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「理不尽な出向」の辞令に対し、本当のエリート社員がする受け答え

プレジデントオンライン / 2020年9月8日 11時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/nortonrsx

出世できる人と出世できない人は何が違うのか。1万人以上のビジネスパーソンへのインタビューから「40代を後悔しないための方法」を追求してきたコンサルタントの大塚寿氏は、「まさかの異動や降格の時にどういう態度を取るかが、その人の一生を決めることになる」と指摘する――。

※本稿は、大塚寿『できる40代は、「これ」しかやらない』(PHP研究所)の一部を再編集したものです。

■「まさかの異動」「まさかの降格」でどういう態度を取るか

組織においては「まさかの異動」「まさかの降格」といった不条理はつきものです。ただ、この瞬間にどういう態度を取るかが、ビジネスパーソン人生にとって非常に大きな意味を持つというのが、多くの人を見てきた私の確信です。

ここでは、「まさかの出来事」の際の対応で、対照的なビジネスパーソン人生を歩むことになった二人の方のエピソードをご紹介したいと思います。

■「営業部長を外す」に反論しなかったDさん

順調に出世街道を歩み、全国規模で事業を展開するある企業の主要支店で、土木部門の営業部長を務めていた40代半ばのDさん。しかし、ある日、本部長から突然、「営業部長を外す」という辞令を言い渡されました。

業績が低迷していたわけではなく、思い当たる節のまったくない突然の降格。ただ、Dさんは「なぜ、自分が……」という言葉を飲み込みました。このとき、亡くなった父親の「サラリーマンは何があっても絶対にふてくされるな。捨て鉢になったら終わりだ」という言葉を思い出したそうです。

そして、その後も粛々と業務を続けました。もちろん、内心は穏やかではなく、何度も「辞めてしまおうか」という衝動に駆られたそうです。

それから1年後。Dさんに再び、元の営業部長復帰の辞令が下りたのです。

実はこのとき、各事業所から営業部長のポストをなくし、本社の土木事業部が一括して管理するという体制を実験的に導入していたのです。そして実験が終わり、元の体制に戻った。つまり、本当は降格でもなんでもなかったのです。

それから8年後、Dさんは取締役に就任しました。Dさんのそのときの「胆力」を評価していた人がいたのです。

この時、他の営業部長は「なぜ、自分が?」と詰め寄ったり、ふてくされたりした人が多かったそうです。だからこそ、何も反論せず、粛々と仕事をこなしたDさんの胆力が際立ち、のちの抜擢につながったのです。

■エリート街道を走っていたEさんの「失敗」

それと対照的な事例があります。某企業でエリート街道を突っ走っていたEさんです。

Eさんの会社では、40代の管理職から将来の経営幹部候補を選び出す研修を実施しており、彼もその候補に選出されていました。数年にわたる長期プログラムで、コンサル会社や研修会社が何社も参加する一大プロジェクトです。Eさんはこの研修の間、常に最有力候補と言われていました。私もこのプロジェクトに参加していたのですが、確かにEさんは極めて優秀でした。

ついに最終選考を迎えようとしたとき、ある「事件」が起きました。

実はEさんの上司である役員が、最終選考前にEさんに「当確」の情報を流していたのです。しかし、現実には最後の最後でどんでん返しとなり、Eさんは最終選考から漏れてしまったのです。

当確からのまさかの落選に、Eさんは激昂。上司は平謝りで、ついには最終選考で選ばれれば昇給したであろう1万円札3枚をEさんのスーツにねじ込む始末です。その後もしばらく、Eさんのふてくされた態度と言動は誰の目から見ても明らかでした。

もちろん、上司にも問題があったでしょう。しかし、上司に激昂する姿や、その後のふてくされた態度を、誰もが見てしまいました。結局、その後、Eさんに出世のチャンスが再び与えられることはなかったのです。

■ピンチの時は「覆面調査」と思って乗り切る

仕事をしている以上、「まさか」の事態が降りかかることは多々あります。それが意に沿わないものであればあるほど、負のエネルギーは膨大になるでしょう。

大塚寿『できる40代は、「これ」しかやらない』(PHP研究所)
大塚寿『できる40代は、「これ」しかやらない』(PHP研究所)

しかし、そのネガティブなエネルギーを飲み込んだDさんと、爆発させてしまったEさんで、その後の結果は天と地ほども違ってきてしまったのです。

感情をコントロールできるかどうかは、40代にとって大きなポイントです。20代であれば感情を爆発させても「まだ若いから」「元気があっていい」と思ってもらえるかもしれませんが、40代はそうはいきません。逆境のとき、ピンチのときこそ、あなたがそれにどう向き合うかを必ず誰かが見ていることを忘れないでください。企業によっては、幹部候補にあえて試練を与えるようなところもあります。

お勧めしたいのは、ピンチに陥ったときは常に「あ、これは覆面調査だな」と思うことです。誰かが見ていると思えば、きっとブレーキが利くはずです。

不条理なときこそ「誰かに試されている」と考えましょう。決して感情的になってはなりません。

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大塚 寿(おおつか・ひさし)
営業コンサルタント
1962年群馬県生まれ。株式会社リクルートを経て、サンダーバード国際経営大学院でMBA取得。現在、オーダーメイド型企業研修を展開するエマメイコーポレーション代表取締役。オンライン研修「営業サプリ」を運営する株式会社サプリCKO。著書にシリーズ28万部のベストセラー『40代を後悔しない50のリスト』(ダイヤモンド社)など20数冊がある。

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(営業コンサルタント 大塚 寿)

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