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難しい英単語を使うよりも好印象…世界のエリートは知っている「place/save/change」の使いこなし術

プレジデントオンライン / 2024年12月29日 8時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/sanjeri

ビジネスで英語を使いこなすためには、難しい英単語を覚えなければならないのか。製造メーカーでグローバル経営企画に携わり、社会人のための英語コーチも務めるはじさんは「難しい単語や豊富な語彙を使うことが重要と思われがちだが、実際には基本的な単語の“使いこなし方”が効果的な表現を生み出している」という――。

※本稿は、はじ『世界の非ネイティブエリートはたった100語で話している』(SBクリエイティブ)の一部を再編集したものです。

■「economize」は「save money」で伝わる

ビジネスや日常のコミュニケーションにおいて、難しい単語や豊富な語彙を使うことが重要だと思われがちですが、実際には基本的な単語の「使いこなし方」が効果的な表現を生み出します。

相手に伝わりやすく、理解されやすいコミュニケーションをとるためには、馴染みのある単語で的確なニュアンスを伝える工夫が欠かせません。

例えば、「commission(発注する)」や「economize(節約する)」といったビジネス用語も使えますが、簡単な表現に言い換えると、「place an order」や「save money」など、シンプルな言い回しでも十分に伝わります。こうした工夫は、相手に親しみやすさを感じさせ、言葉の壁を低くする効果もあります。

単語量が少なくても、組み合わせや言い回し次第で伝えられる範囲は広がります。

基本単語であるplace、save、changeの使いこなし方を紹介していきます。

■「place」 配置する、発注する、評価する…

実はplaceという単語の意味は「場所」だけではありません。こんなにもたくさんの意味があり、難しい単語を使うよりも、この一つでとても応用が利く単語なのです。1つずつ見ていきましょう。

「place」の意味
画像=『世界の非ネイティブエリートはたった100語で話している』
コアイメージ:場所

placeは「配置する」「発注する」「評価する」など、多くの意味で使われます。「場所」という根本のイメージから派生して、ものの移動や、会社組織のなかの状態など、さまざまなシーンに応用できる単語です。

表現できる意味①:配置する(locate)

「配置する」の動詞表現はlocateと言います。ここはlocateを使わず、The IT department will placeとすれば、「IT部門は配置します」の意味を、シンプルに表現できます。

「IT部門はサーバーを主要なデータセンターに配置します」
難単語 The IT department will locate the servers in a main data center.

言い換え The IT department will place the servers in a main data center.
表現できる意味②:発注する(commission)

「発注する」の意味の難単語はcommissionです。commissionの代わりに、placeを使った応用表現place an order forに置き換え、Our team will place an order for a market research report.とします。commissionはplace an order forと同じ意味を自然に表現することができます。

「私たちのチームは市場調査報告書を発注します」
難単語 Our team will commission a market research report.

言い換え Our team will place an order for a market research report.

■「評価する=rate」も「place」に置き換えられる

表現できる意味③:評価する(rate)

難しい単語のrateを使った例文。このrate【rated】を、placeを組み込んだ表現place【placed】good value onに置き換えます。rateと同じ「評価する」の意味を表現することができます。

「顧客は当社のサービスを高く評価しました」
難単語 The clients rated our service.

言い換え The clients placed good value on our service.
表現できる意味④:電話を掛ける(telephone)

「電話を掛ける」という動詞表現に使う難しい単語は、telephoneです。これもplaceを組み込んだplace a call toに置き換えられます。Please place a call to the support team.で、「サポートチームに電話を掛けてください」の意味を取ることができます。

「サポートチームに電話を掛けてください」
難単語 Please telephone the support team.

言い換え Please place a call to the support team.
表現できる意味⑤:場所(property)

名詞で使うpropertyは、「場所」の意味になります。ここも比較的難しいpropertyを使わずとも、placeを用い、We are planning to acquire a new place.と簡単に言い換えられます。

「私たちは新しい場所を取得する計画を立てています」
難単語 We are planning to acquire a new property.

