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40kg減ダイエットに成功した僕がいつもコンビニで買っていたメシ

プレジデントオンライン / 2020年7月3日 9時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Promo_Link

ダイエットで食事制限をするときは、なにに気を付ければいいのか。体重115キロから40キロの減量に成功した医療記者の朽木誠一郎さんは、昼食に「おにぎり、ゆで卵、サラダ」を選んでいたという。なぜその3つなのか――。(第2回/全4回)

※本稿は、朽木誠一郎『医療記者のダイエット 最新科学を武器に40キロやせた』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

■「そばと丼セット」だった昼食を一変

2017年5月のある日のランチタイム。僕は会社のデスクで、コンビニで買ってきたおにぎり1個、ゆで卵1個、蒸し鶏などのトッピングが入ったちょっとリッチなサラダと向き合っていました。

それまで、昼食と言えばそば屋の大盛りそばと丼もののセットや、牛丼チェーンの特盛を平らげて、何なら帰り道に菓子パンを買って戻っていたので、あまりの違いに頭がクラクラしそうです。

また無茶なダイエットを始めたと思ったでしょうか。しかし、これはパーソナルジムに入会し、その管理栄養士さんが立てた方針に拠るもの。どうしてこうなるのか、説明しておきます。

『肥満症診療ガイドライン2016』において、肥満症では標準体重1キロあたり25キロカロリー以下、高度肥満症で20~25キロカロリー以下を基準に、医師や管理栄養士が個々の患者にあわせた摂取エネルギー量を設定します。標準体重とは、身長に対してBMI22として計算した値でした。身長175センチの僕なら約67キロです。僕がBMI25以上の肥満の状態にあれば、望ましい1日の摂取エネルギーは25キロカロリー×67キロ=1675キロカロリー以下。高度肥満に当たる最高体重115キロ時は、最低で20キロカロリー×67キロ=1340キロカロリーの食事になります。

■1日に必要なエネルギー量を知っておこう

ちなみに、太っていない人であれば、1日の推定エネルギー必要量は基礎代謝量(基礎代謝基準値×参照体重)×身体活動レベルで計算されます。現在33歳(基礎代謝基準値22.3)、日常的な運動習慣があり、記者として動き回るために身体活動レベルがIII(2.0)の男性である僕の場合は、1530×2.0で3060キロカロリーの推定エネルギー必要量、ということになります。ちなみに「生活の大部分が座位で、静的な活動が中心の場合」、身体活動レベルは1.5で計算するので、33歳のあまり動き回らない人であれば、1530×1.5=2295キロカロリーが1日の推定エネルギー必要量ということになります。

推奨される1日の摂取量目安の計算例

当時、体重は100キロちょっとですから、僕はBMI34の肥満症に該当します。したがって、摂取していいエネルギーは1675キロカロリーまで。現在の3060キロカロリーと比較すると、大きな差です。この差の分、「予備タンク」である蓄積した脂肪が消費されると考えてください。

■1日あたり500~750キロカロリー減

当然、ただエネルギー量を減らせばいいというわけではありません。それだと、豆腐と果物だけを食べていた僕の大失敗“ダイエット”と変わりません。ここで、摂取エネルギーの内訳、すなわち栄養素の配分についても、同ガイドラインに記載されています。

ガイドラインの通りに糖質・たんぱく質・脂質のバランス条件を加味して、食事を変えていこうとすると……。冒頭の「おにぎり、ゆで卵、ちょっとリッチなサラダ」というメニューにならざるを得ないわけです。同ガイドラインでは、海外の報告を基に「計算された消費エネルギー量からマイナス500~750キロカロリー/日」などの減量ペースが紹介されているので、耐えきれなければ制限を緩くするのは前提。あまりいい予感はしませんが、とりあえず、ここからスタートです。

■60分を週2回歩くより「週5で30分」がいい

もう一点、ダイエット初日から取り組んだのが「有酸素運動」。2016年の深夜の東京湾岸10キロメートルジョギングのリベンジでした。こちらもパーソナルジムのトレーナーの指導の下、始めたものです。

