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葬式で「ご愁傷様です」と言われたら、なんと返せばいいのか…「ありがとうございます」を避けるべき理由【2023上半期BEST5】

プレジデントオンライン / 2023年8月19日 17時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Yuuji

2023年上半期(1月~6月)、プレジデントオンラインで反響の大きかった記事ベスト5をお届けします。教養・雑学部門の第2位は――。(初公開日:2023年1月26日)
葬式で「ご愁傷様です」と声をかけられたら、なんと返せばいいのだろうか。マナー講師の諏内えみさんは「『ありがとうございます』『すみません』という言葉は避けたほうがいい。『恐れ入ります』『痛み入ります』としたほうが場に適した表現といえる」という――。

※本稿は、諏内えみ『一生ものの「正しい敬語と上級の気遣い」 先生! ダメダメな私を2時間で仕事デキる風にしてください!』(KADOKAWA)を再編集したものです

■お通夜やお葬式で絶対に口にしてはいけない言葉

冠婚葬祭の中でも、失敗できないのがお通夜とお葬式。悲しみに満ちた場では、ちょっとした失礼や失言でも人を深く傷つけることになります。「もし自分が言われたら……」という想像力を持っておくようにしましょう。

お通夜やお葬式の時、ご遺族にどんな言葉をかけていいものかは誰もが悩むところ。だからといって、ご遺族に声をかけずにその場を辞することは、何よりも失礼にあたります。深い悲しみから一日も早く立ち直ってほしいという思いは理解できますが、「がんばってください」は配慮が足りず不適切です。これ以上がんばれないくらい辛い思いをしている人にとって、「がんばって」は禁句です。

「お力を落とされないように」は一般的な言い回しとされていますが、力を落とさずにいられないのは当然のこと。寄り添う気持ちに欠ける印象です。

まずは「お力落としのことと存じます」と傷心のご遺族に心を寄せた上で、「何かお手伝いできることがありましたら、おっしゃってください」と、どんなことでもいいから力になりたいという気持ちを伝えます。その思いは、きっと届くはずです。

■定型句よりも伝わる言葉を

お悔やみの言葉でよく知られているのは「ご愁傷様です」。この言葉は、お通夜に駆けつけてご遺族に挨拶をするシーンで用いられるのが一般的です。前項の「お力落としのことと存じます」は場を辞する時に言うことが多いので、「ご愁傷様です」との使い分けをしましょう。同じ言葉ばかりを使うのは、幼稚なイメージになります。

「ご愁傷様」は目上の方にも友人にも使える言葉ですが、もし故人やご遺族と親しい間柄である場合、「ご愁傷様」はよそよそしく感じられるかもしれません。定型句のような汎用性の高い言い回しは、相手を選ばずに使える反面、誰に対しても言えるという点で心がこもっていないととられる可能性もあるのです。

正式なマナーとは少し異なりますが、親しい方のお通夜に駆けつけたときの第一声は、「ご愁傷様」ではなく、「このたびは……」と言葉にならない悲しみをご遺族と共有する形でもいいかもしれません。

お悔やみの言葉はハキハキと明瞭に言う必要はなく、言葉を濁して語尾を小さく言ってもかまいません。時として、言葉にならない気持ちをそのままにご挨拶する、という方が思いが伝わることもあるのです。

■「ありがとうございます」「すみません」は不適切

身内が亡くなった時は、参列者から挨拶を受ける立場になります。「ご愁傷様です」と言われた場合、何と答えるのが適切でしょうか。

一般的には「恐れ入ります。生前は○○が大変お世話になりました」です。「恐れ入ります」は「すみません」を丁寧にした形ではありますが、「参列してくださって恐れ多いこと(ありがたいこと)です」というお礼の意味もあります。

「恐れ入ります」に似た意味の表現に、「痛み入ります」があります。「ご丁寧に、痛み入ります」と使います。あまりの感謝に恐縮し、心苦しく思うという意味で、「恐れ入ります」よりも若干恐縮度が高いニュアンスがあります。

ちなみに、「恐れ入ります」も「痛み入ります」も、お通夜やお葬式だけでなく、結婚式に参列してくださった方へのお礼の際にも用いる表現です。

お悔やみの言葉をいただいて、「ありがとうございます」と言うのはお勧めできません。気持ちはわかりますが、場に適した言葉を使うようにしましょう。「すみません」も同様です。つい言ってしまいがちな言葉なので、気をつけましょう。

