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「おぼれそうになりながら必死で前に進んでいる」-中村知春

プレジデントオンライン / 2013年3月15日 11時15分

なかむら・ちはる 1988年生まれ。法政大学キャリアデザイン学部卒。女子ラグビー界では長い歴史を持つ社会人クラブチーム「Phoenix」(2002年創設)に所属。広告会社勤務の会社員でもある。

■中村知春(ラグビー女子7人制日本代表主将)

今や上昇気流に乗る女子ラグビーの7人制日本代表の主将である。目標は2016年リオデジャネイロ五輪金メダル。そこまでの道のりを航海に例えてもらったら、中村知春は笑って両手をばたつかせた。

「目的地はリオと決まった。おぼれそうになりながら必死で息継ぎをしながら前に進んでいる感じです」

それでも航路は見えている。「ジャパン丸」エンジンの排気量は大きくないけれど、機動力には長けている。船長役の浅見敬子ヘッドコーチ以下、船員となるメンバーもほぼ固まってきた。団結力も強まった。

「死にそうな練習を何回も乗り越えてきたので、その分、深いところでみんながつながっています。それぞれが強くなってきた。たとえ1人で勝てなくても、7人でならどんな相手にでも勝てます」

チームワークを大事にする。モットーが『練習はうそをつかない』である。実は法大4年までずっと、バスケットボールをしていた。ポジションはガードで、相手にすぐぶつかってファウルをとられてしまうタイプだったそうである。

4年の冬にバスケット部を辞めた後、ラグビーのクラブチームに入った。フィットネスや闘争心がラグビー向きだったのだろう、すぐに日本代表の候補合宿に呼ばれた。162センチ、63キロ。昨年7月には主将に指名された。

昨年秋のワールドカップ(W杯)アジア地区予選で3位となり、ことし6月のW杯(モスクワ)の出場権を獲得した。2月の米国遠征では、初めて本格的な世界大会にも参加、強豪の米国、カナダなどにも健闘した。

「自分たちの成長を実感できました」

まだラグビーに転向して2年余しか経たない。ラグビー技術をマスターしたかと問えば、24歳は笑いだした。

「まだ全然です。ラグビーの奥深さに触れ、まだまだだなと思います」

3月下旬の香港セブンズ、中国(広州)セブンズに挑み、6月のW杯で優勝を目指す。来年はリオ五輪予選がやってくる。今後、ジャパンの航海には高い波もやってこよう。

「やることは決まっている。走って、当たって、倒して、起きて……。ひとり一人を強くしていきつつ、チームワークという大きな柱を育てていきたい。目標に向け、まっすぐ進んでいきたい」

(ノンフィクションライター 松瀬 学 荒川祐史=撮影)

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