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「高給」エーザイ1109万、武田943万、花王811万 -年収&生涯賃金2012【医薬・化学・繊維】

プレジデントオンライン / 2013年3月7日 9時45分

年収・生涯賃金一覧

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年収データは東京商工リサーチ。2012年6月末時点の有価証券報告書を集計。医薬品、化学、繊維製品に分類された326社から抽出した。業界トップは三菱系の総合化学持ち株会社の三菱ケミカルホールディングス1249万(平均年齢47.0歳、従業員数48人)。

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■景気に左右されない医薬品業界

他業種がうらやむ好調を維持しているのが、医薬品業界だ。新薬の研究・開発に取り組む製薬メーカーが加盟する日本製薬工業協会の仲谷博明専務理事はこう説明する。

「本来、景気にあまり左右されない業界です。逆に言えば、バブルでも踊らない堅実な業界といえます」

その医薬品業界は、これまで自動車、電気に次いで担税力が3番目だったが、リーマン・ショック、ギリシャ危機など世界経済が混沌としたため、自動車・電気が不振に陥り、医薬品がトップの担税力を誇るようになった。さらに今後、期待が寄せられるのは、政府が発表した日本再生戦略。ライフ・イノベーションの中で医薬品は「日本発の革新的な医薬品の創出につながる研究開発推進」と、さらなる保護・育成による世界戦略に組み込まれている。仲谷専務理事は語る。

「国内活動を円滑にするため法人税減税の施策や、“研究開発税制”の拡充を認めてもらうよう政府に働きかけていきます」

1つの特許を得て新薬ができれば、世界で勝負できる産業形態だけに、今後の開発競争は一層熱を帯びると見られる。そんな業界各社は、2010年問題を切り抜けておおむね好調だ。業界1位の武田をはじめ、エーザイ、キョーリン、第一三共など大手各社は2桁の伸びとなっている。

繊維業界は一時期の低迷を乗り越え、好調な企業が多い。生産拠点が中国からASEAN、南アジア地域へと分散化が進み、低価格での安定供給を可能にした。販路としてもアジア各国に広がりを見せる。オンワードや帝人などは企業のスリム化が進み、大幅な年収増を実現している。

化粧品業界は、2011年の東日本大震災以降、通販を含めすべての販売チャンネルで前年割れを余儀なくされたにもかかわらず、善戦。“王者”花王は、堅調な伸びを示した。ところが、女性の化粧品人口は、ピーク時の00年で5000万人を超えていたが、今後は減少傾向を辿り、40年には3700万人という試算もある。業界全体で、ブランドの確立とターゲットを絞り込んだ商品の開発、また現在展開しているアジア戦略の一層の充実が課題となりそうだ。

化学業界は震災以降、原料価格の高騰などで収益が圧迫され、今夏の電気料金値上げが追い打ちをかけると見られ、今後の業績は先行き不安。そんな現状を、日本化学工業協会の藤吉建二会長(三井化学会長)は「東電のようにコスト上昇分をそのまま売値に変えられる業界はうらやましい」と皮肉たっぷりに話す。さらに中国の景気減速が今後急激に業績に悪影響を及ぼしそうな気配だ。

とはいえ、富士フイルムは堅調さを示し、業界内では抜きん出た高給額を維持。旭化成は78万円増と大幅な伸びを示した。

※すべて雑誌掲載当時

(ジャーナリスト 山田 厚俊 ライヴ・アート=図版作成)

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