「今こそ日本人はハワイに行ったほうがいい」投資経験45年超の85歳男性が提案する"円安への意外な対処法"
プレジデントオンライン / 2024年8月31日 8時15分
※本稿は、石井勝利『85歳、現役・投資家のお金の哲学』(SBクリエイティブ)の一部を再編集したものです。
■日本中の観光スポットに押し寄せる外国人客
この本を書いている時点では、円がドルに対して、大幅な安値を付けています。アメリカの好景気、利下げが遠のくのに対して、日銀が、円安の要因である低金利を是正しないために、投機筋も参加して、円売りになっているからです。
円が安いということは、海外の品物が高くなる。飛行機や海外のホテルなどの利用料金が高いということです。それに対して、海外の人が日本で物を買い、サービスを受けるのは、割安になります。
そのために、2024年になってから、海外からの旅行者が急増しています。その結果、都市部や地方の観光スポットには、外国人が押し寄せています。
円が安いので、日本人は海外に行くと昔よりもお金がかかり、国内旅行を優先しなければなりません。インバウンドと日本人が観光地に押し寄せるので、京都などの外国人に有名な観光地は、人であふれて、観光公害の状況を呈しています。
■今こそハワイに行くのがチャンスだ
とくに、我々が困るのは、ホテルの宿泊費が高騰していることです。観光地だけではなく、東京のホテルも、ビジネスホテルは急激な値上がりとなっています。
円安は、日本人に人気のあるハワイへの旅行者が少ないようです。そこで、日本人が行きたい人気の海外観光地は割合空いていますので、少し高いわけですが、行くにはチャンスかと思います。
円が安いので、お金がかかるのですが、日本人が押し寄せない海外の人気地は、むしろ、逆転の発想でお勧めではないでしょうか。お金でも、行動でも、流れの逆を行くことで、楽しみが増え、行って良かったという思い出になります。
お金は一定でも、旅行に限らず、使い道の良い方法で消費を楽しみましょう。割高だから行かない、というのではなく、あまり行けない時に行くという考え方が、お金の使い道が良いことになります。
■金を売ってお金に換えようとする人々
いま、金相場が上がっていますね。田中貴金属には、金のアクセサリーとか、金に関するものを売りに行く人が多いようです。
なにしろ、今までにないくらいの値上がりなので、売ってお金に換えようという人が後を絶ちません。なぜ、このように金相場が上げているのか。最大の要因は、中国が金を買い漁っていることのようです。
そのほかに、ドルだけを保有しているのは危ないとみる国が、ドル基軸通貨の前の交換の役目を果たしていた金を保有し、国としての通貨のリスクを避けているようです。日本は、金の保有は海外の国に比べて多くはありません。
それは、アメリカとの友好で、ドルに対しての信認が高いからです。日米安保という軍事的な関係も影響しているかもしれません。ただし、金相場は国際的なもので、日本だけが割安というわけにはいかないのです。
■金製品は慌てて売らずにキープするのが懸命
そこで、いま、金は売るべきか、買うべきかということですが、私は、金は買わなくても良いですが、保有している金製品は、慌てて売らなくても、更に、長期的に値上がりするのは分かっているので、保有が賢明かと考えます。
株式などは、企業の業績や市場の動きで、上下が激しいですが、金は長期的に相場が上げています。そういう意味では、長期の投資、資産運用を考えている人は、金での資産運用が賢明と考えます。
投資目的であれば、アクセサリーではなく、そのまま売買できる金の延べ棒がよいと思います。金は、田中貴金属など、売買が可能なところで売買できます。金なら、アクセサリーでも良いだろうという考え方もありますが、それを楽しみながら運用するのも一つの方法です。
貴金属には、白金やダイヤモンドもありますが、交換しやすく、値上がりが景気と連動するのは金なので、宝飾品は金で保有することを勧めます。
■「商社」は何がすごいのか
経済は、生き物です。常に変動しています。地価も、食費も、お給料も、レッスン代も。ひと時も「そのまま」ということはないのです。
当然ながら、その動きに連動して、金利、利息、配当、優待などの規模が変わります。この変動に、経済活動のチャンスがあります。企業で言えば、「変化」を上手く捉えて、グローバルで儲けているのが「商社」です。
三菱商事、三井物産、住友商事、丸紅など。これらの企業は、常に新しく成長する分野へ投資し、買収して、チャンスを数字にしています。
その半面で、古くて稼げない分野は撤退します。同じように私たちも世の中で求められる仕事やスキルを磨き、それを売り出していきたいところです。
昔の杵柄ではありませんが、古い技術やノウハウにしがみついているのではだめです。
いま、何が望まれているのか。何がトレンドなのか。これを敏感に掴んで、打って出ましょう。無ければ、学んで、身につけましょう。
■勉強することで、高収入の可能性がひらける
勉強しましょう。そこに、受け入れられるチャンスがあり、高収入の可能性があるのです。
コンビニで分かると思いますが、消費者が何を望んでいるのか、生活スタイルで、どのようなものが望まれているのか、これを日々、考えて、新商品を並べて商売しています。
お店の広さには限りがありますので、撤去し、新商品を発表、この繰り返しです。人間も自分の価値について、常に考えて生きていかなければなりません。技術で言えば、「生成AI」というような言葉がいきなり出てきて、世の中は、AIが全てを左右する時代になってきています。
新しい価値や手段が出てくれば、それを活用し、前を向いて活動していきます。「私は昔からこれでやってきた、昔は良かった」このように停滞している生き方からは何も生まれません。
新たな儲けや稼ぐチャンスをものにすることは出来ないのです。変動する時代の価値観、技術、ノウハウ。これらに敏感になり、打って出る姿勢が必要であり、そこに、新たな収入や可能性が生まれます。
自分よがりではなく、時代の流れ、経済の動きにあわせて生きていく姿勢が「可能性」「チャンス」をものに出来る人間となるのです。
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経済評論家
早稲田大学政治経済学部卒。1939年生まれ。宇都宮工業高校から、高卒で文化放送に就職。働きながら夜学独力で大学を出た苦労人。政党機関紙の記者を23年務めた後、住宅、金融等の著作、評論活動で独立。『日本経済新聞を120%読みこなす法』(10万部)、『マンガ版 生まれてはじめて株をやる人の本』(20万部)等で、ベストセラーを連発。最近はデイトレ対応、チャートの読み方、5分足チャート、仕手株本などを手がけ、ヒットを飛ばす。投資生活45年超、著作は400を超え、安定したファンがある。
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(経済評論家 石井 勝利)
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