言い換え We are planning to acquire a new place.

placeは一般的によく使用される単語なので、言い換えることで伝えたいことが理解されやすくなります。

例えば、「commission」には「発注する」以外にも「委任する」や「任命する」という意味があり、文脈によっては解釈に迷いが生じることがあります。

「place an order」のほうが、誤解が少なく、シンプルな表現です。

続いて、saveの使いこなし方を見ていきましょう。

■「save」 救う、保存する、貯金する…

「save」という単語にも、こんなにもたくさんの意味があり、難しい単語を使うよりも、この一つでとても応用が利く単語なのです。1つずつ見ていきましょう。

「save」の意味
画像=『世界の非ネイティブエリートはたった100語で話している』
コアイメージ:失わないようにする

saveは「救う」「保存する」「貯金する」などの意味で使われます。財産や組織、人の命、大切な何かを失わないように保っておく状態を表現するのに、便利に使える単語です。

表現できる意味①:救う(rescue)

「救う」の難しい単語は、rescueです。「救う」というのはrescue【rescued】でなくても、save【saved】で同じ意味が表現できます。

「社長のビジョンが会社を救いました」
難単語 The CEO’s vision rescued the company.

言い換え The CEO’s vision saved the company.

■あえて簡単な単語を使うことで好印象を与える

表現できる意味②:保存する(preserve)

「保存する」は難単語でpreserveと言います。このpreserveを使わなくても、「保存する」はsaveで表現できます。It’s important to save copies of all contracts.で、同じ意味の文章になります。

「すべての契約書のコピーを保存しておくことが重要です」
難単語 It’s important to preserve copies of all contracts.

言い換え It’s important to save copies of all contracts.
表現できる意味③:貯金する(accumulate)

「貯金する」は難しい単語でaccumulateを使います。このaccumulateもsaveで代用が可能で、I’m trying to save some money for a vacation.と、同じ意味での置き換えができます。

「休暇のために貯金しようとしています」
難単語 I’m trying to accumulate some money for a vacation.

言い換え I’m trying to save some money for a vacation.
表現できる意味④:守る(protect)

「守る」の意味を表す難しい単語にはprotectがあります。このprotectという単語も、saveで「守る」という同じ意味を表現できます。He worked hard to save his reputation.で、非ネイティブエリートらしい「守る」の言い回しを表現できます。

「彼は自分の評判を守るために一生懸命働きました」
難単語 He worked hard to protect his reputation.

言い換え He worked hard to save his reputation.
表現できる意味⑤:節約する(economize)

「節約する」の難単語はeconomizeと言います。このeconomizeの「節約する」は、save moneyで言い換えることができます。I started using public transportation to save money.と、同じ意味での非ネイティブエリート表現にしましょう。

「節約のために公共交通機関を使い始めました」
難単語 I started using public transportation to economize.

言い換え I started using public transportation to save money.

「economize」「accumulate」「preserve」はややフォーマルな語彙であり、場合によっては文章が堅苦しくなることがあります。

一方、「save」を使うと、簡潔で読みやすい表現となり、親しみやすい印象を与えられます。

このように非ネイティブエリートたちは、あえて簡単な単語を使い、相手との信頼関係を築いています。

最後に、changeを使った表現の仕方を紹介していきます。

■「change」 変更する、変動する、着替える…

「change」という単語にも、こんなにもたくさんの意味があり、難しい単語を使うよりも、この一つでとても応用が利く単語なのです。1つずつ見ていきましょう。

「change」の意味
画像=『世界の非ネイティブエリートはたった100語で話している』
コアイメージ:別のものに変える

語源のイメージは「変える」です。そこから派生して「変更する」「変動する」「両替する」など、イメージと重なりやすい表現に応用できます。例えば、ふたつの図があるとして、図A→図Bとシンプルに変わる状態をchangeと表す、みたいな解釈をしてもらえると、覚えやすいでしょう。

表現できる意味①:変更する(alter)

「変更する」の単語にはalterがありますが、これも少し難しい表現です。普通の会話なら、changeで問題なく同じ意味として伝えられます。

「パスワードを変更する必要があります」
難単語 I need to alter my password.

