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塚田農場の運営会社は286万円の年収減…平均年収が低い「全国ワースト500社」ランキング2022

プレジデントオンライン / 2023年2月8日 17時15分

プレジデントオンラインは、全上場企業の「平均年収ランキング(2022年版)」を作成した。調査対象会社3847社のうち、ワースト10社の平均年収は約291万7000円で、平均年収が最も低いネット通販会社・夢みつけ隊(本社:東京都千代田区)は267万円だった。「全国ワースト500社」の詳細をお伝えする――。(第2回)

■ワースト10社の年収平均は291.7万円

プレジデントオンラインは、全上場企業の「平均年収ランキング(2022年版)」を作成した。基にしたデータは直近の年次決算期における有価証券報告書(2021年9月期~2022年8月期、一部企業については、2021年9月期の数値を使用)。データ抽出では、経済・金融データサービスの株式会社アイ・エヌ情報センターの協力を得た。

このうち平均年収が低い「ワースト500社」を集計したところ、いずれの企業も全上場企業の平均年収605.5万円(東京商工リサーチ・2022年8月公開「上場企業3213社 2021年度決算『平均年間給与』調査)を下回った。また、ワースト10社の平均年収は約291.7万円で、前回より27.2万円増えた。

■ネット通販事業を行う会社がワースト1位

調査対象3847社のうち、従業員平均年間給与が最も低かったのは、アパレルから美容品、生活雑貨までを取りそろえる「夢隊WEB」をメインに、不動産や介護事業を手がけている、夢みつけ隊だ。

平均年収額が低い企業は、一般的には地方拠点が多いが、同社の本拠は東京・千代田区である。

従業員数は前期と同数の4人。平均年齢(46.3歳→47.3歳)や平均勤続年数(17.6年→18.6年)の推移から、同一メンバーと推定されるが、前期に比べて45万円のマイナスだった。

同社の担当者は「グループ企業(フリージアグループ)からの支給が別にあり、実質的な年収は有価証券報告書の金額を上回る」と回答した。

■コロナのダメージから回復を見せる企業も

2位は宮城県を拠点とするトスネットだった。建設現場やイベントの交通誘導や警備を行う。

広報担当は「現場部門の人件費負担や管理部門の賞与などの変化が主な要因。職種的に日給の割合が多いこともあり有価証券報告書の開示では低い金額になるが、平均給与をアップするよう努める」と話している。

以下、中国・九州エリアを中心にスーパーマーケットの「マルミヤストア」や「マルキョウ」を運営するリテールパートナーズ(3位)、中華料理店の東天紅(4位)、インバウンド手配旅行業のHANATOUR JAPAN(5位)不動産・ファンド運営のファンドクリエーショングループ(6位)と平均年収200万円台が続く。

リテールパートナーズとファンドクリエーショングループの場合は、企業グループを束ねる持株会社から支給されている給与である。子会社の事業会社からの給与も加算されているはずで、実際の平均年収額は開示額面以上と推定される。

少人数の平均額を算出するためアップダウン幅が大きい持株会社を除くと、クルーズ船予約のベストワンドットコム(25位)は54.7万円、ラーメン店「山小屋」のワイエスフード(28位)は66.1万円のアップだった。

サービス業や外食、小売業などは、新型コロナ禍にともなう経営悪化で、ここ数年、従業員年収のダウンを余儀なくされていたが、回復基調を示す企業も出てきた。

■塚田農場の運営会社は平均年収が286.7万円のダウン

ただし、ダウン組も目につく。

海外旅行取り扱いが大幅に減少したままの大手旅行代理店、エイチ・アイ・エス(76位)は49.3万円の減額。また、オーダーメイドスーツの銀座山形屋(87位)も54.2万円のマイナスだった。

感染症の影響で人々の生活意識・行動が大きく変化した結果だろう。来期以降の回復に注目したい。

なお、今回のランキングで最も平均年収の下げ幅が大きかったのが、居酒屋の「塚田農場」などを運営するエー・ピーHD(14位)。前期の数値から286.7万円のマイナスになっている。

塚田農場は飲食業界では年収が手厚い会社として知られており、前年の年収は596.3万円だった。今回、大幅な減少となってしまったのは、その反動もあるだろう。

エー・ピーHDには、年収減の理由についてメールと電話で問い合わせたが、「内容については非開示とさせていただく」とメールで回答した。

【図表】平均年収が低い上場企業“ワースト500社”ランキング(1位~50位)
【図表】平均年収が低い上場企業“ワースト500社”ランキング(51位~99位)
【図表】平均年収が低い上場企業“ワースト500社”ランキング(101位~150位)
【図表】平均年収が低い上場企業“ワースト500社”ランキング(151位~200位)
【図表】平均年収が低い上場企業“ワースト500社”ランキング(201位~249位)
【図表】平均年収が低い上場企業“ワースト500社”ランキング(251位~300位)
【図表】平均年収が低い上場企業“ワースト500社”ランキング(302位~350位)
【図表】平均年収が低い上場企業“ワースト500社”ランキング(352位~400位)
【図表】平均年収が低い上場企業“ワースト500社”ランキング(401位~450位)
【図表】平均年収が低い上場企業“ワースト500社”ランキング(451位~500位)

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鎌田 正文(かまた・まさふみ)
ビジネスリサーチ・ジャパン代表
1995年、ビジネスリサーチ・ジャパン設立。金融・流通・メーカーなどの各分野から経済全般まで、幅広く取材、執筆。『2012年版 図解 これから伸びる企業が面白いほどわかる本』など、業界研究の著作多数。

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(ビジネスリサーチ・ジャパン代表 鎌田 正文 図版作成=大橋昭一)

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