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小山昇「業績悪化でも給料100%保障、昇給も今までどおりでいい理由」

プレジデントオンライン / 2020年9月25日 9時15分

武蔵野代表取締役社長 小山 昇氏

■【相談①】

コロナで会社の業績が悪化しました。社員のモチベーションも下がっています。

私が社長に就任した1989年以来、我が社は増収を続けていました。2019年度も最高益を記録する見通しでしたが、コロナショックにより売り上げが大幅に減少。初めて前年度を下回りました。

残念でしたが、仕方がありません。コロナ対策の基本方針は、「お客様と従業員の健康、そして雇用を守ることが最優先」。そのために業績が下がって、赤字になってもよかったのです。

お客様と従業員がコロナに感染しないように、会社のほとんどの業務をオンラインに移行しました。また、緊急事態宣言期間の給料は全従業員に100%を保障。毎年4月に行っている基本給の昇給は+6%で実施しました。あとはコロナが収束してから、働いて返してもらえばいいんです。

コロナ禍は企業にダメージを与える一方で、いろんなことを変えるチャンスでもあります。会議、勉強会、セミナーなど、とりあえずやめられるものは一回やめて、数カ月経って必要ならまた始めればいい。それによって経営がスリムになるかもしれません。あらゆることを見直す好機だと前向きにとらえてみましょう。

■【相談②​】

なかなかテレワークを導入するふんぎりがつきません。​

悩む必要はありません。早くオンラインで仕事できるインフラを整備するだけ。そうしないと会社がなくなっちゃいますよ。

我が社も徹底的にテレワークへの移行を図りました。タイムカードはアプリを使って家で打刻。早朝勉強会は禁止し、ユーチューブに「めざましスタディ」チャンネルを作って、家で学習する体制にしました。ホテルに人を集めていた経営計画発表会も、私の「一人経営計画発表会」の配信にしましたし、新卒の採用活動や内定者のフォローもオンラインで進めています。

すぐに決断できたのは、9年前から全従業員にiPadを支給しており、インフラが整備されていたからです。時代に合わせてインフラを整えなければ、業績は上がりません。いいか悪いかではなくて、昔のやり方にこだわっている場合ではないのです。

■【相談③​】

オンラインで部下を指導しても反応が悪いのですが……。​

テレワークによって、今までの仕事のやり方が見直されて、効率的になりました。これは事実です。しかし、便利だからといって、すべてがうまくいくとはかぎりません。というのもテレワークでは、上司と部下のコミュニケーションが円滑にならないし、人材が育たないのです。ある一定に達したところで成長が止まってしまいます。

その理由は空気が伝わらないからです。親の愛情を直接受けた人は、人に対する感受性が育まれて、コミュニケーションスキルが高くなる傾向があります。同じように、先輩からきびしく指導されたとき、対面だったら「自分のことを思って助言してくれた」というニュアンスが伝わります。しかし、オンラインだったら何を言われても、「はいはい」で済ませてしまう。心の奥底に響かないのです。

オンライン体制は緊急の措置であって、限界もあります。我が社はコロナが収束したら、一部の社員には在宅を継続してもらいますが、基本的には元の環境に戻していく予定です。対面での指導が成長を促す。私はそう信じています。

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小山 昇(こやま・のぼる)
武蔵野代表取締役社長
1948年生まれ。64年日本サービスマーチャンダイザーに入社。87年武蔵野に社名を変更。89年から現職。2001年から同社の仕組みを紹介する「経営サポート事業」を展開。現在、750社以上の会員を指導し、400社以上を過去最高益に導いている。

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(武蔵野代表取締役社長 小山 昇 構成=鈴木 工 撮影=岡田晃奈)

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