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普通なら学費だけで2400万円かかるのに…貯金ゼロの貧乏世帯でも海外トップ大学を卒業できる「裏ルート」

プレジデントオンライン / 2023年5月31日 18時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/shih-wei

お金持ちではない家庭は、海外留学をあきらめるしかないのか。海外進学のエキスパートである山内勇樹さんは「転入、奨学金、学内バイトという3つの制度を活用すれば、貯金ゼロの家庭でも、海外留学することはできる」という――。

※本稿は、山内勇樹『やりたいことが見つからなければ留学しなさい。』(かんき出版)の一部を再編集したものです。

■1500万円あれば海外大を卒業できる

海外留学は「お金持ちしかできない」と思われている方も多いのですが、そんなことはありません。決して安くはありませんが、手立てはあります。多くのご家庭、お子さんが、なんとか工夫をしながら留学費用を工面しています。

最初に、現実的な話から入りましょう。ここでは生活費は含まず、学費だけを扱います。

筆者註※この項目で掲載する金額は、為替レートにより変化します。あくまで目安の金額としてお読みください。あらかじめご了承いただければ幸いです。

日本人留学生の一般的な進学ルートとなるのは、1、2年次の2年間の学習をコミュニティーカレッジ(コミカレ)、もしくは他の4年制大学で行い、3年になって目的の大学へ編入するという「トランスファー入学」という方法です。

コミカレは4年制大学より、1年間の授業料が数百万円安く、直接4年制大学に入るよりもハードルが低い方法です。

この、「コミカレ(コミュニティカレッジ)2年間、4年制大学2年間」の学費は、おおよそ1500万円です。内訳は、コミカレの学費が年間140万円、4年制大学の学費が年間600万円となります。ちなみに、4年制大学へ1年次から入学すると、合計は2400万円に跳ね上がることになります。

■キャンパス内アルバイトで500万円は工面できる

学費を稼ぐために、ほとんどの学生はアルバイトをします。国によりますが、キャンパス内でのアルバイトは合法的に許されています。

月10万円をアルバイトで稼ぐと、年間約120万円になりますから、4年間で約500万円になります。だいたい、月10万円稼ぐのに、月15日働いたとして1日3時間です。たぶん日本の大学生のアルバイト時間より短いです。

勉強時間も授業以外に1日3~4時間確保しなければなりませんから、これくらいが限度です。まず、500万円くらいは自分で現地で稼ぐということです。プラスに、生産的に考えましょう。アルバイトで英語も上達し、友達もでき、社会経験もできますから、とてもおすすめです。

そして多くの学生が、返済不要の奨学金にチャレンジします。

成績を高く保つことができれば、さまざまな奨学金のチャンスがあります。これは個人差があるので、最初から費用のあてにすることはできませんが、200万円ほどを奨学金で埋め合わせた学生もいます。

さらに日本の金融機関では、さまざまな教育ローン、留学ローンがありますし、最近では留学生に貸し出す海外のローンもあります。数百万円をこれらのローンで準備するご家庭もあります。そして残りは家族や親戚のお金です。

■学費は単位数で決まっている

ちなみにアメリカの大学の学費のシステムはとても合理的です。コミカレであれば、「1単位いくら」です。

たとえば「1単位3万円」の学校であれば、5単位のクラスなら15万円かかります。これは履修の際に支払います。ですから、ムダなく履修をすることが節約につながるのです。

4年制大学では、「1単位いくら」と決まっている学校と、「18単位までは同じ値段」のように制限内で同一料金の学校に分かれます。いずれにせよ単位を増やすとお金がかかることに違いはありません。

「授業中寝ている」という日本の大学生の話をよく聞きますが、さすがに「この単位に万単位のお金をかけている」「自分のバイト代でこの単位を買っている」となると、授業中に寝たり、簡単に単位を落としたりはできなくなるはずです。

こういった「この授業にこれだけのお金を払っている」という意識は、確実に学生の学習意欲にもつながります。

■一気に全額用意する必要はない

日本の金融公庫や金融機関でローンを組む学生も多くいます。

たとえば、日本政策金融公庫の海外留学用に使える「国の教育ローン」を使用する人もいます。ここでは上限が450万円(金利1.95%)となっています。労働金庫では、上限1000万円で返済期間最長20年(金利は変動)という融資のシステムもあります。借りられる金額は、申請額や世帯収入によりますが、一般的なローンと比較すると低金利に設定されています。

