1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

家の中でパートナーに"折り入った話"を切り出してはいけない…すれちがいを防ぐために指定すべき場所

プレジデントオンライン / 2024年3月30日 17時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Cunaplus_M.Faba

相手に悩みを打ち明ける効果的な方法は何か。HSPアドバイザーでカウンセラーのRyotaさんは「わかってほしい人にわかってもらえないのは、味方が敵になったような衝撃を受ける。繊細な方の悩みで多いのが、夫婦間のすれちがいだ。特に悩みの種として多いネガティブニュースとテレビの音量については、悩んでいることを本気で伝えようとしても、家で雑談のように話せば流されやすい。相手にただごとではないと伝えるため、『“折り入って相談がある”と伝える』『家の中ではなくカフェを指定する』『服装を整える』といい」という――。

※本稿は、Ryota『気疲れがスーッと消える 繊細な人の話し方』(明日香出版社)の一部を再編集したものです。

■「ちょっと相談したいんだけど、いい?」で深読みしてしまう

人一倍敏感な部分があると、人間関係で洞察力を発揮します。洞察力とは物事や人をモニタリングして、さまざまなことを見抜く力のこと。今、自分と相手の間になにが起きているかを深く考えるのです。

友達から「ちょっと相談したいんだけど、いい?」と連絡が入ったとしましょう。

相談内容についてさまざまなことを考えます。「もしかしたら大ピンチなのかも!」と想像し、ムリにでも時間をつくる方もいらっしゃいます。

このように、洞察力があると、相手の見えていない部分まで考えて知ろうとします。

当然、否定や批判にたいしてもHSP気質を持つ方は大きく反応します。

だれだって傷つきたくありません。傷つくとは、自尊心が傷つけられる、ということです。

しかし、どれほど親しい仲だとしてもおたがいを傷つけてしまうことはあります。

相手にとってなにがNGワードなのかわからないためです。

あなたが、最近人気の芸人さんのことが大好きだとしましょう。でも、友達が「あの芸人さん微妙じゃない?」と話題に出すケースだってあります。

自分の好きなものを否定されると、自分の価値を否定されたように感じます。親しい仲だからこそ、深く傷つく方もいるでしょう。相手はなにげなく発言しただけなのに、全否定されたように打撃を受けてしまう方もいらっしゃいます。

■傷つくことを避けるよりも、修復力を大切にしよう

ここで重要なのが「人間関係はコミュニケーションの中でおたがいに傷つく可能性がある」ということです。

1度もケンカをしたことのない方もいると思いますが、長い付き合いの友人とは数回はケンカをしてきた方が多いのではないでしょうか。しかし、友人関係がつづいているのには理由があります。おたがいを許してきたからです。

キャンパスの友人
写真=iStock.com/BlessedSelections
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/BlessedSelections

人間関係で傷つくことは、残念ながら避けられません。どんなに関係の近い人でも、相手が考えていることや経験してきたことすべてを知ることはできないからです。そのため、傷つくことを完璧に避けることよりも、傷ついたあとに関係を修復する力が大切です。