言い換え I need to change my password.
表現できる意味②:変動する(fluctuate)

fluctuateは「変動する」という意味ですが、会話のなかではやや難しいので、ここもシンプルにchangeに置き換えられます。

「株価は毎日変動します」
難単語 The stock prices fluctuate daily.

言い換え The stock prices change daily.
表現できる意味③:着替える(dress)

「着替える」はdress【dressed】で表現されます。He quickly dressed in his work uniform.で「彼は素早く仕事用の制服に着替えました」という意味になります。changeを覚えておけばdressと同じ意味で、He quickly changed into his work uniform.と、こなれた表現に変えられます。

「彼は素早く仕事用の制服に着替えました」
難単語 He quickly dressed in his work uniform.

言い換え He quickly changed into his work uniform.
表現できる意味④:乗り換える(transfer)

「乗り換える」の英単語はtransferです。これも意味を複数持っているchangeで代用できるので、自然にHe couldn’t change trains in time.と置き換えられます。

「彼は時間内に電車を乗り換えることができませんでした」
難単語 He couldn’t transfer trains in time.

言い換え He couldn’t change trains in time.
表現できる意味⑤:両替する(convert)

convertは「両替する」の意味で使われますが、英語のなかでは難単語にあたります。これも簡単に意味が通じるchangeに代えるのが良いでしょう。

「この100ドル札を日本円に両替していただけますか?」
難単語 Could you convert this $100 bill into yen for me?

言い換え Could you change this $100 bill into yen for me?

「change」は「別のものに変える」というコアイメージを持ち、シンプルでわかりやすく、幅広いレベルの英語話者に理解されやすい表現です。

一方、「fluctuate(変動する)」のようなややフォーマルな単語は、専門的に感じられるため、非ネイティブや専門用語に慣れていない相手には伝わりにくくなる場合があります。

■非ネイティブエリートは「単語を使いこなす」能力が高い

はじ『世界の非ネイティブエリートはたった100語で話している』(SBクリエイティブ)
はじ『世界の非ネイティブエリートはたった100語で話している』(SBクリエイティブ)

世界で活躍している非ネイティブエリートたちは、たくさんの単語を覚えるのではなく、基本単語を上手に「使いこなす」能力に長けています。

やさしい単語で表現することで、コミュニケーションの誤解が生じずに、物事がスムーズに進むと理解しているからです。

日常でもビジネスのシーンでも、相手との信頼関係が大切です。

信頼関係の重要性を理解しているからこそ、あえてわかりやすい単語を使い、工夫しながら表現しています。

非ネイティブエリート流の基本単語の使いこなし方をマスターして、世界で通用する英語を身につけていきましょう。

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はじ(はじ)
社会人のための英語コーチ
1992年生まれ、愛知県出身。TOEIC355点から国内独学で英語学習に取り組み、TOEIC935点を達成。大手旅行会社で海外セールスとして、全国トップ5のセールスマンになり、新人賞を受賞。現在は製造メーカーでグローバル経営企画に所属し、海外子会社4拠点の経営管理に従事。認定英語コーチ資格を取得し、諦めずに英語を学び続けた経験やグローバルでのビジネス経験をもとに、英語コーチとして活動。英語を身につけたいビジネスパーソンに向けて、オンライン英語コーチングを提供。伸び悩んでいたTOEICスコアが3カ月で600点→830点と230点UPした生徒やビジネス英語を習得して外資系企業への転職を成功させた生徒を多数輩出。指導実績が評価され、大企業の語学研修での英語コーチング実績あり。目標達成に向けたポジティブで的確なコーチングが好評で、顧客満足度は5段階中4.7評価を獲得。社会人からの英語学習と習慣化のコツを発信するXのフォロワー数は1万人を超える。

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(社会人のための英語コーチ はじ)

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