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直近のチャンスは10月12日午後…「見ると幸せになれる」ドクターイエローと確実に出合う方法を完全解説する

プレジデントオンライン / 2024年9月8日 9時15分

ドクターイエロー(米原―京都=2019年6月29日、滋賀県大津市) - 写真提供=hirose_photo_office/アマナイメージズ/共同通信イメージズ

2024年6月13日、JR東海とJR西日本はドクターイエローの引退を発表した。その車両を見るにはどうすればいいのか。鉄道ジャーナリストの梅原淳さんは「走行する日や行程は基本的には非公開だが、いくつか方法がある」という――。

■ドクターイエローを最も簡単に見る方法

ドクターイエローは走行日や時刻が基本的に公開されていない。そうしたドクターイエローに出合うチャンスを増やす方法を考えてみよう。

最も簡単に見る方法が実はある。JR東海は東京駅から新大阪駅までドクターイエローに体験乗車できるイベントを開催しているのだ。残念ながら、抽選制の体験乗車の申し込みは終了したが、行程は以下のとおり公表されている。

(※以下、JR各社が公表している時刻以外は、筆者の推測である。変更の可能性もあり、あくまで参考程度に見ていただきたい)

JR東海 2024年10月12日(土)
東京駅14時51分発、新大阪駅17時24分着 T5編成を使用の予定

時刻を見ると、直近では2024(令和6)年11月4日に運転となる東京駅発「のぞみ401号」とほぼ同じなので、途中駅の時刻は品川駅14時59分ごろ発、新横浜駅15時10分ごろ発、名古屋駅16時32分ごろ着、16時33分ごろ発、京都駅17時09分ごろ着、17時11分ごろ発と思われる。途中駅では単に停車するだけで乗客の乗り降りは実施されない。

■西日本で見る方法

なお、JR西日本も同月12日と15日に山陽新幹線でドクターイエローの体験乗車イベントを開催する。だが、集合場所とその時刻、それから解散場所と時刻しか発表されておらず、行程はわからない。筆者の推測を交えて紹介しよう。

JR西日本 2024年10月12日(土)T5編成を使用の予定
新大阪駅16時30分集合 博多駅22時00分解散予定

同日にJR東海はT5編成を使用した体験乗車イベントを開催し、新大阪駅は17時24分着と発表されている。新大阪駅での乗り降りに要する時間を5分と考えると、新大阪駅の発時刻は17時29分以降、博多駅着は21時50分ごろではないだろうか。

新大阪駅~博多駅間は4時間21分程度を要すると考えると各駅停車の「こだま」並みの停車駅で走行するうえ、途中の駅で10分程度の通過待ちを行うものと思われる。

JR西日本 2024年10月12日(土)T4編成を使用の予定
新大阪駅17時30分集合、博多駅22時15分解散予定

恐らくは新大阪駅18時30分ごろ発、博多駅22時10分ごろ着と推測される。新大阪駅~博多駅間が3時間40分を要すると考えると各駅停車の「こだま」並みの時刻で走行すると考えられる。

■10月15日のイベント行程を考える

JR西日本のドクターイエロー体験乗車イベントは10月15日にも開催される。

JR西日本 2024年10月15日(火)T5編成を使用の予定
博多駅7時30分集合、岡山駅12時15分解散予定

恐らくは博多駅8時30分ごろ発、岡山駅12時10分ごろ着と推測される。博多駅~岡山駅間が3時間40分を要すると考えると各駅停車の「こだま」並みの時刻で走行すると考えられるうえ、途中の駅で10分程度の通過待ちを行うものと思われる。

JR西日本 2024年10月15日(火)T4編成を使用の予定
岡山駅13時30分集合、博多駅18時30分解散予定

恐らくは岡山駅14時30分ごろ発、博多駅18時10分ごろ着と推測される。岡山駅~博多駅間が3時間40分を要すると考えると各駅停車の「こだま」並みの時刻で走行すると考えられるうえ、途中の駅で10分程度の通過待ちを行うものと思われる。

富士の裾野を走り抜けるドクターイエロー
写真=iStock.com/DoctorEgg
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/DoctorEgg

■資料から読み解いてみると…

検測が行われている列車を見る方法も考えた。難易度は高めである。

JR東海が発行した『新幹線の30年 その成長の軌跡』(1995年2月発行)や『東海道新幹線のあゆみ 「のぞみ」成長の軌跡』(2005年3月発行)など、大きな図書館で読むことのできる資料には歴史上の事実としてドクターイエローの大まかな行程が記されている。

現在の状況に当てはめ、筆者が実見のうえで推測した行路は次のとおりだ。

「のぞみ」ダイヤパターン 10日に1回 2日間の行程

1日目
大井車両基地(東京品川区)発~東京駅着・発~新大阪駅着・発~鳥飼車両基地(京都駅~新大阪駅間にある)着・発~新大阪駅着・発~博多駅着・発~博多総合車両所(博多南駅前にある)着

2日目
博多総合車両所発~博多駅着・発~新大阪駅着・発~鳥飼車両基地着・発~新大阪駅着・発~東京駅着・発~大井車両基地着

※1日目、2日目とも途中の停車駅は「のぞみ」に準じて品川・新横浜・名古屋・京都・岡山・広島・小倉の各駅に停車、姫路・福山・徳山・新山口の各駅に停車するかどうかは不明

時刻は1日目の東京駅の出発が10時台~13時台と推測される。日中の時間帯は営業列車の本数が減り、ドクターイエローのような特殊な役割をもつ列車を運転しやすいからだ。