■知っておいて損はない「死」についての言葉

死についての表現には、いくつかあります。身内の死については、「他界いたしました」「永眠いたしました」「死去いたしました」となります。

「亡くなる」は基本的には敬意表現になるので、身内に使うのはふさわしくありません。ただし、「死にました」というとあまりにダイレクトで少々乱暴に聞こえてしまうので、話し言葉として「亡くなる」を使うのは問題ないでしょう。

死の尊敬語は「逝去」です。弔電などの書き言葉では、「○○様のご逝去を悼み、謹んでお悔やみ申し上げます」とします。「謹んでお悔やみ申し上げます」は話し言葉でも使うので、覚えておきましょう。

時折耳にするのが「お亡くなりになられました」という表現。これは「亡くなる」+「~になる」の二重敬語であり、敬意表現として正しいものではないのですが、マナー違反ととがめられることはないようです。

深い悲しみで皆が動揺している場面では、正しさよりも気持ちを優先する傾向にあるのです。

■招待した方もされた方も幸せになるひと言

結婚式に招待された場合、新郎新婦にはもちろん、そのご家族にも挨拶をするのが礼儀です。「おめでとうございます。すごいですねー」で終わらせることのないよう、最低限言うべきことを身につけておきましょう。

結婚式でスピーチをする女性
写真=iStock.com/recep-bg
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/recep-bg

新郎新婦とご家族、どちらに対しても基本構造は同じ。「お祝い・感謝・ほめる」のセットで挨拶をします。

① まずは「本日は誠におめでとうございます」というお祝いの言葉。新郎新婦が友人であれば、「本当におめでとう!」でもかまいません。

② 次に、「お招きいただきありがとうございます」という感謝の言葉。ここは、新郎新婦にもきちんと伝えたいところです。

③ 最後に「素敵な会場ですね」や「和やかで楽しい披露宴でした」など、式や披露宴の会場や雰囲気などを称賛する言葉を付け加えます。

お祝い・感謝に何が素晴らしかったかを一言伝えると、招待した甲斐があったと思ってもらえます。招待した方もされた方も幸せな気持ちになるコミュニケーションです。

■正しいマナーの土台にあるのは相手への気持ち

結婚式の招待状には、出席・欠席を知らせるハガキが同封されています。これを正しく記入できると、社会人として一目置かれることでしょう。

諏内えみ『一生ものの「正しい敬語と上級の気遣い」 先生! ダメダメな私を2時間で仕事デキる風にしてください!』(KADOKAWA)
諏内えみ『一生ものの「正しい敬語と上級の気遣い」 先生! ダメダメな私を2時間で仕事デキる風にしてください!』(KADOKAWA)

出席にしても欠席にしても、「御出席」「御欠席」と書かれている「御」の文字を消すのは知っていますよね。もし出席するなら「御出席」の「御」と「御欠席」を、欠席するなら「御欠席」の「御」と「御出席」を消します。同じように、「御住所」「御芳名」の「御」と「芳」も消します。

文字を二重線で消すのが一般的ですが、「御」や「芳」の上に「寿」を重ねて書くことで消す方法もあります。覚えておいて損はありません。

やむをえず欠席する場合は、余白に「おめでとうございます。出張中につきおうかがいできず大変残念です」と書き添えます。無言で欠席するのではなく、お祝いの気持ちと、本当は行きたいのにやむをえず欠席することを伝えるようにしましょう。

どんな場面でも、気持ちを言葉に乗せることが大事です。正しい言葉遣いやマナーは、気持ちという土台があってこそ生きるもの。気持ちと言葉は不即不離なのです。両方を的確に正しく表現できる人が「デキる人」であり、信頼されて出世できる人でもあるのです。

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諏内 えみ(すない・えみ)
「マナースクール・ライビウム」「親子・お受験作法教室」代表 
VIPアテンダント業務を経てスクールを設立。上質なふるまいや会話、社交術、テーブルマナーが学べるオンライン講座『Class the SUNAI』を主宰。難関幼稚園、名門小学校合格率95%のお受験講座は「にじみ出る育ちの良さ」が身につくと話題に。映画やドラマで女優への所作指導のほか、テレビ出演多数。著書に『「育ちがいい人」だけが知っていること』(ダイヤモンド社)』など。

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(「マナースクール・ライビウム」「親子・お受験作法教室」代表  諏内 えみ)

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