たとえば、相手に家族が全員いる前提で話をしたとしましょう。でも、その相手は家族を亡くしていたとします。

悪意があったわけではないですし、相手の中でも気持ち的に終わったことかもしれません。それでもデリケートな話題に踏み込んだのであれば、ひと言謝るでしょう。

ケンカをしても好きな部分がのこっていれば、冷静さをとりもどしたあとで反省することができます。おたがい謝りあい、許すからもとの関係にもどれます。

新車に傷が付くのをこわがるように、人間関係の傷を恐れると気をつかいつづけることになります。気をつかったからといって、相手を傷つけないともかぎりません。

傷つくことを恐れるのではなく、関係性をもどす修復力に目を向けましょう。

■断られることは否定ではない

「断られるのがこわくて、人を誘ったり一歩踏み出すことができないんです」というご相談を繊細な方からいただきます。

断られたことで、自分を否定されたと深く受け止めてしまうのです。「相手を悩ませてしまったのでは?」と、罪悪感を持ってしまう繊細な方もいらっしゃいます。

人生において、「断る」ことも「断られる」ことも数えきれないほど経験することです。早めに慣れておくと、人間関係がスムーズになります。

断られることは、否定ではありません。あなたも誘いやお願いを断った経験があるのではないでしょうか。そのときに相手を否定する気持ちで断ってはいませんよね。

「申し訳ないけど……」という気持ちで断っているかと思います。

では、なぜ断られることに否定的な気持ちを持っているのでしょうか。多くの場合、過去に断ったことで「イヤな気持ちになった経験」をしているためです。

たとえば、お願いを断ったときに「ケチ」と言う人がいます。あなたがケチくさいと言われないためには、お願いを引き受けるしかありません。良心的な気持ち・やさしい気持ちがあると、こうしたひと言を真に受けてしまいます。

このように断ったときに否定的なことを言われると、「たしかに私に落ち度もあるのかも………」と、繊細さ・敏感さを発揮して深く考えてしまう方もいるでしょう。

しかし、問題は相手にあるのです。

今の例のように「捨て台詞」を吐く方は、なにかしらの問題を抱えています。自信がなかったり、他人を利用したい、という気持ちを持っていたりします。

今回の場合は「期待外れだった」ため、ショックを受けているのです。「私はこんなにショックを受けた」と、捨て台詞で伝えているのですね。捨て台詞を吐く方のお願いは、断って正解です。むしろ、あなたはいい行動をとっていたのですね。

■断られることに慣れると、誘いやすくなる

断られることがこわくて身構えていると、そうされた瞬間に相手に敵意を抱きます。

断られることを悪意や否定として考えてしまっているためです。

しかし、あなたが断ることに慣れてくると、自分が断られた際に「別に嫌われているわけじゃない」とわかるでしょう。自分が断るときと同じように、予定が合わないだけ、その誘いの内容に興味を持てないだけかもしれないからです。

断る人の気持ちがわかると、自分に悪意を向けていないことに気づけます。むしろ誘われたことに喜ぶ人も多いです。

よい人間関係をきずきたいなら、誘われる側よりも、誘う側になる方がおすすめです。話したい人を選べますし、人数や場所・時間帯まですべて自分でセッティングすることができます。

繊細な人は短期間でも、さまざまな刺激を感じとり、感情が高ぶって疲れてしまうことがあります。1日中、人と一緒に遊んでいるとヘトヘトになるでしょう。「午前だけ(午後だけ)遊ぶ」のように自分に合わせてスケジュールを組めれば、疲れずに人と遊びやすくなります。

しかし、いつでも「午後だけ遊ぼう」と誘ってくれる人ばかりではありませんよね。

そこで、あなたから誘い、ムリなく過ごせる人と関係性を長くつづけてほしいと思います。気軽に誘えるようになるためにも、断られることに慣れていきましょう。

カフェで話している若い女性
写真=iStock.com/Satoshi-K
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Satoshi-K