手続きには、入学を許可する留学先からの書類が必要です。ただ、申請自体は入学前にできるので、ローンを組むことが決まっている場合は、準備をしておいてもいいでしょう。留学先での入学金や授業料の支払いは、クラス登録をする8月ですから、十分間に合います。

アメリカの大学での支払いは、先にお話ししたように単位ごとで、それを履修時に支払います。このように、支払いも学期ごとに分かれているため、最初から多額の資金が必要なわけではありません。

このように、学内バイトや低金利の奨学金などの方法を最大限に活用することができれば、学費1500万円をすべて賄うことも可能です。前述の通り、奨学金には条件がありますから、全員に該当するわけではありません。しかし、「お金がないこと」を理由に海外大学への進学を諦める必要はないのです。

自然な緑の背景にガラス瓶にコインのお金の卒業帽子, 教育の概念のためのお金を節約
写真=iStock.com/MonthiraYodtiwong
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/MonthiraYodtiwong

■自治体で制限のない奨学金を出しているケースがある

日本には、返済不要の奨学金は多くありません。大学院や4年制大学ではなく、コミカレとなると、さらに狭き門となってしまいます。

ただ、自治体で留学先に制限のない奨学金を出している場合があります。一度調べてみても、損はありません。これらの奨学金は、「○○町に居住して、2年以上がたつ者」「将来、○○県で働く意思のある者」など、応募資格もさまざまです。

民間の奨学金では、留学先の国が決められていたり、障害のある学生に限るなど、支援団体の目的にそった奨学金も多く見られます。

また、外国政府からの奨学金もあります。

日本が海外の留学生に奨学金を出して国内に呼んでいるように、海外でも日本の若者に奨学金を用意しています。基本的な応募のプロセスはどの国でも同じです。留学先の選択肢を広げると、お金をもらいつつ学べるチャンスがあることに気がつきます。

ちなみに、それぞれの自治体、民間機関、海外政府が用意している奨学金は、以下のサイトで調べることが可能です。

「海外留学支援サイト」日本学生支援機構(JASSO)

トップページから、目的のページに進むことができますので、ぜひ、活用してください。

■「選択肢が広がった」

留学を終えた子がよく言うセリフがあります。それは、「選択肢が広がった」です。

山内勇樹『やりたいことが見つからなければ留学しなさい。』(かんき出版)
山内勇樹『やりたいことが見つからなければ留学しなさい。』(かんき出版)

手を伸ばせば届く高さが、留学前よりずっと高くなるからです。日本の大学に行くことでなんとなく見えていただろう未来と、留学を終えた自分が見ている未来が、まったく違っている。就職する企業の名前が違うということもありますし、大学院への進学や起業という方向性が見えてくる子もいます。

英語で交渉や問題解決ができるようになっていますし、学力も上がっている、海外有名大学卒業の肩書きもある。海外での「外国人」としての暮らしや、さまざまな国の留学生との生活の中で、柔軟性や多様性が身についている。グローバルに物事も考えられるようになっている。日本の大学にいては身につけることができないこれらの能力が、人生の選択肢の幅を広げてくれるのです。就職の選択肢が広がるのも自然なことです。

そしてこれは、就職という一時期に限ったことではありません。一生続くのです。大学4年生の卒業時までに手にしたそれらの能力は、その後40年以上続くであろうキャリアを形作ります。

本稿が、「お金の問題で留学をあきらめていた」という人の参考になれば幸いです。

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山内 勇樹(やまうち・ゆうき)
1980年長崎生まれ、広島育ち。MIT、スタンフォード、ハーバード、UCバークレーなど「世界の名門大学」に合格を出し続けている海外進学のエキスパート。自身はUCLAを脳神経科学(Neuroscience)専攻で卒業。英語講師として、TOEFL、IELTS、英検、SAT、ACT、TOEIC等の指導も行っている。英語力はTOEFL120点満点、英検1 級、TOEIC990点満点、TOEIC SW 400点満点など。ケンブリッジ英語指導資格TKT保有。通訳・翻訳資格保有。おもな著書に、『やりたいことが見つからなければ留学しなさい。』『Storyで覚える! TOEIC R テスト エッセンシャル英単語』ともに(かんき出版)などがある。

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(山内 勇樹)

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