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こうすれば相手が勝手に察してくれる…要領のいい人が「仕事を増やしたくない」時に使う魔法のフレーズ

プレジデントオンライン / 2024年8月16日 8時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/demaerre

人から頼み事をされたとき、うまく断るにはどうすればいいか。精神科医のTomyさんは「責任感が強い人は二つ返事で引き受けてしまいがちだが、それでは疲弊してしまう。断るのが苦手なら、まずは即答せず時間を置くことを習慣づけるといい」という――。

※本稿は、精神科医Tomy『精神科医Tomyのほどほど力 全力投球は、もう卒業よ』(だいわ文庫)の一部を再編集したものです。

■「やりたいことを半分にしてください」と伝える理由

今まで頑張るのが当たり前だと思っていた人は、頑張ることが「ふつう」です。変えてみようとしたところで、他人から見たら「それでも頑張りすぎ」と思われる可能性もあります。

そこでアテクシはこんな言い方をします。「アナタがやりたいと思ったことの半分ぐらいにしてください」と。「7~8割」にはしません。何でもやりすぎる人に「7~8割にしてください」といっても結局やり方が変わらないことがほとんどだからです。かといって「10分の1」だと「そりゃ無理だよ」と思われて参考にしてくれません。

「半分」が一番いいぐらいです。たとえばアナタが今日は「○○と××と△△と□□しよう」と思ったら、「○○○と×××」ぐらいにとどめておく。半分だけというのは実にわかりやすい目安なのです。半分で回るのかというご質問が飛んできそうですが、実はほとんど問題は起きません。

■数が減れば優先順位をつけられるようになる

たとえばテーマパークで考えてみましょう。アナタがあるテーマパークに来て8個のアトラクションに乗りたいと考えました。今まで通り8個回ろうと思ったら、ずっと「どう回るか」「ちゃんと全部回れるか」だけ考えてへとへとです。せっかく遊びに来たのに気持ちに余裕もなく逆にイライラしてしまいます。

しかし「半分だけにしてください」と言われたらどうでしょう。今日回るのは4個です。その場合はきっとどうしても乗りたいものだけを4つ選ぶのではないでしょうか? そうすると気持ちにも余裕ができ、のんびり散策したり、食事をゆったりとったりもできるのではないでしょうか。

そうなのです。目標が半分に絞られると、人は優先順位の高いものを選びます。優先順位をつけるということが大切なのです。頑張りすぎる人がなぜいっぱいいっぱいなのかというと、優先順位をつけないからです。知らず知らずのうちに「全部やるべき」などと考えてしまうのです。

それを「半分にしてください」と言われると優先順位をつけるという意識が出てきます。これが大切なのです。というわけで、今日からでもぜひ始めてください。「やりたいことの半分だけ」。

■責任感が強いのはいいことだけではない

ほどほどにできない人は「過剰な責任感」に苦しめられていることが多いです。本来そこまで求められていないのに、どんどんと自分の責任のハードルを上げてしまう。その理由は「責任感が強いのはいいことだ」と思っているからです。

しかし責任感が強い人は、あれもこれも自分の責任にしていきます。しかも世の中には責任感のない人もいますから、そうした人々が自分の仕事を責任感の強い人に押しつけていきます。そしてさらに自分の責任が増えていくのです。

こうして見ていくと、責任感の強い人の問題は、「自分の責任がどんどん増えていく」というその状況にあります。自分に課せられたことに対して責任を持ってやるということには何ら問題がありません。

しかし、そういう人は評価が高まり、役職が上がったり仕事が増えたりします。

ここが問題なのです。なおかつ責任感の強い人にとって、「評価が高くなっている」という事実は、誇りや心の報酬につながっていることも多いです。そうなるとどうなるでしょうか?

