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GAFAの部長が断言「いきなりパワポはNG、ワードを軽視する人は仕事ができない」

プレジデントオンライン / 2021年6月13日 11時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/kokouu

入社1年目、エクセルツールを使いこなすことで“飛び抜けた新人”と評価をされていた寺澤伸洋さんは、当時の上司Nさんに「エクセルなんかしてちゃだめだ。君が本当に伸ばすべきスキルがある」と指摘を受けました。「若いうちに伸ばすべきスキル」とは――。

※本稿は、寺澤 伸洋『40歳でGAFAの部長に転職した僕が20代で学んだ思考法』(KADOKAWA)の一部を抜粋したものです。

■「オフィスツール」を使いこなす人とは

マイクロソフトオフィスのエクセル、パワーポイント、ワード。内勤の方は、これらのツールをよく使われていることと思います。僕はエクセルが比較的得意で、経営企画室に入ったときにはかなり習熟していました。

当時はまだまわりはそれほどエクセルを利用しておらず、中には電卓で出した数字をエクセルに入力している人もいるような状態でした。

そうした中でなぜ僕がエクセルができるようになったのかというと、入社1年目に「この中でエクセルが飛び抜けてできれば、自分の価値を高めることができるんじゃないか」と考え、時間があればエクセルをいじって、見積書やその他のツールを効率的に作り変えるといったことをやっていたからなのです。

■便利な「エクセル屋」になってはいけない

こういう仕事をしていると、どこかから噂を聞きつけて「うちの部門のシートも効率化できないかな?」「うちも、このデータをボタン1つで処理できるようにしたいんだけど、できる?」と、いろいろな部門から依頼が来るようになります。

僕も必要とされているのがうれしくて、すべて引き受けて効率化を実現していました。まさに僕と依頼者、双方が幸せを感じるWin Winの状態だと思っていたのです。

ところが経営企画室にきた途端、Nさんから驚くべき言葉を言われました。

Nさん「寺澤くん、エクセルなんかしてちゃダメだよ。君の能力は、もっとほかのところに使わないと」

僕「えっ」

Nさん「まわりにエクセルの便利屋みたいに使われてるだけじゃ、君の本当のスキルは伸びないんだよ」

僕「そ、そうなんですか?」

Nさん「そうだよ。誰かに頼まれたエクセルを作ってるだけじゃ、会社を動かすような仕事はできるようにならないよ。エクセルも、寺澤くんにしかできないことだろうから、やってあげたらいいとは思う。でも、それが自分の仕事のすべてだと思ったらダメ。もっと伸ばすべきスキルがあることに目を向けないといけない、っていうのが僕の言いたいことだよ」

僕「マジですか……たとえばどんなスキルを伸ばせばいいんですか?」

Nさん「うーん、そう言われるといっぱいあるんだけど……。

じゃあ、たとえば仕事でよく使うエクセル、パワーポイント、ワードで話をしてみようか」

■ツールごとの視座の高さの違い

Nさん「エクセルって、確かに使いこなせば作業は効率よく進むし、部署に得意な人が1人いればありがたい存在であることは間違いないよね。

でもエクセルって、アウトプットがただの表やグラフでしかないでしょ? 結局、『人に伝える』という目的においては、一部分しか担っていないんだよ」

僕「それって、どういう意味ですか」

Nさん「たとえば、図表にかくと、こういうことだね。」

エクセルとパワポの関係
※寺澤 伸洋『40歳でGAFAの部長に転職した僕が20代で学んだ思考法』(KADOKAWA)より

Nさん「つまり、エクセル作業は、人に伝えるためのパワーポイントの一部分を作っているにすぎないってこと。この作業をしてる人が高い視座を持って、全体を見ながら仕事してると思うかい?」

