4人に1人は電話番号を教えてしまう…科学的に最も成功確率が高い「ナンパスポット」はどこなのか
プレジデントオンライン / 2023年8月13日 9時15分
※本稿は、内藤誼人『すごく使える心理学テクニック』(日本実業出版社)の一部を再編集したものです。
■お願いをするときは目を合わせてから
お願いを聞いてもらうには、ちょっとしたコツがあります。
それは、きちんとお互いの目を合わせてから、お願いをすること。目が合っていないのにお願いをしても、言うことを聞かせることはできません。
たとえば、同僚のだれかに自分の仕事のお手伝いをしてもらいたいとしましょうか。
このときには、まず「○○さん!」と相手の名前を呼びかけ、相手がきちんとこちらに顔を向け、目が合ったことを確認してから、「実は、お願いがあるんですよ」と切り出すようにするのです。目が合っていないときには、お願いをしてはいけません。たったこれだけのことを注意するだけで、相手が素直に受け入れてくれる割合は2倍も高まってしまいます。
米国テンプル大学のキャロリン・ハムレットは、先生の言うことを聞かないジェシカとネイサンという2名の問題児(どちらも11歳)に、おもしろい実験をしています。
調べてみると、先生が「鉛筆を置いて」「座って」など10のお願いをしたとき、ジェシカは20%、ネイサンは30%しか言うことを聞いてくれませんでした。
そこでハムレットは、先生に目を合わせるテクニックを伝授したのです。「ネイサン!」と名前を呼び、2秒以内に目を合わせてくれなかったら、もう一度「ネイサン!」と名前を呼びかけ、きちんと目を合わせてから指示を出すようにしたのです。
■言うことを聞いてくれる割合が2倍アップ
このやり方を試してみると、ジェシカは60%、ネイサンは70%も言うことを聞いてくれるようになりました。
目を合わせるだけで、言うことを聞いてくれる割合は2倍もアップしたのです。すごいですよね。
人にお願いをするのがうまい人は、このテクニックを無意識に実践しています。
たとえば、お願い上手な女性は、「○○さん、お願い!」と言いながら、上目づかいでじっと相手の目を見つめるのです。こういうお願いをされると、たいていの人は、素直に応じてしまうものです。その女性が、大変な美人で、魅力的だからではありません。目を見つめてお願いするから、相手も応じてくれるのです。
このテクニックは、女性だけでなく、もちろん、男性も利用できます。
ただ、女性は相手と目を合わせることにそれほどの抵抗を感じませんが、男性は相手の目を見つめるのが苦手な人が多いので、きちんと目を合わせないまま、お願いすることが圧倒的に多いのです。自然にできるようになるまでは、「目を合わせてからじゃないとダメだぞ」と自分に言い聞かせないと、男性はこのテクニックを実践できないことも覚えておいてください。
■幸せになりたければ、誰でもいいので話しかけてみる
都会ではあまり見られませんが、田舎のほうに行くと、たまたま電車で隣り合ったおばあちゃんなどが気さくに話しかけてきたりします。道を歩いていても、「こんにちは」と親しげに挨拶をしてくれる人もいます。バス停で待っているときに、みかんを分けてくれる人などもいます。
都会の人は、面識のない人には基本的に話しかけたりはしないものですが、もしハッピーな人生を送りたいのなら、だれにでも気さくに話しかけるようにするといいですよ。
知らない人と、ほんのちょっと話をすることは、私たちを幸せにしてくれます。こんなに簡単にハッピーになれていいのだろうか、と思ってしまうほどの効果があるのです。
シカゴ大学のニコラス・エプリーは、イリノイ州にあるホームウッド駅を利用している通勤客97名(平均49歳)にお願いして、ある実験に参加してもらいました。
どんな実験かというと、半分の人には通勤途中に「知らない人に話しかけて、頑張っておしゃべりしてください」とお願いしたのです。残りの半分にはいつものように通勤してもらいました。
すると、勇気を出して話しかけた条件では、平均14.2分話すことができ、とても楽しく会話ができ、とても幸せで気持ちがよかった、と答えたのです。
■慣れてくれば誰にでも話しかけることができる
人と話すと、たとえそれが知らない人であっても、私たちはハッピーになれるのです。
知らない人にも、遠慮などせず、どんどん話しかけてみてください。ほんの一言、二言でもかまいません。話しかければ、すぐに幸せな気持ちになれるのですから、どんどん話しかけるべきです。
