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「素敵な服ね」に「いえいえ…」は絶対ダメ…一流の人が実践する、褒められたときの"最強の切り返し"

プレジデントオンライン / 2024年9月4日 15時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Liudmila Chernetska

相手にほめられたら、どんな対応をするべきか。作家の有川真由美さんは「ほめられたときに、ほめ返すことが礼儀だと思い返答すると、社交辞令のような感じになってしまいがちだ。『ありがとうございます。うれしいです』と素直に感謝して喜ぶことこそ礼儀であり、相手もほめた甲斐があると思える。感謝することは、ほめた人をほめ返していることになる」という――。

※本稿は、有川真由美『話し方を変えれば運はよくなる』(三笠書房)の一部を再編集したものです。

■「仕事ができますね」だけでは物足りない

「スピーチ、よかったです」
 ↓ 
「スピーチ、最初のつかみで、引き込まれました」

物書きとして料理を「美味しい」と表現するのは、プロ失格と言われます。

そんなありきたりの表現ならだれでもできること。

せめてひとつでも「塩加減が絶妙」「スープにコクがある」「後味がさわやか」などがあると「自分の言葉」になります。

ほめることも似ていて、「仕事ができますね」とざっくりほめられると、うれしいと思いつつも「どこを見てそう思ったの?」と聞き返したくなるでしょう(ほとんどは聞き返しませんが)。単なる社交辞令として受け取るかもしれません。

「先日、依頼をすぐに処理してくれたので、そう感じました」「電話の受け答えがすばらしかったので」といった“ほめポイント”を加えると、説得力をもって、ほめられる喜びは倍増。

「そこを見てくれたんだ」と好感をもつでしょう。

幸運な人は、ひとつの“ほめチャンス”を大切にします。

せっかくほめるなら、自分の言葉で相手に届くようにしたいもの。

ひと言加えるだけで、それはできるのです。

「すごいですね」→「○○ができるなんて、すごいですね」、「かっこいいですね」→「スーツ姿がかっこいいです」、「イラストが上手いね」→「猫ちゃんの表情が、なんともかわいい」、「元気ですね」→「あいさつが元気で、こちらまで元気になります」など、焦点はひとつに絞ったほうが、感動を伝えられるのです。

■「私はどう感じたか」を伝える

「スタイルがいいですね」
 ↓
「どうしたら、そうなれるか教えてほしいです」

家事を手伝ってくれた子どもに「あなたはいい子ね」「よくできた」とほめるより、「お母さんはうれしかった」「自分の時間ができた」とやってくれたことへの効果を伝えたほうが、自分から手伝いをするようになるといいます。

違いは主語が“あなた”か“私”か。

「私はうれしかった」と人に言われると、自分の行動が役に立ったと実感できるのです。

大人であっても、「報告書、よく書けていました」と言われるより、“私”を主語にして「報告書、読みやすくて、とてもよく理解できました」と言われたほうが、説得力があるでしょう。

「相手にいい影響を与えた」「少しだけ幸せにできた」という喜びは、大げさなようですが、自分の存在価値を高めてくれるものだからです。

ほめ言葉というのは、相手をジャッジする言葉なので、少々上から目線に感じることがあるかもしれません。目上の人に対して「よくできていますね」などとほめることはないでしょう。

「感銘を受けました」「尊敬します」「教えてほしいです」といった「私メッセージ」は、ほめ言葉以上にプライドをくすぐります。

ほめるのが苦手という人も、喜びや感動を表現することはできるでしょう。

ほめ慣れている人は、「すばらしい! 感動しました」というように「あなたメッセージ+私メッセージ」を意識すると、相乗効果で相手に伝わるはずです。

■「いい」より「好き」がストレートに響く

「○○さんはセンスがいいですね」
 ↓
「○○さんのセンス、私は好きです」

ほめられてうれしいものの、なんとなく心地悪さを感じてしまうなら、それは相手の本心がよくわからないからかもしれません。

ほめを超えてくるほめ言葉があります。

それは「好き」という言葉。

私も自分の書いた本を「あの本、よかったです」とほめられるのはうれしいものですが、「あの本、好きです。何度も読んでます」などと言われたら、飛び上がって喜びたくなるほど。

相手の気持ちが伝わってきて「これからも頑張ろう」という勇気をもらえます。

「好き」という言葉は、少し照れくさく感じるかもしれません。

ハート型の模型を持つ女性
写真=iStock.com/sunabesyou
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/sunabesyou

