2020年五輪を東京へ、経済効果は3兆円 -東京2020オリンピック・パラリンピック招致委員会理事長 竹田恆和氏
プレジデントオンライン / 2013年2月25日 14時15分
今年9月に迫った、2020年のオリンピック・パラリンピック開催都市決定。その陣頭指揮を執る招致委員会の竹田恆和理事長に、招致への意気込みを聞いた。
――招致活動の現状はどうですか
1月7日に立候補ファイル(詳細な大会開催計画文書)をIOCに提出し、国際プロモーション活動も解禁となりました。今後は国内の招致機運を高めていくことと同時に、すでに高い評価をいただいている東京の計画の素晴らしさと都市力・プレゼンスを世界中に強く訴えていきます。
また100名強のIOC委員に、9月7日のIOC総会で東京に投票していただけるよう、各種スポーツの国際大会や国際会議で働きかけたり、より良いプレゼンテーションができるよう準備を進めているところです。3月4~7日には、立候補都市が適正に大会運営ができるかを評価し、IOC委員への報告書をまとめるための評価委員会が来日し、会場予定地などを視察しますので、良い報告をしてもらうための準備も行っています。
――招致することの意義、メリットにはどのようなものがありますか
まず、次世代の日本を担う子供たちに、オリンピック・パラリンピックを通じて「未来への夢を持つ」ことを経験させてあげたい。私自身、1964年の東京オリンピックを実際に見て、感動と興奮を覚えたことを記憶しています。20年にオリンピック・パラリンピックを東京で開催することで、ぜひとも今の子供たちにも、将来に向けたスポーツの夢と感動を感じ取ってほしいと思います。
64年に建設された様々な競技場やスポーツ関連施設は、これまで多くの日本のスポーツの最前線を支え、活躍してきました。これらは今なお皆様に利用されている素晴らしい施設ですが、現状の国際競技大会の基準に合致しないものも出てきています。子供たちが今後活用できる施設にリニューアルするためにも、20年オリンピック・パラリンピックを開催することが最も有効だと考えています。
2つ目は、東日本大震災からの復興を支援するということです。震災後、世界中の国々から被災地へ支援の手が差し伸べられました。被災地が復興している姿を世界中に見ていただくことが、支援に対する感謝・恩返しになるのではないかと考えております。具体的には、宮城でのサッカー予選の実施や、三陸での聖火リレーを計画しています。大会成功に向けて、準備段階から多くの被災地の方々に関わっていただきたいと思っています。
また、経済波及効果・雇用創出効果もメリットです。東京都だけでも約1兆6700億円、日本全体では約2兆9600億円もの経済波及効果、約15万人の雇用増も予想されています。これが景気回復の起爆剤となり、日本全体に活力を与える一大イベントになると考えます。
――招致に対する支持が高まらないと言われる現状についてどうお考えですか
IOCが昨年5月に発表した支持率調査では、東京は47%という数字でした。しかし、その後のロンドンオリンピック・パラリンピック競技大会での日本代表選手団の大活躍(過去最多38個のメダル獲得)や、銀座での50万人パレードなどにより、大会開催後の招致委員会独自の調査では支持率が66%まで上昇しています。より多くの国民の皆様の支持を得られるよう、テレビ・新聞・雑誌等様々なメディアで大会開催の意義と素晴らしさをご説明することにより、支持率を高めていきたいと考えております。
――今後、具体的にはどのようなサポートを企業や市民に期待されますか
3月に評価委員会の来日、6~7月にはプレゼンテーションがあり、9月にはいよいよ開催都市が決定いたします。まずは3月の評価委員会に向けて、日本人が持つ「おもてなし」の心を十分に示せるよう、国民が一体となって評価委員会を出迎えていただきたいです。また招致決定まで9カ月弱となりましたが、企業・市民問わず引き続き招致活動を応援していただき、日本全体で招致機運を盛り上げていただきたいと思います。
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竹田恆和
1947年生まれ。70年 慶應義塾大学法学部卒。72・76年、オリンピック馬術競技に出場。01年、日本オリンピック委員会(JOC)会長就任。02年、ソルトレークシティー冬季オリンピック大会日本代表選手団長。04年、アテネオリンピック大会日本代表選手団長。11年より現職。12年、国際オリンピック委員会(ICO)委員就任。
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(東京2020オリンピック・パラリンピック招致委員会理事長 竹田 恆和 プレジデント編集部=構成)
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