■我慢しないでお願いを伝える方法

「本当は悩みを聞いてほしかったのに、いつの間にか相手の話にすり替わってしまってモヤモヤします……」

これは、繊細な方から多いご相談の1つです。

繊細な方が2人いれば、その繊細さには差が生じます。その場に繊細さ・敏感さを持っている人が自分以外にいたとしても、より繊細な方が1人決まります。

すると、より繊細な方が本心を我慢したり、相手のために自分の思いをとり下げたりします。よかれと思って我慢した場合でも、我慢がつづけば不満になってしまいますよね。

不満は怒りとなり、おたがいの関係がギクシャクしてしまいます。

どうしても譲れない内容があれば、会話の最初に伝えてしまいましょう。

冒頭の「本当は悩みを聞いてもらいたかった」という例。この場合、会う約束をする時点で「話を聞いてほしいんだけどいい?」と伝えましょう。

これは相手だけでなくあなた自身の助けにもなります。自分の話を聞いてもらう場ですから、いろいろな話をしていいんだと気持ちを整えることができるためです。

「思うまま相談しよう!」という行動の動機付けにもなります。

もし、あなたが「ただ話を聞いてほしい、否定的なアドバイスをされたらどうしよう」と思っているのなら、先ほどのセリフだけでは不十分です。

「今日は話を聞いてほしいんだけどいい? アドバイスもなしで、本当に聞いてくれるだけでいいから!」がまちがいのないひと言でしょう。

もちろんこのセリフは例でしかありません。相手にお願いしたいことは、相談や話を聞いてもらうだけとはかぎりませんよね。

愚痴を言いたい日もあるでしょうし、昨日のテレビドラマの話をしたいだけの日もあるでしょう。こうしたささいなことも、相手に伝えてみるようにしてください。

■夫婦間のすれちがいをなくすコツ

自分の要求を伝えられるようになると、要求の伝え方・伝える場も意識できるようになります。

繊細な方の悩みで多いのが、夫婦間のすれちがいです。とくに多く届くお悩みが、ネガティブニュースとテレビの音量についての悩みです。

繊細な方は物事を深く考えるので、ネガティブなニュースを見るとさまざまなことを想像します。事故のニュースから「きっと悲しいだろうな。今つらいだろうな」と、当事者の気持ちまで考えてしまうのです。

配偶者の方が単なる情報収集としてニュースを見ているだけでも、疲れ果ててしまう可能性があるのですね。

音量の問題も似ています。相手がなにげなくテレビを見ているだけなのに、その音量の大きさが気になれば、ずっと気になってしまいます。

こうしたことに悩んでいることをあなたは本気で伝えようとしても、相手が「まぁまぁ」「そんなに気にしないでよ」と流してしまうとガッカリしますよね。家で雑談のように話せば流されやすいでしょう。

もし、次のような流れ・環境で話したらどうでしょうか?

・「折り入って相談がある」と伝える
・家の中ではなくカフェを指定する
・服装を整える
Ryota『気疲れがスーッと消える 繊細な人の話し方』(明日香出版社)
Ryota『気疲れがスーッと消える 繊細な人の話し方』(明日香出版社)

たったこれだけで、相手にただごとではないと伝わります。話を真剣に聞こうと思うでしょう。

繊細な方のご相談を受けていると、伝え方で損をしている方が多く感じられます。

わかってほしい人にわかってもらえないのは、味方が敵になったような衝撃を受けます。これは悲しすぎますよね。

自分はどうしたいのか。相手にどうしてもらいたいのか。ここを意識して、会話をしてみましょう。たったこれだけで、会話のすれちがいを防ぐことができますよ。

----------

Ryota(りょうた)
HSPアドバイザー、心理カウンセラー
メンタル心理カウンセラー・行動心理士の資格を持つ。自身も強度のHSP。作家や作曲家の一面も持つ。心理系の資格・様々な仕事経験・癒しの音楽を学んだ経験を生かし、主にHSP向けの相談や仲間作り・支援に向けた活動に努める。これまでに2000名以上の相談に答える。運営しているHSP向けメルマガサービス「HSPの教科書」は、まぐまぐ大賞2020年新人賞1位獲得。繊細な方向けの就職支援サービス「ココjob」を法人と共に企画、立ち上げ。HSP向けコミュニティ「ココイロサロン」を立ち上げ、運営。HSPブログ「ココヨワ」の運営を始め、YouTubeやインスタグラム・ラジオなどSNSでも発信をしており、合計フォロワー数は19万人を超える。HSPと交流しつつ、アンケート等で共通点や悩みを探り、主に心理学・社会関係・行動心理を元に生き方に役立つ情報を届けている。著書に『もう振り回されるのはやめることにした』(SBクリエイティブ)『まわりに気を使いすぎなあなたが自分のために生きられる本』(KADOKAWA)がある。

----------

(HSPアドバイザー、心理カウンセラー Ryota)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください