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女子ラグビー原わか花「反対されるかも…」親戚一丸で祖父に隠した高校からのラグビー挑戦【パリ五輪を目指す注目女子アスリートの履歴書】

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年5月14日 8時0分

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原わか花(C)共同通信社

【パリ五輪を目指す注目女子アスリートの履歴書】

 原わか花
 (女子ラグビー/24歳・東京山九フェニックス) 第2回

  ◇  ◇  ◇

 ラグビーに挑戦するため、生まれ故郷の新潟を離れ、島根にある石見智翠館へ入学した。

 ただし、「反対されるかもしれない」という理由で父方の祖父には内緒にしていたという。

「親戚の方たちも協力してくれました。例えば、2年になる春、ニュージーランドへ半年間の留学が決まった際は、NHKがウチのラグビー部を取り上げてくれたんです。もしかしたら祖父がテレビで目にするかもしれない──。そうなったら大変です。番組の放送日は、母方の祖父母が(父方の)祖父宅に押し掛けて、テレビのないカフェに連れ出してくれたり(笑)。それ以外にもみんなの協力があったから、ラグビーに専念することができました」

 中学時代はバレーボールに打ち込み、ラグビーは素人同然だった。石見智翠館は「検索したら一番上に出てきた」(前回参照)ような名門中の名門。初心者はまずおらず、練習メニューは経験者向けに作られていて、ミーティングでは専門用語も飛び交う。最初の1年は「ついていくだけでも必死だった」と振り返る。

 転機になったのは、希望制で参加できる学校のプログラム、前述のニュージーランドへのラグビー留学だった。

「基礎ができていないまま応用練習をしていたので、このままじゃいけない、と。思い切って留学を決めました。ニュージーランドで基本をイチから学ぶことができて、そこで初めてラグビーの楽しさを体感したんです。楽園のような場所でした(笑)。同時に、なぜ自分がラグビーをしているのかを考えるきっかけにもなった。言葉にするのは難しいけど、海外の選手は『誰かのため』にプレーしている人が多いんです。それがなんだかラグビーの本質のような気もして。競技との向き合い方が大きく変わりました」

 ラグビーはニュージーランドの国技になっているだけに、そこかしこに競技場がある。年がら年中、プロ、アマ問わずに試合が行われ、国民の生活の一部になっている。

「試合中に散歩中だった犬が乱入することもザラにあるくらい、誰でも気軽に観戦できる環境でした」

“楽園”から戻ってきた原は、不意に厳しい現実を突きつけられることになる。後に祖父に秘密を打ち明けることになるが、それはもう少し先の話だ。(つづく)

▽原わか花(はら・わかば) 2000年1月6日、新潟県新潟市生まれ。石見智翠館高(島根)でラグビーを始め、3年時に日本代表入り。慶大に進むと、学校の体育会には所属せずに東京山九フェニックスに入団。21年東京五輪に出場した。好きな食べ物は新潟県の特産品であるサーモンの塩辛と白米。

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