風邪をひいたのは、会社員になったばかりでまったく責任がない時期だったり、学生時代でもテスト期間以外だったりした。

本当にヤバイ時期になれば、風邪なんてひかないものだ。これを逆説的に捉えれば、「常にヤバイ状態をつくり続けたうえで、上記【1】~【6】のような予防策を実践することにより、風邪・インフルエンザは回避できるのでは?」ということなのかもしれない。

とにかく強調したいのは「咳が出るのであれば休め」と「咳がウイルス由来でないのであれば周囲に言え」ということである。

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【まとめ】今回の「俺がもっとも言いたいこと」
・咳が出るときは、自身の養生、周囲への配慮を踏まえて、出勤はできるだけ控えるべし。
・風邪やインフルエンザ予防には、とにかく「うがい」の励行だ。
・本当に休めないような「ヤバイ」状況になると、不思議に風邪はひかない。常にヤバイ状況に身を置き続けるのも、風邪・インフルエンザ対策のひとつかもしれない。

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中川 淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう)
ネットニュース編集者/PRプランナー
1973年東京都生まれ。ネットニュース編集者/PRプランナー。1997年一橋大学商学部卒業後、博報堂入社。博報堂ではCC局(現PR戦略局)に配属され、企業のPR業務に携わる。2001年に退社後、雑誌ライター、「TVブロス」編集者などを経て現在に至る。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』『ネットのバカ』『ウェブでメシを食うということ』『バカざんまい』など多数。

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(ネットニュース編集者/PRプランナー 中川 淳一郎)

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