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これを見極める"眼識"があるか…雑用的仕事で終わる人、ライフワークがある人のあまりに大きい人生落差

プレジデントオンライン / 2024年9月6日 15時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Erik Snyder

成果を出し続けられる人は何をしているか。ハイパフォーマンスコーチのブレンドン・バーチャードさんは「ハイパフォーマーは自分が有意味だと考える事柄により多くの時間を費やし、満足感を得る。多くのハイパフォーマーが『意味』をもたらすものとして挙げている事柄は『熱意』『人とのつながり』『満足感』『理にかなっている』の4つだ。自身にとっての有意味な人生とは何か、より有意味にするにはどうすべきかについて、自分自身の定義を模索することから始めるといい」という――。

※本稿は、ブレンドン・バーチャード『世界3万人のハイパフォーマー分析でわかった 成功し続ける人の6つの習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の一部を再編集したものです。

■何が自分の人生経験に意味をもたらすかを見極める眼識

ハイパフォーマーは、自分が心に決めたことなら、ほとんど何でもできてしまう。

だが、すべての山に登る価値があるわけではない。ハイパフォーマーが普通の人と違うところは、何が自分の人生経験に意味をもたらすかを見極める眼識だ。彼らは、自分が有意味だと考える事柄により多くの時間を費やし、それで満足感を得る。

私たちを空しい人生に閉じ込めるのは、長所の欠如ではなく、明白な動機の欠如だ。心を燃え立たせ、前進させてくれる、野心的な目的が欠けているとそうなる。有意味な人生を生きようとする努力は、心の健康につながる一大要因である。

だが、有意味の「意味」はなんだろう?

人が「働く意味」について語るとき、それはたいてい次の3つだ。

・作業そのものの楽しさ
・自分の価値観と仕事の一致
・仕事の成果から得られる充実感

人びとにとって何が有意味なのかを特定しようとする研究者たちは、あなたが、ある活動をどれほど重要と見なしているか、それにどれほど時間を費やしているか、どれほど力を注いでいるか、どれほど愛着を持っているか、低い報酬でもその仕事をするかどうか、といった切り口に焦点を当てる。

仕事の場合、あなたがそれを、ただの収入を得るための仕事と見なしているのか、重要なキャリアと見なしているのか、それとも天職と見なしているのかを見極めようとする。そして、明確なパーパスと人生全体の意義を結びつけることが多い。

■可能なかぎりの熱意を奮い起こすべき

さて、ハイパフォーマーたちの考える「意味」もこのようなものだろうか?

私たちは、HPI(Hogan Personality Inventory)のスコアが上位15パーセントに入った人の中から、1300人を無作為に抽出し、以下のような質問をした。

・何をもって、自分のしていることが有意味だと判断していますか?
・有意味なことをしているときはどのような気持ちになりますか?
・もし2つの良いプロジェクトのどちらかを選ぶ必要に迫られたら、どのような基準で、自分にとって最も有意味なプロジェクトを選びますか?
・何をもって、自分のしていることが人生に意味をもたらさないと判断しますか?
・何をもって、人生の終わりに、それが有意味な人生だったか判断しますか?

これらの質問は自由記述式だったため、私たちは、答えの中にパターンを探し出そうと隅々までチェックした。そして浮かび上がったのが、多くのハイパフォーマーが「意味」をもたらすものとして挙げていた4つの事柄である。

彼らが意味を感じている事柄その1は、「熱意」だ。たとえば、2つのプロジェクトのどちらかを選ぶ必要に迫られたら、自分が熱くなれるほうを選ぶと答えた人が多かった。この発見は他の研究結果とも一致する。

「熱意」は、満足度、ポジティブな情動、ネガティブな情動の少なさ、環境制御力(※1)、自己成長、ポジティブな人間関係、自己受容、人生の目的、エンゲージメント、意義、達成の独立予測因子(※2)であることがわかっているのだ。ポジティブな人生を望むなら、可能なかぎりの熱意を奮い起こすべきなのは明らかだ。

こうした研究結果に触発された私は、毎朝シャワーを浴びながら自分にこう問いかけている。「今日はどんなことに、ワクワクしたり熱くなったりできるか?」このシンプルな問いかけが、私の毎日への向き合い方を変えてくれた。あなたもぜひ試してほしい。

■人とのつながりに求めるのは「安らぎ」ではなく「刺激」

ハイパフォーマーが意味を感じる事柄その2は「人とのつながり」だった。社会的に孤立した人たちは、人生の意味を失ったと回答している。社会的な関係性――特に身近な人たちとのつながりが、人生の意味をもたらすという回答が最も多かった。

