「新NISAで資産1億円も夢ではない」2024年の大ヒット本に学ぶ"投資初心者でも理解可能なリアルすぎる戦略"
プレジデントオンライン / 2024年12月30日 10時15分
■要約サービス「2024年のビジネス書」ベスト20
第2位:『「説明が上手い人」がやっていることを1冊にまとめてみた』(ハック大学 ぺそ著、アスコム)
第3位:『無くせる会社のムダ作業100個まとめてみた』(元山文菜著、クロスメディア・パブリッシング)
第4位:『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』(三宅香帆著、集英社)
第5位:『頭のいい人が話す前に考えていること』(安達裕哉著、ダイヤモンド社)
第6位:『デンマーク人はなぜ4時に帰っても成果を出せるのか』(針貝有佳著、PHP研究所)
第7位:『新版 科学がつきとめた「運のいい人」』(中野信子著、サンマーク出版)
第8位:『きみのお金は誰のため』(田内学著、東洋経済新報社)
第9位:『ユニクロ』(杉本貴司著、日本経済新聞出版)
第10位:『本当の自由を手に入れる お金の大学』(両@リベ大学長著、朝日新聞出版)
第11位:『完訳 7つの習慣』(スティーブン・R・コヴィー著、フランクリンコヴィージャパン訳、キングベアー出版)
第12位:『なぜ「若手を育てる」のは今、こんなに難しいのか』(古屋星斗著、日本経済新聞出版)
第13位:『罰ゲーム化する管理職』(小林祐児著、集英社インターナショナル)
第14位:『なぜか話しかけたくなる人、ならない人』(有川真由美著、PHP研究所)
第15位:『賢い人のとにかく伝わる説明100式』(深谷百合子著、かんき出版)
第16位:『職場を腐らせる人たち』(片田珠美著、講談社)
第17位:『聞き方の一流、二流、三流』(松橋良紀著、明日香出版社)
第18位:『脳をしっかり休ませる方法』(茂木健一郎著、三笠書房)
第19位:『やることを8割減らすダンドリ術』(飯田剛弘著、大和書房)
第20位:『このプリン、いま食べるか? ガマンするか?』(柿内尚文著、飛鳥新社)
※本の要約サービス「flier」の有料会員を対象にした、2024年の閲覧数ランキング
■新NISAを完全攻略できれば資産1億円も夢ではない
2024年の第1位に輝いたのは、『【新NISA完全攻略】月5万円から始める「リアルすぎる」1億円の作り方』。2024年の上半期ランキングでも第1位を獲得しており、1年を通してflierユーザーから厚い支持を受けたことがわかります。
著者は、金融・起業のマネースクールの代表を務め、SNSでは「ライオン兄さん」として多くのファンを抱える山口貴大さん。
山口さんは本書で「新NISAをするかしないかであなたの人生は大きく変わります!」と断言しています。その理由は、新NISAを“完全攻略”できれば、資産1億円も夢ではないから。
そう言われても多くの人は半信半疑で、「毎月まとまった金額を投資に回す余裕はないから、資産1億円なんて夢のまた夢」と尻込みしてしまうでしょう。ですが本書を読み、毎月5万円からでも資産1億円を目指せると知れば、考えが変わるはずです。
本書の基本戦略は、生涯にわたって非課税投資できる金額の上限である1800万円をできるだけ早く入金し、長期で複利運用して資産を大きく育てること。意外とシンプルなので、投資初心者でも理解しやすく、アクションに移しやすいのもポイントです。
年末年始の休暇中、本書をお供に、今後のライフプランをじっくり検討してみてはいかがでしょうか。
■説明が上手いと「仕事ができる人」に見える
第2位は『「説明が上手い人」がやっていることを1冊にまとめてみた』でした。2022年7月に要約を公開して以降、2022年、2023年、2024年と3年連続でベスト10にランクインしています。
早く評価を得る方法がある。それは説明上手になることだ――。
外資系金融機関勤務の著者、ハック大学 ぺそさんは本書の冒頭で、説明力の重要性をこのように協調します。その理由は、説明が上手いと「仕事ができる人」「頭がいい人」に見えるからです。
本書ではその前提のもと、ハック大学 ぺそさんがこれまで出会った「説明が上手い人」たちの説明術をまとめています。