ただし、大失敗“ダイエット”の反省を踏まえて、今回は「短時間でも毎日やる」ことにしました。

『肥満症診療ガイドライン2016』の運動療法の項目には、減量時の具体的な目安として、ある海外の報告が紹介されています。内容をより詳しく見ると、次のとおりです。

それは、週150分未満の運動では体重減少はわずか、週150~224分では(年)2~3キロの体重減少がみられ、週225~420分では5~7.5キロ、さらに運動量が多ければ多くなるほど体重減少効果は大きいというもの。そして、この運動時間は合計で達成できればよい(1日あたりの時間は短かったり長かったりしてもよい)のもポイントです。

つまり、週に2回がんばって60分のウォーキングをしたとしても、体重減少はわずかなので、だったら週に5回30分のウォーキングをする方がいい、ということです。

また、僕は運動習慣がなかった、というか失われていたのでウォーキングにしましたが、できるならジョギングでもよく、推奨されるのは中強度の運動。ここで言う“中強度”とは『話しながら続けられる~話し続けにくくなる』程度を指します。ウォーキングに慣れてきたら、ジョギングに移っていく計画です。

■何が得意で何が苦手なのかを把握する

それにしても、週2回長時間のウォーキングより、週5回短時間のウォーキングの方が減量の効果が高いとは……。言われてみれば納得ですが、60分の方が「やった感」が出るだけに、意外な落とし穴でした。

朝、少し早く起きて、家の近所を30分間、ウォーキング。年度が始まって1カ月が経ったところで、比較的、仕事が落ち着いたタイミングだったこともあり、運動については順調なスタートが切れたのでした。

食事に関しては意志の弱い僕は、逆に、運動に関しては意志の強いタイプでした。もともと陸上部で、ハードトレーニングに慣れていたのもありますが、115キロだった頃に、1カ月深夜に10キロメートルのジョギングができてしまうくらいには、「決めたらやり抜く」ことができるのです。これは人によってタイプが分かれ、運動がキライで食事に関しての方が意志の強い人もいるでしょうし、どちらも続かないという人もいるでしょう。

大事なのは、自分自身をしっかり再評価すること。ダイエットにおいて、何が得意で、何が苦手なのかを、早めに把握しておくことで、減量をスムーズにすることができます。

■25日間で10キロ減量できたが…

ダイエット開始から25日目。体重計に乗ってみると、なんと数字は95キロを指し示していました。25日間で10キロの減量です。

しかし、僕はこの結果を心から喜べませんでした。確実に言えることは、脂肪だけが10キロ分なくなったわけではないだろう、ということです。

管理栄養士の指導の下、摂取エネルギーは毎日1675キロカロリー以内をキープ。ウォーキングによる消費エネルギーは1回約150キロカロリー。体が自動的に消費するエネルギーである基礎代謝が、仮に30代男性の一般的な数値と同じ約1500キロカロリーとすると、ここまでで摂取と消費のエネルギーは±0。取材などで歩き回る分のエネルギーが消費され、脂肪が使われたとしても、10キロ分の脂肪という膨大なエネルギーを使い切れるほどではない。こうした計算ができるようになっていたからです。

おそらく、それまでとにかく3食よく食べていたので、食べる量が急激に減ったことで体内の未消化分が数キロ、それに伴って、体内に残る排泄物の量も数キロ減って、このような数字になったのでしょう。というか、一体、どれだけ食べていたのか……。実際に落ちた脂肪はもっと少なく、もしかしたら筋肉も落ちているかもしれません。気を引き締めないと。

■早速、挫折しそう

そんなタイミングで早速、僕はピンチを迎えていました。ピンチとは「ダイエット食」に挫折しそう、ということです。「おにぎり、ゆで卵、サラダ」ばかりの食生活に嫌気がさしてきたのでした。

