コロナ自粛で「もう家から出たい」人続出 そんなとき、アタシならラブホに行く
プレジデントオンライン / 2020年5月15日 15時15分
■自宅とラブホテルは同認識で感染リスクは低い
ラブホテルは本来、濃厚接触を行う場所ではあるけれど、今どきのラブホは1人でも利用できることから、ここ数年、ノマドワーカーや、出先で手軽にシャワーを浴びたり仮眠を取ったりして、気分転換を行いたいと考えるビジネスパーソンに密かな人気となっている。
コロナ禍でも、ラブホテルをテレワークの際に利用するビジネスマンや、自宅にいる家族への感染リスクを考え、自主的にラブホテルで過ごす人が見受けられた。また、公園やホームセンターなどの密集するところを避けるためにホテルデートで気分転換をし、ストレス発散を試みる同居人カップルなどもいる。
たしかにラブホテルは、フロントでも他者との接触がほとんどないうえ、健康状態を把握したパートナーだけと過ごすのであれば、一般的なホテル以上に感染リスクが低いと言える。
リピーターを多く抱える地域密着型のラブホテルは、コロナ禍のなかでも、地元経済を少しでも回そうと応援してくれる顧客(ファン)に支えられている、というのは前回の『コロナ禍でも大盛況。不思議なラブホテルの秘密』でもお伝えした通り。
■コロナ対策を徹底するラブホも
利用者の9割がリピーターだという、埼玉県東松山市のラブホテル『ホテルパークイン』支配人はこう話す。
「うちも売り上げは3割減で厳しい状況ですが、リピーターさんに支えられてなんとか持ち堪えています。コロナ対策として、客室やロビーなどの除菌清掃はもちろん、エレベーターのボタンもお客様が利用するごとに除菌しています。そういう従業員の清掃風景をご覧になると安心してくださるのか、また来てくださるようです」
同ホテルでは、客室清掃のたびに十分な換気を行い、コロナ感染症対策を踏まえ、ウイルス対応型アルコール除菌剤による清掃を徹底している。また、客室には除菌効果のあるハンドソープや、ウイルス、菌の働きを99.99%以上も抑制するVBおしぼり(「VB」は、東京工業大学と慶應義塾大学発の合同ベンチャーとFSXの共同研究によって生まれた抗ウイルス・抗菌を安全にかなえる特許技術)を置くなどして、ホテルの取り組みをホームページや外看板にて周知している。
「面白いと感じたのは、皆さん、19時や20時になると自宅にお帰りになることです。ホテルなので24時間営業なのですが、お客様は他の時短営業している飲食店と同じような感覚で利用してくださっているのでしょうね。夜は不要な外出を控え、自宅で過ごされているのだと思います」(同ホテル支配人)
■繁盛するラブホテルには共通点がある
仏教に由来することわざに『地獄極楽裏表』というのがある。
大きさも人数も同じ「地獄湯」と「極楽湯」。ともに超満員だが、地獄湯では、やれ足を踏んだ、湯がかかった、肘でつつかれたなどと争い、殴り合いの喧嘩が絶えないのに、もう一方の極楽湯は皆が和気あいあいとしており和やかである。
なぜなのか? それは、極楽湯ではみんなが他人の背中を洗ってあげて、まるく輪になっているから。狭いなかでもお互い肘がぶつからないように仲良く平和にやっている。それに対して地獄湯では、全員が自分の背中を洗おうとしているからぶつかるのである――という、「置かれた状況が同じでも、心の持ちようで地獄にも極楽にもなる」という例え話なのだが、これはつまり、自己中心的な世界と、思いやりに満ちた利他の世界の話である。
これまで、コロナ禍でダメージを受けているホテル、受けていないホテルをいくつか取材してきた。14年近く評論家として全国のオーナーさんたちと接してきて、繁盛しているホテルには共通していることがあると気付いた。それは、顧客満足度の高いラブホテルは、利他の精神を持っている、ということだ。利他の精神は、お客様に対してだけではない。
■地産地消で地元経済を回すラブホテル
本当に繁盛しているラブホテルというのは、地域に密着し、地元に愛され続けているホテルである。ルームサービスに地元で採れた野菜や肉、魚を利用したり、地ビールを提供したり、と地産地消を実施することで地元企業との連携も生まれ、地域経済を回す一端を担う。近隣の競合ラブホテルとも価格のバランスをとり「一人勝ち」ではなく「ともに勝とう」としつつも、独自のサービスを打ち出し、差別化を図る。自分だけが勝ち残ろうと出し抜くことばかりを考えていたら、一時的な売り上げは伸びるかもしれないが、「勝ち続ける」ことはできないのである。