僕「あー、確かに。一部分の数字を出すために仕事してる作業者って感じですね。じゃあ、パワーポイントを作る立場になれば、だいぶ視座が変わりますね!」

Nさん「うん、パワーポイントを作る立場になると、エクセル作業者よりは高い視座で物事を見てることになるね。

でも、以前、寺澤くんに『いきなりパワーポイントから作り出してはいけない』って言った話は覚えてるかい?」

僕「もちろん、覚えてますよ! 『まずはA3に手書きせよ』ですよね」

ノートにメモを取る女性の手元
写真=iStock.com/shironagasukujira
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/shironagasukujira

■ワードこそ最強のツール

Nさん「そうそう。まずは紙の上に手書きしていくのが一番。何を手で書くかというと、パワーポイントにするための『ストーリー』なんだよ。

次に、そのA3用紙に書いたストーリーを誰が見てもわかるように整理するなら、ワードでやるべきだね。

ワードのストーリーがあるからこそ、パワーポイントを作ることができる。

そのパワーポイントの一部のデータ作成のためにエクセルがある。こういうイメージだよ。

だから仕事において、ワードは最強のツールなんだよ」

僕「ワードなんて、ただ字を書くだけのソフトだと思って、超軽視してましたよ」

Nさん「いやいや、ストーリーをちゃんと字で伝わるように書こうとすると、すごく頭が整理されるから」

■重要なのはワードでストーリーを書くスキル

Nさん「僕は寺澤くんには、エクセルでデータを作る仕事で終わらずに、もっと高い視座を持ってワードでストーリーを書くようなスキルを伸ばしてほしいんだよ。

結局、パワーポイントは、ワードで書いたストーリーのポイントをかいつまんで、わかりやすく説明しているだけにすぎないからね。図表にすると、こんな感じだね」

「ワードが最強ツール」の理由
※寺澤 伸洋『40歳でGAFAの部長に転職した僕が20代で学んだ思考法』(KADOKAWA)より

僕「おおお、ようやくNさんの言ってる『エクセルの作業者になるな』っていう言葉の意味がわかりましたよ。確かに、今までの僕はエクセル作業者でした!」

Nさんの言葉の意味を理解してから、僕は改めて「できるだけ若いうちに『ストーリーを作り、それをもって人に動いてもらう思考に変わっていくこと』が、社会人として成長する近道だ」と認識し、エクセルをメインにした仕事から距離を置くことに決めました。

みなさんも、もし自分が「エクセル作業者」になっていると感じたら、少し仕事のやり方を変えてみてもいいかもしれません。

【Nさんからの学び】
・エクセルが得意だからといって、作業者になってしまわないこと
・高い視座を持ち、ワードでストーリーを書くスキルを伸ばすこと
・できるだけ若いうちに、「ストーリーを作り、それをもとに人に動いてもらうことが成長につながる」という思考に変えていくこと

■完璧さよりスピード重視する理由

Nさん「寺澤くん、あの件、どこまでできた?」

僕「まだ半分くらいですねー。とりあえず、フローの叩き台だけはできました」

Nさん「どれどれ、ちょっと見せて。……ああ、ここはこうしたほうがいいね」

寺澤 伸洋『40歳でGAFAの部長に転職した僕が20代で学んだ思考法』(KADOKAWA)
寺澤 伸洋『40歳でGAFAの部長に転職した僕が20代で学んだ思考法』(KADOKAWA)

僕「なるほど! あー、この段階で言ってもらってよかったー。このまま進んでたら、手戻りが発生してメンドクサイことになってました」

Nさん「うん、そうなんだよ。自分だけの視点で100%に近いものを作ってから上司に見せるんじゃなくて、50%くらいの段階で、進めてる方向が間違ってないかを確認するのって、仕事を進めていく上ではものすごく効率的なんだよ。

逆に、完璧主義ですごく時間をかけて仕事をしたのに、ダメ出しされて苦労している人もいるよね。

完璧主義よりも、50%くらいで相手に渡すほうがよっぽどいい。理由は3つあってね……」

■依頼主の意見を聞いて対応する時間ができる

Nさん「まず、完璧さよりもスピードを重要したほうが『依頼主の意見を聞いて対応する時間ができる』んだよ。

ほとんどの仕事は、誰かからの依頼に基づいて、誰かに渡さないといけないものでしょ? 自分だけが完璧さを追求して完成させた資料だったとしても、相手がどう受け取るかなんて、わからないじゃない。

