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習近平氏が5日から5年ぶりに訪欧、米国の対中圧力に対抗 欧州の足並み乱す狙いも

産経ニュース / 2024年5月4日 19時48分

【北京=三塚聖平】中国の習近平国家主席は5~10日にフランス、セルビア、ハンガリーを訪れる。今年初の外遊で、訪欧は新型コロナウイルス禍前の2019年以来。米国が呼び掛ける対中圧力の強化に対抗するとともに、中国依存を低減する「デリスク(リスク回避)」に傾く欧州諸国の足並みを乱そうとする思惑がうかがえる。

中国外務省は習氏訪欧を「中国と欧州の関係全体の発展に重要な意義がある」と強調。北京の外交筋は「対米、対欧をにらんで入念に練られた訪問先だ」と指摘する。

鍵は経済分野のつながり

中国は、伝統的に独自外交を重視するフランスとの関係強化を図り、米主導の対中包囲網にくさびを打ち込むことを狙う。鍵は経済分野のつながりだ。昨年4月のマクロン仏大統領訪中では、欧州航空機大手エアバスの旅客機160機を中国に納入することで合意しており、今回も経済をテコにフランスを引き寄せる思惑とみられる。今年4月に訪中したドイツのショルツ首相とも経済協力を確認している。

欧州連合(EU)が対中依存低減で結束しないよう働きかけることも重要なテーマとなる。

EU側が中国の電気自動車(EV)の政府補助金を巡り調査を進めるなど、双方の経済摩擦が激しさを増しているだけになおさらだ。

ハンガリーは「一帯一路」通じ関係近く

ハンガリーとは、中国の巨大経済圏構想「一帯一路」を通じて関係が近い。今年下半期にEU議長国を務めるため、中国にとって戦略的価値が高い国だ。ハンガリーは工場誘致を期待しているもようで、中国EV最大手の比亜迪(BYD)がハンガリーでの工場建設を決めたほか、中国自動車大手、長城汽車の工場建設計画も報じられる。

セルビアへの訪問は、1999年5月7日に当時のユーゴスラビアの首都ベオグラード(現セルビア)の中国大使館を北大西洋条約機構(NATO)軍が誤爆してから25年の節目と重なる。現地の追悼行事に習氏が出席し、米主導のNATOへの批判を展開することが見込まれる。

ロシアのウクライナ侵略を巡っても、今月中旬のプーチン露大統領の訪中見通しが報じられる中、習氏が欧州とロシアの間でどうバランスをとるか注目される。

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