ハイパフォーマーたちも、皆と同じように、生活や仕事における人間関係を大切に思っている。ただハイパフォーマーに特徴的なのは、特に仕事で、人とのつながりに意味を見いだしていることが多い点だ。人とのつながりに、「安らぎ」を求めているのではなく、むしろ「刺激」を求めている。

言い換えれば、ハイパフォーマーは、互いに切磋琢磨できる仲間たちの中にいたほうが、仕事がより有意味に感じられるのだ。日常生活においても、たとえば、一緒にいて楽しいだけの人や、普通にやさしい人とつき合うよりも、自分を成長させてくれ、刺激となる人たちとのつきあいに価値を置く。

オフィスで働くアジアのビジネスマングループ
写真=iStock.com/itakayuki
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/itakayuki

ハイパフォーマーが意味を感じる事柄その3は、「満足感」だ。彼らは、自分のしていることに個人的満足感を覚えると、人生が有意味だと感じる。

一般的な人びとから、その人にとって何が「満足」をもたらすのかを聞き出すのは、彼らが「有意味」をどう定義しているのかを聞き出すのと同じくらい難しい。だが、ハイパフォーマーの場合、何が個人的満足感につながるのかという方程式がはっきりしているのだ。

彼らは、努力の対象が自分の主な情熱と一致すると、個人的あるいは仕事での成長につながり、他者にも明確でポジティブな貢献をすることができる。そんなとき、努力に満足感を覚え、努力のかいがあったと言うことが多い。

情熱+成長+貢献=個人的満足感

また、安心感、自律性(※3)、ワークライフバランスも、特に仕事における満足感に重要だという研究者もいる。

努力をした「意味」があったとハイパフォーマーに言わしめる事柄その4は、自分の人生が「理にかなっている」と感じられることだ。これを心理学用語で「首尾一貫感覚」という。これは、自分の人生――または最近の出来事――のストーリーが腑に落ちるという感覚を指す。

この首尾一貫感覚は、ハイパフォーマーにとってことさら重要らしい。彼らは、自分の努力が、重要性の高いものと一致しているか、自分の仕事が意味深いものであるか、自分の人生がレガシーを残し、より大きな目的の役に立つか、といったことにこだわっている。

この首尾一貫性を求める気持ちは、多くのハイパフォーマーにとって、自律性やワークライフバランスよりも大切らしい。

彼らは、自分のしていることが理にかなっており、より大きな全体に貢献していると感じられれば、コントロールやワークライフバランスの追求を後回しにすることもいとわない。

■人生に意味をもたらすものは何か、意識的・継続的に考える

ハイパフォーマーたちが何を有意味と見なしているかについては、さらなる研究が必要なのはたしかだ。しかし、私たちが行った研究は、第一歩として価値があると思う。わかりやすく説明するなら、このシンプルな方程式が役立つかもしれない。

熱意+つながり+満足感+首尾一貫性=個人的満足感
ブレンドン・バーチャード 『世界3万人のハイパフォーマー分析でわかった 成功し続ける人の6つの習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)
ブレンドン・バーチャード『世界3万人のハイパフォーマー分析でわかった 成功し続ける人の6つの習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)

有意味感を持つには、これらすべての要素が一度に揃わなければならないわけではない。ときには、部屋を歩く自分の子どもを見るだけで有意味感を得られる。

重要なレポートを仕上げるだけでも、すてきなデートに出かけたり、メンター・ランチを開いたりするだけでも、人生を有意味にすることができる。

重要なのは、人生に意味をもたらすものは何かを、もっと意識的、継続的に考える必要があるということ。

まずは、あなた自身にとっての有意味な人生とは何か、より有意味にするにはどうすべきかについて、自分自身の定義を模索することから始めよう。雑用的な仕事とライフワークの違いを学ぶことが、人生の目的を追求する第一歩になる。

※1 環境制御力……自分の心理状態や能力に適した環境を選択したり、つくり出したりする能力。
※2 独立予測因子……実験心理学の文脈における要因や、因子、原因となる変数。
※3 自律性……他者からの支配や制約を受けずに、自分自身で目標や規範を立て行動すること。

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ブレンドン・バーチャード ハイパフォーマンスコーチ、講演家
組織コミュニケーションの修士号を取得後、アクセンチュアでチェンジマネジメント・コンサルタントとして勤務。2006年、書籍の執筆、セミナーの主催、個人へのコーチング、オンライン講座の制作などのキャリアをスタートし、現在に至る。19歳のときに交通事故に遭ったのをきっかけに、自ら「人生のゴールデンチケット」と呼ぶ、2度目のチャンスを手にする。それ以来、人々が自分に課された責任に気づき、世界と意見を共有できるようにするために生涯をかけて尽力。人びとが並外れた人生を創造し、楽しむサポートをすることを使命として活動している。

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(ハイパフォーマンスコーチ、講演家 ブレンドン・バーチャード)

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