それよりも50%くらいの出来で1回相手に見てもらって、大まかな方向性の確認をもらったほうが後々の手直しが少なくなるというケースが多いんだよね。これは、さっきの寺澤くんのケースだね。

逆に最悪のケースは、時間をかけて資料を作成して、締め切り間際に大作を相手にドンッと送りつけ、終わったつもりでいたら大幅に修正が入って徹夜というパターン。こういう仕事の仕方をしないようにね」

僕「それ、怖すぎますね。気をつけます!」

■完璧さを求めると時間がかかりすぎる

Nさん「あと、完璧さを求めると時間がかかりすぎるという難点があるね。

たとえば50%の完成度で資料を提出して、その段階で方向性を確認できたら、そこから90%の完成度にするのはそんなに時間がかからないんだよ。だけど、そこから95%、98%、99%……と完成度を上げていくためには、50%から90%に上げたのと同じか、それ以上の時間がかかるんだよね。

特に完璧さを求めるとよくないのがパワーポイント。内容だけじゃなくて文字の位置とか色、大きさまで完成度の対象になってしまうし、それには正解がないじゃない。

そんなことに時間を使うくらいなら、ある程度自分がいいと思う観点でパパッと作成しておいて、最後の10%は依頼者に微調整をしてもらうくらいの適当さがあるほうが仕事は進むんだよ」

僕「ううう、パワーポイントで内容はもうできてるのに、文字調整でハマった経験があるのを思い出しました……」

■仕事は自分の手もとにないほうが進む

Nさん「あと仕事って、火のついた爆弾みたいなもんなんだよ。その爆弾を受け取ったら、自分のやるべきことをサッとやって、次の人に回さないとね。いつまでも自分がずっと抱えていると、いつかドッカーンと爆発しちゃうんだよ。

爆発するまで抱えてるなんてありえないって、思うでしょ? でも結構、みんな、抱え込んじゃうんだよね。

自分が火のついた爆弾を抱えているときに、さらにあと、2、3個ほど同じように火のついた爆弾が手もとに転がってきて、どの仕事にも完璧さを求めてしまうと、時間切れで大爆発だよ。そうなったら、その仕事を依頼したまわりにも被害を及ぼすことになっちゃうよね。

だからさ、完璧さを求めるあまりに大爆発を起こすくらいなら、適当なところで爆弾を手放して次の人にバトンタッチしたほうが、自分もまわりもハッピーなんだよ。

要は仕事って、自分の手もとにないほうが進んでいくっていうことだね。ははは」

■涼しい顔で大量の仕事をこなす人の秘密

僕「なるほど! よく大量の仕事を任されてるのに、涼しい顔してこなしてる人がいますけど、あれは手を抜いてるんじゃなくて、次の人にバトンタッチするスピードが早いってわけですね!」

こうしたやり取りがあってから、僕は「仕事は完璧さよりもスピード重視だ」ということを意識するようになりました。そのおかげで、今まで仕事で大きなトラブルもなく過ごせてきているのだろうと思います。

この方法、めちゃくちゃ仕事の効率が上がるから、ぜひやってみてください!

【Nさんからの学び】
・完璧主義を捨てて、スピード重視のスタンスをとること50%くらいできたところで、依頼主の確認をとること
・自分のところに仕事をとどめておかないこと

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寺澤 伸洋(てらさわ・のぶひろ)
外資系企業社員
1976年、大阪府生まれ。灘高校、東京大学経済学部を卒業後、日系メーカーで17年間勤務。経理、営業、業務改革、Web企画、マーケティング、経営企画と多様な部門を経験し、半年間のイギリス留学後、GAFAの部長として現職に転職。個人で出版した初の電子書籍が半年で異例の2万ダウンロードを記録。その後も精力的に執筆活動を展開。幅広いメディアで活躍中。

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(外資系企業社員 寺澤 伸洋)

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