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ChatGPTは新入社員と同じ…欲しい回答を一発で引き出せる「最強のプロンプト」6つの具体例

プレジデントオンライン / 2023年9月13日 10時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Robert Way

ChatGPTを仕事で活用するにはどうすればいいのか。起業家のソン・ジュンヨンさんは「重要なのは、欲しいアウトプットを具体的に指示することだ。分量からフォーマット、文体まで詳細に指定する必要がある」という――。

※本稿は、ソン・ジュンヨン『7日でマスター 仕事にそのまま使える! ChatGPT完全攻略ハンドブック』(日本実業出版社)の一部を再編集したものです。

■「気の利いた」仕事をする能力はない

ChatGPTはとりとめのないプロンプトを書いても最大限回答してくれます。

しかし、人工知能なので「気の利いた」仕事をする能力はありません。そのために日ごろ同僚と話をしているように、いきなり仕事を要求すると、変なアウトプットを出してくることがあります。

ChatGPTは新入社員であることを忘れないでください。新人に仕事を頼むときは、明確かつ具体的に業務のガイドラインを伝えると効率的です。

どのように要求したら、欲しい結果が得られるでしょうか?

いい質問をするために、まずプロンプトの基本的な構造を理解しておきましょう。プロンプトは、「内容」と「形式」に分けられます。人が対話をするときの言語の構成と似ています。

■プロンプトの基本構造は「内容」と「形式」に分けられる

まず内容を見てみましょう。内容はさらに「トピック」と「コンテクスト」に分けられます。自分がいいたいことの骨がトピックで、その骨に肉をつけることがコンテクストです。

コンテクストはトピックを補う説明です。トピックだけでも意味は伝わりますが、十分でないときがあります。自分が求めている結果を得るために必要な情報があれば、コンテクストを含めたプロンプトを入力してみてください。よりいいアウトプットを得られるでしょう。

『7日でマスター 仕事にそのまま使える! ChatGPT完全攻略ハンドブック』(日本実業出版社)より
『7日でマスター 仕事にそのまま使える! ChatGPT完全攻略ハンドブック』(日本実業出版社)より

次に、形式とは、自分が欲しいアウトプットの具体的な形式のことです。たとえば、「回答は1000字前後のテキストでお願いします」「与えた数値で表を作ってください」などと、その形式を指定します。

■アイデアの個数やフォーマットまで具体的に指定する

欲しい結果を得るためには、ChatGPTにおおよその分量と求めている形式を指定します。具体的に要求すると、こちらが何を求めているのかをよく理解してくれます。

1つ例を挙げてみましょう。私は新しいリップスティックを製造しようとしている化粧品会社の代表です。最も欲しい結果の内容は「リップスティックの新商品のアイデア」です。

しかし、これだとあまりにも広範囲な質問になります。そのため、コンテクストに「東南アジアをターゲット」という内容を加えて絞ります。これぐらいなら十分のような気がします。

しかし、ChatGPTは人工知能です。どんなことにも回答はしてくれますが、要求したことにだけ回答します。人に指示するときにはあえて教える必要はありませんが、ChatGPTにはアイデアの個数まで指定しましょう。さらにアウトプットのフォーマットも指定すると、より見やすいアウトプットが得られます。

『7日でマスター 仕事にそのまま使える! ChatGPT完全攻略ハンドブック』(日本実業出版社)より
『7日でマスター 仕事にそのまま使える! ChatGPT完全攻略ハンドブック』(日本実業出版社)より

この例は、実際のプロンプトを見やすいように要約したものなので、実際にプロンプトを書くときには、コンテクスト、分量、フォーマットなどをより詳細に指定することもできます。

「1つの仕事をさせるのにこんなに手間がかかるのか」と思うかもしれません。前述の通り、プロンプトの骨だけでもある程度の結果は得られます。しかし、実際に使える回答を望んでいるのなら、最初から具体的なプロンプトを作成しましょう。このひと手間によって時間と労力を省けます。

■テキスト以外にリストや表形式を要求することも可能

前述の通り、ChatGPTには、どんなアウトプットが欲しいのかを具体的に伝えましょう。結果の形式を指定しておくと、業務のプロセスを短縮できます。ChatGPTの回答結果を他のフォーマットに変換しようとすると、とても手間がかかります。

テキストの回答を求めているのなら、テキストで要求すればいいでしょう。しかし、テキストで出てきた結果を、リストや表のように他のフォーマットに変える作業が必要なら、最初からその形式で要求してみてください。そうすれば、リストや表で得た結果をスプレッドシートのような形式で活用できます。

次の表は、年度別の酒類販売実績データと2021年度の内訳を表で作成するように要求した結果です。

『7日でマスター 仕事にそのまま使える! ChatGPT完全攻略ハンドブック』(日本実業出版社)より
『7日でマスター 仕事にそのまま使える! ChatGPT完全攻略ハンドブック』(日本実業出版社)より