1日1675キロカロリー以内の食事管理。有名牛丼チェーンのカルビ焼肉W定食ライス特盛を食べたら1食で終了です(そして実際、僕は太っていた頃、よくカルビ焼肉W定食ライス特盛を食べていました)。

さらに、栄養素の面での制限もあります。繰り返しになりますが、たんぱく質を1日60~70グラムくらい摂取しながら、脂肪は40~45グラムくらいに制限しなければなりません。1600キロカロリーを目標にすると、糖質は最大250グラムほどになります。わかりやすくするために、これを1食あたりに均して(糖質80グラム・たんぱく質20グラム・脂質15グラム)みましょう。

たとえば惣菜パンの定番、一般的なホットドッグでは糖質が約30グラム、たんぱく質が約10グラム、脂質が約20グラムで、1個で脂質がオーバー。ホットドッグ1個で1食が終了というのは味気ないし、そもそも他の栄養素が足りていません。食事制限中は常にこのような組み合わせに頭を悩まされることになります。

■「おにぎり、ゆで卵、サラダ」を選んだワケ

そもそもなぜ「おにぎり、ゆで卵、サラダ」なのかと言えば、この組み合わせが面倒な諸条件をクリアすることを発見したからでした。

一般的なおにぎり(さけ)では糖質が約40グラム、たんぱく質が約5グラム、脂質が約2グラムと1個で糖質の大部分を占めてしまいます。バランスに配慮して、そこに蒸し鶏やツナがトッピングされて多少たんぱく質が含まれるサラダ(と糖質と脂質を抑えたドレッシング)、一定以上のたんぱく質が含まれるゆで卵(脂質に注意)を足して調整します。こうして、食事制限時のダイエット食としてちょうどいいこの3つを発見したのです。

パズルのようでおもしろいものの、げんなりしてしまうのが、なかなかこうしたうまい組み合わせがないため、同じものばかり食べるはめになること。そして、そもそも量がぜんぜん足りないということです。

■ラーメンの誘惑が来たら成分表を見る

なにせ、ちょっと前までラーメンをおかずに白米を食べていた人間なので、いきなりの変化に精神面がついていきません。「腹八分目」がこんなにストレスフルだとは。食事制限開始から約4週間、「いよいよダイエットに本格的に向き合っている」という高揚感でなんとかごまかせていたのですが、日に日にしんどくなっていきます。

朽木誠一郎『医療記者のダイエット 最新科学を武器に40キロやせた』(KADOKAWA)
朽木誠一郎『医療記者のダイエット 最新科学を武器に40キロやせた』(KADOKAWA)

「もうラーメン食べちゃおうかな」と思って成分表を見ると、たとえばあるラーメンでは1人前の炭水化物が90グラム、たんぱく質が30グラム、脂質が25グラムの約700キロカロリー。「カロリーの王様じゃん……」と、思いとどまることができました。

今、振り返ると、僕はダイエットを急ぎすぎていた、と思います。食生活は徐々に変化させていけばいいのです。みなさんは「理想はこう」と認識しながら、できる範囲で取り入れてみてくださいね。

しかし、です。感覚としては、望ましいとされるゴールに到達するまでが、果てしなく遠い。4週間、わりとしんどい目に遭っても、(体重計の数字は変わっているものの)正直、体型はぜんぜん変わっていません。肥満のままです。

いつになったら、自分の理想に近づけるのだろうか――まだ、挫折こそしていませんが、ちょっとこのままだとまずいぞ、という感じがしてきました。(続く)

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朽木 誠一郎(くちき・せいいちろう)
ライター・編集者
地方の国立大学医学部を卒業後、新卒でメディア運営企業に入社。その後、編集プロダクション・有限会社ノオトで基礎からライティング・編集を学び直す。現在は報道機関に勤務しながら、フリーライターとしても雑誌『Mac Fan』連載「医療とApple」など執筆中。主著に『健康を食い物にするメディアたち』(ディスカヴァー携書)。近著に『医療記者のダイエット 最新科学を武器に40キロやせた』(KADOKAWA)がある。

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(ライター・編集者 朽木 誠一郎)

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