でも、意識してみると、案外、使える場面は多く、慣れてくるものです。

たとえば、「そのバッグの形が好き」「○○さんのお家、居心地がよくて好きです」「○○さんの会社の商品、大好きでよく使ってます」というように、その人が好きなものを一緒に「好き」と言えるのは幸せなこと。

ほかにも相手の性質を「○○さんのセンスが好き」「ノリのよさが好き」「その考え方、好きです」など限りなくあります。

「好き」に焦点を合わせていると、あたたかい好意の気持ちが自然に広がっていくのです。

■「あなたのおかげ」は、最高のほめ言葉

「頼んだ仕事、よくできていたよ」
 ↓
「○○さんにお願いしてよかった。ほんとうに助かったよ」

ここでご紹介するのは、さらに大きな幸せをもたらす“その人の存在”そのものに感謝する言葉。

「ほめ」を超越しているともいえます。

「○○さんがいてくれると心強いです」「○○さんのおかげです」「あなたに助けられました」「○○さんがいると、うれしいです」

これらはすべて人としての存在をほめたたえる言葉。

人はだれかのために存在することに最上の幸せを感じますが、いちばん幸せになれるのは、口にした本人でしょう。

「いろいろあっても、この人は、自分に影響を与え成長させてくれている」と感謝していると、その存在に価値を感じるようになります。謙虚な気持ちで敬意をもって接するようになり、自然にいいことが起こるのです。

感謝や謙虚さを忘れてしまうから、相手の言動を否定して愚痴や文句を言うようになり、存在を鬱陶しく感じるようになってしまいます。

心をきれいにしておくためにも「あなたがいてよかった」とほめたたえましょう。

とくに身近な人にはときどき「お母さんが産んでくれたおかげで、人生を楽しんでいるよ」「あなたがいてくれるだけで幸せ」など、感謝と喜びを伝えてみませんか。

■ほめられたら、「感謝+私メッセージ」でほめ返し

「いえいえ、○○さんのほうこそ素敵です」
 ↓
「ありがとうございます。○○さんにそう言っていただけると自信がつきます」

ほめられたときに、ほめ返すことが礼儀だと思っている人もいるのではないでしょうか。「素敵な服ね」とほめられて「○○さんの服も素敵ですよ」とほめ返しても、社交辞令のような感じになってしまったり、ほかのところをほめようとしても、なかなか見つからなかったり。

心がこもっていないと、「ほめ」は効果がないのです。

「ありがとうございます。うれしいです」と素直に感謝して喜ぶことこそ礼儀であり、相手もほめた甲斐があるというもの。感謝することは「あなたは、私を喜ばせてくれました!」と、ほめた人をほめ返していることになるのです。

また、謙遜のつもりで「そんなことはないです」「ほんとうに思ってます?」と否定するのも失礼。ほめ言葉は、相手からの好意のギフトなので、受け取り拒否をしているようなものです。

有川真由美『話し方を変えれば運はよくなる』(三笠書房)
有川真由美『話し方を変えれば運はよくなる』(三笠書房)

素直に「ありがとう」と受け取って、「うれしいです」とほめ言葉が与えてくれた効果や気持ちを「私(を主語にした)メッセージ」にして伝えましょう。

服をほめられたら「○○さんのようなおしゃれな方に言ってもらえて、自信がつきました」「これからおしゃれしてみようかな」、仕事をほめられたら「○○さんのご指導のおかげです。励みになります」「やる気がわいてきました」など「感謝+私メッセージ」で。

素直に喜ぶ人を、人はまたほめたくなるのです。

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有川 真由美(ありかわ・まゆみ)
作家
鹿児島県姶良市出身、台湾国立高雄第一科技大学応用日本語学科修士課程修了。化粧品会社事務、塾講師、衣料品店店長、着物着付け講師、ブライダルコーディネーター、フリー情報誌編集者など、多くの職業経験を生かして、働く女性へのアドバイスをまとめた書籍を刊行。内閣官房すべての女性が輝く社会づくり推進室「暮らしの質」向上検討会委員(2014-2015)。著書に『感情の整理ができる女(ひと)は、うまくいく』(PHP研究所)、『30歳から伸びる女(ひと)、30歳で止まる女(ひと)』(PHP文庫)、『好かれる女性リーダーになるための五十条』(集英社)、『遠回りがいちばん遠くまで行ける』(幻冬舎)などがある。

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(作家 有川 真由美)

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