■プロンプトには「◯◯形式で書いてください」を入れる

反対に、テキストで結果が欲しいのに、表やリストで出てくるのも困ったものです。そのため、プロンプトに正確な出力形式を書くようにしましょう。

形式を指定する方法は単純です。求めている内容に加えて、「[フォーマットタイプ]で作ってください」「Make it in[フォーマットタイプ]」と書くとChatGPTがよく理解してくれます。

『7日でマスター 仕事にそのまま使える! ChatGPT完全攻略ハンドブック』(日本実業出版社)より
『7日でマスター 仕事にそのまま使える! ChatGPT完全攻略ハンドブック』(日本実業出版社)より

■アウトプットの用途に応じて文体は自由自在に変えられる

アウトプットを誰かに見せるなら、その人のことも考えて文体を変えることもできます。特別にトーンを指定しなければ、ChatGPTは無味乾燥なトーンの文体で出力します。

もし、ブログ記事のように少し軽めで読みやすい文章を望むのなら、プロンプトにそう要求すればいいのです。まず文体を指定していないプロンプトとそのアウトプットを見てみましょう。

(prompt)
ブログ記事を書いてください:「このブログでは、不安やストレスの解消、集中力や注意力の向上、幸福感の向上など、瞑想のポジティブな効果を紹介します」
(output)
タイトル: 瞑想の力: 不安やストレス解消、集中力強化、幸福感向上
瞑想は、不安やストレスの解消、集中力や注意力の向上、幸福感の向上など、多くのポジティブな効果をもたらします。
瞑想の実践は、私たちの心と体のバランスを取り戻し、より充実した人生を送るための手段となります。ぜひ、瞑想を取り入れて、日常のなかで自己成長と幸福を追求してみてください。

■気に入った文体をサンプルに「こう書いて」と要求もできる

同じトピックで、幼稚園の先生が話すように書いてほしいと要求することもできます。

(prompt)
同じトピックのブログ記事を、幼稚園の先生のような文体で書いてください。

こう要求すると、異なる文体の結果が出てきます。文体を変えて書くのはとても難しいものですが、ChatGPTには簡単なことのようです。さらに、特定人物や特定の会社のスタイルで書いてもらうこともできます。

(prompt)
上記のトピックについて、スティーブ・ジョブズのように、簡潔でありながら自信に満ちた魅力的なトーンで書いてください。

気に入った文のスタイルがあれば、そのサンプルの文章をプロンプトに入れて、「この文章のトーンとマナーで書いてください」と要求することもできます。

■「あなたは◯◯です」役割を指定すると回答の精度が上がる

プロンプトを書くとき、あるトピックについて専門家の観点と言語で書いてほしいとChatGPTに要求することもできます。

ソン・ジュンヨン『7日でマスター 仕事にそのまま使える! ChatGPT完全攻略ハンドブック』(日本実業出版社)
ソン・ジュンヨン『7日でマスター 仕事にそのまま使える! ChatGPT完全攻略ハンドブック』(日本実業出版社)

英語の「Act as」を使えばいいのです。たとえば「Act as UX Designer」と始め、続けて残りのプロンプトを入力すると、UXデザイナーのような結果を出してくれます。「Act as Movie Director」とプロンプトを始めると、映画監督のように書いてくれるでしょう。

「Act as」と似たような表現に「Pose as」「Imagine you are[役割名]」があります。日本語なら「あなたは入社10年目のUXデザイナーです」と始めればいいのです。

実際にこのプロンプトを入力すると回答がどれだけ違うのかを比較検証した統計結果はありません。しかし、海外の例や、私自身の経験からすると、ChatGPTが出した結果で使われた単語や表現がより専門的なものになっていることがわかりました。

自分の業務と関連のあるトピックで直接「Act as ペルソナプロンプト」を作ってみてください。そして、いい結果が出たものはメモしておいてください。その後はプロンプトを入力するのがとても楽になるでしょう。

■よく使うプロンプトの命令語は手元に一覧で置いておく

次は私が実務で最もよく使うプロンプトの命令語のリストです。1つの命令語だけ単独で使ったりもしますが、1つのプロンプトにいくつかの命令語をつなげて使ったりもします。毎回新しいプロンプトを生成するのが面倒なら、コピーして机に貼って使ってみてください。

『7日でマスター 仕事にそのまま使える! ChatGPT完全攻略ハンドブック』(日本実業出版社)より
『7日でマスター 仕事にそのまま使える! ChatGPT完全攻略ハンドブック』(日本実業出版社)より

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ソン・ジュンヨン 起業家
Webエージェンシー、ゲーム流通、外食業、医療観光のスタートアップを起業。2度の出口戦略(イグジット)と5回の廃業を経験ベトナム、マレーシア、香港にマーケティング代理店を設立し、累計9年間運営。2020年から小さなブランドのマーケティングを支援する事業を行なっている。韓国唯一のChatGPT「実践」ガイドチャンネル「Aiプロンプト研究所」のYouTubeクリエイターでもある。

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(起業家 ソン・ジュンヨン)

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