今、テレビやネット上には「自宅で過ごす家時間を楽しもう!」というコンテンツが増え、日本人全体に利他の精神がこれまで以上に根付かれようとしている。家時間を充実させるというのは自己満足ではと捉えがちだが、自分が快適でいられることで、他人にも優しくできる。利他の精神を保つためにも、まずは自身のストレスケアを行うことが重要だ。「家時間を楽しもう!」というムーブメントの根底には、「自分だけが助かろう」とするのではなく「ともに助かろう」という精神を感じるのだ。
ストレスを発散しようと公園やホームセンターなどに行ってみたはいいが、密集スポットになっていて余計疲れてしまった、というかたも多いのではないだろうか。そういう方にこそラブホテルを利用してもらえれば、リフレッシュできるのではないかと思う。
■地方ラブホはコスパがいい
それでは、どのようなラブホテルを選べばいいか? 最近のラブホテルというのは、リゾート感満載のラグジュアリーなホテルもあり、スイートルームに匹敵するような客室も。非日常空間でロマンチックなひとときをリーズナブルに過ごせるのがラブホテルの醍醐味だ。
特に地方に行くと、土地代が安いため部屋も広く、1万円で2人泊まってウエルカムサービスと朝食まで食べてお釣りがくる、なんてラブホテルも。温泉が湧く地域だと、源泉露天風呂付きのラブホテルなんていうのもあったりして、高級温泉旅館に引けを取らない部屋をお得に利用できる。
愛知県の海岸前に立つラブホテルでは、館内にチャペルがあり、自由に海辺を散歩できて、夕焼けや朝焼けに染まる海が望める絶景の露天風呂がある。静岡インター近くのとあるラブホテルでは日本庭園付きの露天風呂が客室にあったりして、『一休.com』に載っていてもおかしくないような豪華なラブホテルが全国に多数存在しているのだ。
■旅館業法のホテルなら子ども連れもOK
一般的に皆が「ラブホテル」と認識しているホテルは、実はすべてのホテルで旅館業の許可を得て営業をしている。さらに「風営法」の許可を得ているホテルもある。旅館業のみのホテルであれば、法律上は18歳未満の利用も可能なので、子ども連れでもOKである。
とはいえ、利用したいホテルが風営法なのか旅館業法なのか、にわかには判断しづらい。そんなときにオススメなのがラブホテル検索サイトである。なかでも株式会社アルメックス(USEN‐NEXT GROUP)が運営する日本最大級のホテル検索・予約サイト「ハッピー・ホテル」には、ラブホテルを含めた全国のレジャーホテルが約6500軒以上も掲載されており、気になるホテルをクリックすると、風営法のホテルの場合、ホテルの詳細ページに飛ぶ前に18禁マークが表示されるので一目瞭然。お子さんを連れていくのはやめましょう。
地域ごとの検索やフリーワード検索もでき、写真も多数掲載されているので、例えば今お住いの地域から検索して、近隣のホテルにどんなサービスがあるのか試しに見てみるのもいいかもしれない。サイトでは店舗によってリアルタイム空室情報も表示され、そのまま予約も可能である。「利用人数」の欄を見れば「1人利用可」「3人以上利用可」などと表記されているのでわかりやすい。
■サービスや設備の充実ぶりに、目から鱗
ホテルによって細かなサービスは異なるので、お目当てのホテルが決まったら、最終的にはホテルに直接確認したほうが安心、確実だ。その際のホテルスタッフの電話対応も、快適なホテルステイのための判断材料になる。
もちろん、アミューズメント性の高い、メリーゴーラウンドのある部屋、プール付きの部屋、鏡張りの部屋など刺激的なホテルも健在ではあるが、「ラブホテルなんて……」と躊躇している方ほど、最新のラブホテル情報が詰まった検索サイトやまとめサイトを見てほしいなと願う。知らないのはもったいなさすぎる。サービスや設備の充実ぶりに、目から鱗なはずである。
ドアtoドアで、家からホテルまで車で移動すれば、「ラブホテルは自宅の延長だ」という考え方もできる。居酒屋は夜には閉まるが、ラブホテルなら夜通し飲める。ぜひ、ストレス発散の選択肢の一つとして加えてほしい。
(ラブホテル評論家 日向 琴子)
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