リモートワークで使えるビジネスアプリ5選
プレジデントオンライン / 2020年4月20日 9時15分
■外資金融と邦銀のメモの違い
20代のころと今では、メモの取り方は大きく変わりました。私が大学を出て就職したのは2001年で、最初は都市銀行にいました。銀行再編で環境が変わったこともあり、4年後にJPモルガン証券に転職しました。
邦銀にいたころは、何もかもが初めての経験だったので、当時は見聞きしたことを何でも手帳にメモしていました。投資銀行に転職した当初も、それまでと異なる業務に早く慣れようと、お客様や上司が話したことを一言一句逃さずにメモをしていました。
そのころのメモの目的は2つ。まずは自分の勉強のため。特に投資銀行のころは、普段なかなか会うことができない経営トップの方などとミーティングする機会があり、学びが多かった。それを忘れないように文字に起こしていました。
もう1つは、お客様・上司からの宿題をフォローするため。頼まれたことを期限内にきちんとこなすのは、社会人として最低限のこと。ただ日々の忙しさの中で忘れてしまう恐れもあります。それを防ぐためにメモし、さらにフォローすべきことにハイライトで丸をつけて目立たせていました。丸をつけた部分が、いわゆるToDoリストになる。ほかの仕事も含めて3~4日に1度は見直して整理し、抜けや漏れが起きないようにしていました。
その後、私はJPモルガンで中国に駐在し、日本デスクのヘッドを務めました。このころになるとメモの性質も変わって、勉強や備忘のためのものより、数値目標達成に向けた頭の整理のためのものとなりました。例えば、1カ月、半年、1年、3年後のビジネスの展開をまとめたり、新しいアイデアの下書きなどをしていました。
縁あって伊藤忠商事に転職したのは14年。これまで培った経験やノウハウを日本の事業会社で生かそうと考えたのです。最初は金融ビジネス部に配属になり、アジアでの金融会社設立やフィンテック企業へのベンチャー投資等を手掛けました。その後19年にイスラエル発、ニューヨークのスタートアップである、相乗りシステムを提供するViaと森ビルとで日本でのJV(ジョイントベンチャー)を設立、同時に伊藤忠から出向してCOOを務めています。
■リモートワークで結果を出すには
メモも含めて仕事の進め方が一変したのはこのときです。一言でいうとICT技術をフル活用した効率的な働き方に変化しました。まず、紙を使うことがなくなりました。備えとしてのメモやToDoリストは、すべてITツールで行っています。
例えば営業案件に関わるメモや情報共有は、営業支援ツールの「Salesforce」で管理しています。案件が取れて執行段階に移ったら、タスク管理ツール「Trello」で管理。イスラエルにいる開発チームやニューヨークのヘッドオフィスとは「Zoom」や「Slack」でコミュニケーションを取ります。またViaのサービスを活用して、極めて効率的にどこでも仕事ができるようになりました。
全社で同じツールを使っているので、仕事を効率的に進められるようになりました。例えば以前は複数のメンバーで資料を作成するときも、いったんファイルを関係者に展開、コメントを待って、また書き直すという流れでした。しかし、今はツールを使って、海の向こうの仲間とリアルタイムに同じ資料を見て話しながら書き直しができる。スピード感が全く違います。
とはいえ、会社が用意したICTツールを使いこなすのは、あくまで手段であり目的ではありません。目的の達成のためには自分なりの工夫が必要です。私も会社のツールに加えて、例えば提案書への書き込みは「Notability」というアプリを活用しています。
いずれにしても自分の仕事の進め方は絶えずアップデートし続けたほうがいい。新人のころのメモの取り方を続けていたら、今の仕事の質と量をこなすことはできない。これからも手段は随時修正しながら、生産性の高い仕事の進め方を探っていきたいですね。
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1978年、ドイツ生まれ。上智大学経済学部卒業後、2001年三和銀行(現・三菱UFJ銀行)へ入行。05年にJPモルガン証券に移り、14年伊藤忠商事へ入社。19年より出資先のViaモビリティジャパンへCOOとして出向している。
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(情報・金融カンパニー/Viaモビリティジャパン COO 鈴木 彰浩 構成=村上 敬 撮影=市来朋久)
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