■日中に走っている可能性が高い

この結果、「のぞみ」ダイヤパターンでは、新大阪駅に12時45分ごろ~15時45分ごろに到着し、鳥飼車両基地では新大阪駅との間を往復する時間を含めて約2時間を要して新大阪駅を14時45分ごろ~17時45分ごろに出発し、博多駅に17時30分ごろ~20時30分ごろに到着するとそれぞれ思われる。

2日目は1日目の裏返しとなるであろう。博多駅の出発が10時台ごろ~13時台ごろ、新大阪駅に12時45分ごろ~15時45分ごろに到着し、鳥飼車両基地では新大阪駅との間を往復する時間を含めて約2時間を要して新大阪駅を14時45分ごろ~17時45分ごろに出発し、東京駅に17時30分ごろ~20時30分ごろに到着するのではないだろうか。

「こだま」ダイヤパターン 3カ月に1回 2日間の行程

1日目
大井車両基地発~東京駅着・発~新大阪駅着・発~鳥飼車両基地着・発~新大阪駅着・発~博多駅着・発~博多総合車両所着

2日目
博多総合車両所発~博多駅着・発~新大阪駅着・発~鳥飼車両基地着・発~新大阪駅着・発~東京駅着・発~大井車両基地着

3カ月に1回の割合で「こだま」ダイヤとして各駅に停車する検測行程も組まれている。「のぞみ」ダイヤでは途中駅では通過線の検測しか行わないが、これでは待避線の検測が実施できないからだ。

興味深いことに「こだま」ダイヤでの検測が実施されるときでも「のぞみ」ダイヤでの検測は月に3回行われる。つまり、3カ月に1回はドクターイエローの検測が1カ月に4回、走行日数は8日間に増えるのだ。

■駅の案内表示の「回送」が意味すること

最近の「こだま」ダイヤの時刻は予想できない。「のぞみ」を中心に増発に次ぐ増発のなか、営業列車の「こだま」でさえ走りづらくなっているのに、そのうえ特殊な目的のドクターイエローを走らせられそうな時間帯を想像できないからである。

古い話だが、2000年代初めに筆者が目撃した時刻は次のとおりだ。

1日目は東京駅を9時台に出発し、新大阪駅に13時台に到着して鳥飼車両基地に向かい、新大阪駅に戻って15時台に出発して博多駅に20時台に到着する。

2日目は基本的に1日目の反対だが、博多駅発が8時台であった。新大阪駅に13時台に到着して鳥飼車両基地に向かい、新大阪駅に戻って17時台に出発して東京駅には21時台に到着している。

ドクターイエローが走行する際、駅の案内表示はどうなっているのか気になるだろう。2006年8月7日では「回送」と表示されていた。恐らく現在も同じであろう。

東京駅の案内表示器に「回送」と表示されたドクターイエロー使用の列車(2006年8月7日)
筆者撮影
東京駅の案内表示器に「回送」と表示されたドクターイエロー使用の列車 2006年8月7日 - 筆者撮影

ならば、普段は見ない回送列車であればドクターイエローかというと、東京駅、新大阪駅、博多駅とも営業用の車両が車庫に向かう際に「回送」と表示されるのでこれだけでは判断できない。

蛇足ながら、「のぞみ」ダイヤ、「こだま」ダイヤとも東京の大井車両基地をスタートして大井車両基地に戻る行程が組まれている。JR東海のT4編成、JR西日本のT5編成とも同じ行程で用いられ、両編成は1行程ごとに交代するという。

営業用の車両の場合、JR西日本が保有する車両はすべて博多総合車両所に配属となっていて、行程が終わると必ずここに戻るようになっている。しかし、T5編成だけは特別で、JR東海の大井車両基地が常駐先だという。何かの都合でT5編成を博多総合車両所に返す必要が生じた場合は回送される。

■車両基地を訪ねるという奥の手

肝心な点として、ドクターイエローが、ひと月に3回とか3カ月に1回の検測を行うとして、いったい何曜日に走っているかだ。これが一定していない。

基本的に1日目の東京駅発が月曜日から金曜日までの平日のいずれかと言えるだろう。となると2日目には土曜日が含まれ、反対に月曜日はなく、日曜日は1日目、2日目ともに走らないとか、祝日も同じように走らないと推測されるのだが、そうでもないとの目撃談もある。こればかりは運を頼りにするほかない。

いつ走っているのかわからないのであれば、逆に走っていなくてもよいからドクターイエローの常駐先、つまり車庫を訪ねる方法もある。

大井車両基地に停車中のドクターイエロー 2005年7月19日
筆者撮影
大井車両基地に停車中のドクターイエロー 2005年7月19日 - 筆者撮影

東海道・山陽新幹線には東京の大井車両基地、大阪の鳥飼車両基地、福岡県の博多総合車両基地と大規模な車庫が3カ所にあるのは先に示したとおりだ。先述のとおり、T4編成、T5編成とも大井車両基地に滞泊していることが多い。

当然ながら車両基地では一般見学は受け付けていないので、基地の外側から見る方法を紹介する。

アクセス方法は、大井車両基地が東京モノレール大井競馬場駅から東に約1キロ、徒歩20分ほどの大井中央陸橋が便利だ。

基本的に大井車両基地に行けばT4編成、T5編成のどちらかに合えるはずだが、定期検査を受けるなどで建物の中にいたり、別の場所にいるときもあるので、あきらめも肝心だ。

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梅原 淳(うめはら・じゅん)
鉄道ジャーナリスト
三井銀行(現三井住友銀行)に入行後、雑誌編集の道に転じ、「鉄道ファン」編集部などで活躍。2000年からフリーに。

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(鉄道ジャーナリスト 梅原 淳)

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