スーパーやコンビニで買い物をしているとき、自分の好きなものを手にとっているお客がいたら、「私も、そのお菓子、大好きなんですよ」と声をかけましょう。むこうも笑って「私も好きなんです」などと返事をしてくれるでしょう。わずか一言の会話で立ち去るわけですが、お互いに悪い気はしないはずです。
公園を散歩しているとき、犬を連れて歩いている人がいたら、「かわいいワンちゃんですね」と、やはり一言だけ声をかけましょう。自分のペットをホメてもらって、うれしくない飼い主はいないので、たぶんにこやかに微笑んでくれます。
ハッピーになるコツは、こういうちょっとした会話をすることなのです。
だれでもかまいませんので、とにかく話しかけてみてください。最初はちょっぴり緊張するかもしれませんが、慣れてくればだれにでも話しかけることができるようになります。
■寄付やボランティアを募るのに最適な場所
私たちは、自分でも気づかないうちに自分の置かれた状況の影響を受けます。
同じ人が同じことに直面したとしても、ある状況では冷たい態度をとることもありますし、また別の状況のときにはとても温かい態度をとることがあるのです。
フランスにある、パリ・デカルト大学のルボマー・ラミーは、街の特徴によって、人の援助のしやすさが変わってくるのではないかと考えました。
たとえば、教会や病院、花屋さんのすぐ目の前だと、人は他人にやさしくなるのではないか、とラミーは仮説を立てたのです。
なぜかというと、そういう場所は「愛」を連想させる場所ですからね。気づかぬうちに親切な心を持つのではないかということをラミーは検証してみたのです。
どんな実験かというと、足を怪我しているように装った女性アシスタントが、病院や教会の前で、自分の持ち物を落とすのです。その場に居合わせた歩行者が、それを拾ってくれるかどうかを、こっそりと記録をとってみました。
すると、ラミーの仮説通りでした。
病院の前で持ち物を落としたときには91.6%の歩行者が、教会の前では、75.0%の歩行者が、花屋の前では87.5%の歩行者が拾うのを手伝ってくれたのです。
スタジアムの前や銀行の前、大通りなどでは、平均して68.7%しか手伝ってくれませんでした。
したがって、街の特徴によって、人の親切の度合いはずいぶんと変わることが明らかにされたといえるでしょう。
■ナンパするときも花屋さんの前がいい
寄付やボランティアを募りたいのなら、病院や花屋さんの前がいいですね。
そういう場所では、人は無自覚のうちに親切な態度をとるようになってくれますから。
この結果は、私たちの日常でも当てはまりそうです。
たとえば、献血。
献血の呼びかけは駅前でよく見かけますよね。たしかに駅前のほうが人はたくさんいるものの、そういう場所ではあまり親切な気持ちになりませんので、献血をお願いするのなら、花屋さんが近くにあるような場所のほうが好ましいかもしれません。
街を歩いている人にアンケートやマーケティング調査をお願いする場合も同じです。
そんなときにも、駅前や大通りのような場所よりは、病院や花屋さんの前のほうがいいですね。そのほうが、調査に応じてくれる人が増えるような気がします。
そうそう、女性をナンパするときにも、やはり花屋さんの前がいいみたいですよ。
南ブルターニュ大学のニコラス・ゲガーンが、5名の男性アシスタントをいろいろな場所に出向かせ、18歳から25歳くらいに見える女性に声をかけて、「素敵な方ですね。電話番号を教えてもらえませんか?」とお願いしてみたところ、図表1のような結果になったそうです。
いろいろなお願いをするのに、花屋さんの前というのはまことに好都合であるといえますね。
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心理学者
立正大学客員教授、有限会社アンギルド代表。慶應義塾大学社会学研究科博士課程修了。社会心理学の知見をベースに、心理学の応用に力を注ぎ、ビジネスを中心とした実践的なアドバイスに定評がある。『心理学BEST100』(総合法令出版)『人も自分も操れる! 暗示大全』(すばる舎)『気にしない習慣』(明日香出版社)『人に好かれる最強の心理学』(青春出版社)など著書多数。
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(心理学者 内藤 誼人)
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