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社会人として恥ずかしすぎる「頭の悪いバカノート」10の特徴

プレジデントオンライン / 2020年4月24日 17時15分

精神科医・脳科学者 樺沢紫苑氏

「メモを取るのが大事とはよくいわれますが、メモを取りさえすればどんな方法でも構わないというわけではありません。メモには正しい取り方があるのです」。そう語るのは、メモの取り方を含め、理解力と発想力を鍛える方法を網羅的にまとめたベストセラー『アウトプット大全』の著者であり、精神科医で脳科学者の樺沢紫苑氏だ。樺沢氏に、ダメなメモの取り方を10パターン挙げてもらった──。

■メモを取るべき脳科学的3つの理由

まず、メモを取ることのメリットは脳科学的に3つあります。

1つ目は、脳の中の思考が可視化されること。たとえレジュメが配られている会議でも、自分で会議の要点をメモにまとめれば、情報を整理し、理解力を深めることができます。

2つ目は、情報を仕入れるためのアンテナが立つこと。たとえば、映画を見るとき。最初から映画の感想メモを取ることを前提にして作品を見れば、どの箇所をメモすべきか、この映画はおもしろいのか、それはなぜなのか、思考をフル回転し、アンテナを立てながら映画を見ることになります。メモを取ることで、ぼーっと映画を見るよりも間違いなく脳が活性化するのです。

3つ目は手を動かすことでより柔軟かつ斬新な発想ができること。米国のプリンストン大学とカリフォルニア大学ロサンゼルス校の共同研究で、ある分野の試験勉強を課したとき、タイピングでメモさせたグループよりも、手書きでメモを取ったグループのほうがよい成績を取ったという実験結果があります。メモは理解力と思考力を高めてくれるのです。

■手書きのほうがたくさん脳を使う

また、手書きでメモを取るほうがタイピングよりも脳の広範囲を使うことが知られています。交通事故にあって脳挫傷を起こした方は、同じ内容でも手書きのメモは取れなくても、タイピングのメモなら取れることがあります。手書きのほうがたくさん脳を使うため、脳も活性化されます。

とはいえ、メモを取りさえすればどんな方法でも構わないというわけではありません。脳科学的にダメなメモの取り方を順番に解説していきましょう。

1・会議の翌日に書き出す

記憶にインプットされた情報は、仕入れたその瞬間から消えていくもの。3日後には9割を忘れるといわれています。最も記憶に残るメモのタイミングは、情報を仕入れている最中。ただし、その場でメモを取れないなら、直後にメモを取るのが正解です。

2・やたらとノートを使い分ける

ノートを用途別に分けることで、それぞれのノートがどこにいったのか探すことになります。これは完全に時間の無駄。ノートは一冊に統一しましょう。一冊にまとめるメリットは、メモをすぐに見返せること。メモを取るたびに過去のメモを遡れるので、自然と復習ができます。脳科学の研究では、同じ情報は一週間に3回復習すると定着率が一気に上がることが知られています。復習の頻度を上げるためにも、ノートは一冊にまとめるべきです。

3・タイピングでメモする

実は、メモはノートにまとめるよりも、デジタルデータにしたほうが参照しにくいのです。過去にメモした情報を見返したいとき、単語を検索できればよいですが、その単語すら浮かばないときは無駄な時間を割いてしまいます。一方、手書きのメモならばページごとにひと目で全体を参照できます。また、前述したように手書きのほうがタイピングよりも脳が活性化されることが知られています。メモの細かい編集はデジタルデータが向いていますが、重要なことの書き出しや、アイデア出しは原則、手書きでメモしましょう。

4・レジュメや裏紙にメモする

講演会などでは、配られたレジュメにどうしてもメモを取ってしまいがちです。が、このメモは常に持ち運べないため、復習できません。絶対にNGです。それでもレジュメにメモをしたときは、スマホで写真を撮ってください。時系列で写真を並べれば、参照できます。私はレストランのメニューも写真で撮影して料理と一緒に見返せるようにするほどの“メモ魔”です。

■大切にしたいアハ体験

5・見開き2ページにまとめない

1つの分野のメモが複数のページにまたがっていると、参照しにくいメモになります。おすすめは見開き2ページで、時計回りにメモを取っていくこと。アイデアを練り上げる際にも、連想ゲームのように時計回りでメモを取ることで、一周したときには自動的にアイデアがまとまっている状態が完成します。また読み返すときも見開きでまとまっていると脳に情報が入ってきやすいのです。

6・落書きやビジュアルが一切ない

メモは議事録とは違います。自分がどんな感想を持ったか、自分ならどんな改善案を出すかなど、自分の感想を追記することで思考力を深めることができます。また、英プリマス大学の研究で、メモを取る際に落書きをすると記憶力が増すという実験結果が出ています。手書きのメモはキレイにまとめず、思い付きを書いたり、講師の似顔絵を描いたり、堂々と落書きしましょう。ノートに表や図版を描くことも脳を活性化させます。

7・メモが断片的すぎる

これは「レジュメにメモをする」がNGな理由と重なりますが、断片的に単語だけ記入するようなメモは、あとから読んでメモを取ったときがどんな状況だったのか、何が重要だったのかを一切思い出せません。単語ではなく、雑でよいので文でメモを取りましょう。

8・一言一句ノートに取る

メモを取る際に重要なのは、「強弱をつけること」。一言一句ノートに記入してしまうと、見返した際に情報の優先順位がわからなくなります。メモは議事録ではなく編集作業。頭の中で取捨選択をしてください。

9・気づきを書かない

メモを取ることの効用の1つに、アハ体験が得られることがあります。まったく関係のないAとBの情報がつながり、頭の中が晴れやかになる体験のことです。一種のひらめきと言ってもよいでしょう。このひらめきをメモに取らないのはもったいない。なぜなら、ひらめきは流れ星のように、30秒か1分で消えてしまうことが知られているからです。花火は上がった瞬間に写真を撮らなくてはいけないのと同様に、気づきはすぐにメモを取るようにしましょう。

10・TODOを書かない

セミナーでメモを取る人は多いですが、そのメモを自分の行動変化につなげている人はほとんどいません。それではなんの意味もない。私はメモを取る際には、今日から自分がすべきことを洗い出してTODOリストを作っています。メモはあくまで行動するためと心得ておきましょう。

最後に、私がメモを取る際のノート選びについてお話ししましょう。

ダメノートに共通の10の特徴

■A4のノートがおすすめ

よく文房具店で売られているB5のノートは、見開き2ページでメモを取るにはサイズが小さいので、A4のノートがおすすめです。私はミドリのMDノートを10年以上使い続けています。

ボールペンは高価なものは使っていません。0.7ミリがなめらかで書きやすいです。ちなみに、私は書く内容によって、スラリ(ゼブラ)とアクロボール(パイロット)を使い分けています。それぞれ特徴があって、スラリのほうがなめらかで軽く書けます。アクロボールは、比較的筆圧がある。なので、アイデアとかをわあっと出すときはスラリ、しっかりとノートに刻みたいときはアクロボールを使います。

何より、大事なのは触り心地。ノートやペンは常に触れるものなので、自分の「一番仲のよい友達」と思って、気に入ったものをルーティンで使い続けてください。

これが、脳科学者のスーパーノートだ!

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樺沢 紫苑(かばさわ・しおん)
精神科医・脳科学者
札幌市生まれ。札幌医科大学卒。米・イリノイ大学への留学を経て樺沢心理学研究所を設立。著書に『学びを結果に変えるアウトプット大全』など多数。

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(精神科医・脳科学者 樺沢 紫苑 構成=鈴木俊之)

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