「責任感が強い→評価が上がる、仕事が増える→もっと責任感を持とうと思う」

こんなスパイラルができてしまうのです。

■途中から頼まれた仕事は安易に引き受けないと決める

こうなると、今更ほどほどに仕事をすることなぞできません。ほどほどに仕事をしてしまうと、自分の心の報酬も失われてしまうからです。

しかし、このままではいずれ限界が来ます。場合によってはうつ病や休職、転職などということもあり得るでしょう。そこまでいかなくても、常に疲れ果て、仕事をしない無責任な人への不満を抱えながら生きていくことになってしまいます。

ではどうしたらいいのでしょうか。このスパイラルをどこかで断ち切ればよいのです。一番いいのは、「安易に仕事を増やさないこと」です。任された仕事は思う存分責任を持ってやるが、途中から頼まれた仕事は安易には引き受けないことです。

もちろん職場などではなかなか断ることは難しい場面もあるでしょう。たとえば直属の上司の指示。これは断れません。しかし、誰がやってもいいが、誰も名乗りを上げない。こんなとき、なんとなく周囲の視線がアナタに注がれてもやってはいけません。

また同僚が自分の仕事をやってくれそうな人を探しているときも応じる必要はありません。上司からの依頼でも、指示ではなく「今やれそう?」など、ある程度選択肢を与えられる場合もあります。こういったときも引き受けてはいけません。

否定の概念、手のひらを向けるビジネスマン
写真=iStock.com/SasinParaksa
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/SasinParaksa

■都合良く使われないための「一旦お預かり」

責任感が強く、限界までいってしまうような人は、こういう場面で名乗りを上げてしまうケースが多いのです。「自分にやってほしそうだから」「他の人がやらないから」「断りづらいから」で引き受けることを極力まで排除するだけでもだいぶ違うのです。

もしそれでも断りづらいようなら、次の作戦を実行してみてください。名づけて「一旦お預かり作戦」です。責任感の強い人は、新たな仕事を振られたときに即答する傾向があります。二つ返事で引き受けてしまうのです。

仕事を頼むほうからすると、これは大変にありがたい人です。人に仕事を頼むというのは、場合によっては難航するものです。それが、アナタに頼めばすぐに二つ返事で引き受けてもらえる。ものすごい労力が省略できます。さらに新たな仕事が発生したときも、まずアナタのところに持ち込もうとするでしょう。

ある意味、アナタの責任感の強さを都合よく使われてしまっているのです。こういうときに、まずアナタがしやすい対策としては「即答しない」ことです。断ることに抵抗があるのであれば即答しない。一旦答えを預かる。このひと手間が有効です。

■「なるべく早く」と言われても「確認してお返事します」

具体的な例を挙げてみましょう。上司から電話がかかってきました。

精神科医Tomy『精神科医Tomyのほどほど力 全力投球は、もう卒業よ』(だいわ文庫)
精神科医Tomy『精神科医Tomyのほどほど力 全力投球は、もう卒業よ』(だいわ文庫)

「今新しい企画が必要になってね。企画書を新しく書くことはできるかい」
「はい、確認してからお返事しますね。他の仕事がだいぶ立て込んでいて」
「わかった、なるべく早く返事を頼むよ」

こんな感じです。いわば「時間稼ぎ」です。この形であれば一旦は引き受けていますのでNoと言ったわけではない。Noと言えないアナタに向いている方法だと思います。さらにこの言い方でも気になるようであれば、返事の期限をつけて回答してください。

「わかりました。今日中にお返事しますね」

といった感じです。引き受けるわけではないにせよ、責任感のある感じが出てきます。そして、時間差を設けてから返事をする。

この場合、少しでも負担に感じるなら、断ってもいいです。断りたくない場合でも、時間を置いてから返事をしてください。必ずこのお預かりする過程を挟むようにしてください。

■どんな依頼も二つ返事で受けてくれるイメージを崩す

そうすると相手からすれば、たとえ断らなかったとしても、以前のアナタより気軽に物事を頼める存在ではなくなっています。場合によっては「あ、それ○○くんに頼んでおきました」なんて言われることもあるでしょう。それでもいいのです。

人は学習をする生き物です。学習したつもりがなくてもです。今までのアナタは、どんな依頼でも即答で引き受けてくれると周りが学習してしまっています。だから次々頼まれるのです。

そのパターンを崩せば周りは「ああ、この人はすぐに仕事は引き受けてくれないかもしれない」「この人は今忙しいんだな」という学習をしてくれるのです。

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Tomy(とみー)
精神科医
1978年生まれ。某国立大学医学部卒業後、医師免許取得。ゲイである自分に何か答えをくれるかもしれないと精神科医局への入局を決意。精神科病院勤務を経て、現在はクリニックの常勤医。『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)、『失恋、離婚、死別の処方箋 別れに苦しむ、あなたへ。』(CCCメディアハウス)など著書多数。

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(精神科医 Tomy)

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