そのうちの一つが「差分を1分で話す」。知っている内容を全て話そうとするのではなく、新たに起きた出来事のうち、自分は知っているけれど相手は知らない「差分」だけを1分で説明するのです。当たり前といえば当たり前の説明術ですが、意外と実践できておらず、「……つまり?」「それはこの前に聞いたけど?」と突っ込まれがちな人も多いのではないでしょうか。
「頑張っているのに、なぜか認められない」「自分の意見はなぜ受け入れられないのだろう」……そんなふうにモヤモヤしているあなたの弱点は「説明力」にあるのかもしれません。本書を熟読して「説明が上手い人」に生まれ変わり、新年のスタートダッシュを切りましょう。
■会社の「ムダ作業」は減らすことができる
第3位は、『無くせる会社のムダ作業100個まとめてみた』でした。業務コンサルタントの元山文菜さんが、仕事において発生しがちな「ムダ作業」を100個挙げ、それぞれの解決策を示した一冊です。
ムダの一例として紹介したいのが「何度も説明」。いろいろな人から何度も同じ質問をされ、対応に時間を取られてモヤモヤしてしまうことはありませんか?
本書によると、誰かの質問に対応している時間は、自分のキャリアやスキル、成果には結びつかない「他人のための時間」。ビジネスパーソンとしてステップアップしたいなら、「他人のための時間」は削り、浮いた時間を「自分のための時間」に回しましょう。
「何度も説明」を撲滅するために取り組みたいのが、質問を1カ所にまとめて管理する「FAQ一覧」を作ること。FAQ一覧の作成には時間がかかりますが、一度作ってしまえば、今後誰かに質問されても「FAQをご確認ください」と言うだけでOKです。
2025年を成長と自己投資の1年にしたいなら、本書を読んで「自分の周囲にはどんなムダ作業が存在しているだろう?」「ムダ作業を減らすには?」と考えてみてはいかがでしょうか。
■今年あまり本が読めなかった人におすすめの1冊
続いて、4位以下から、注目の書籍をご紹介します。
第4位は、2024年に一大ブームを巻き起こした『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』でした。文芸評論家の三宅香帆さんが、近代以降の日本における労働史と読書史を紐解きながら「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」という問いの答えを導き出した意欲作です。
「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」の答えを一言で要約すると「本はノイズ込みの情報にあふれたメディアであり、多忙になるとノイズ込みの情報を得る余裕がなくなるから」。そう言われると、多くの人は「なるほど、自分もそうかもしれない」と思うのではないでしょうか。
三宅さんによると、「ノイズ込みの情報」は本だけではありません。映画や舞台なども「ノイズ込みの情報」に含まれます。そう、あなたが最近映画を観られていないのは、単に時間がないからではありません。ノイズを楽しむ余裕がないのが理由なのです。
三宅さんは本書の結びとして、「働きながら本を読める社会」をつくるために「半身で働こう」と提案しています。今年あまり本が読めなかった人は、ぜひ本書を年末年始の課題図書にして、2025年の働き方や生き方をじっくり考えてみてください。
■成長実感が得にくいと若手は去っていく
第12位の『なぜ「若手を育てる」のは今、こんなに難しいのか』にもご注目ください。
本書の著者である古屋星斗さんは、次世代社会のキャリア形成の研究者。前著『ゆるい職場』では、職場を「ゆるい」と感じている新入社員の離職傾向が強いことを指摘し、読者を驚かせました。本書ではさらに一歩踏み込んで、若手が活躍できる職場のつくりかたを提案しています。
古屋さんによると、今時の若手は、「自分は別の会社や部署で通用しなくなるのではないか」という「キャリア不安」を抱くと、成長実感の得にくい「ゆるい職場」を去ることがあります。つまり、若手の離職を防ぎたいなら、適切な成長機会を与え、キャリア不安を取り除いてあげることが重要なのです。
具体的には、次の4つのアプローチが効果的です。
(1)囲い込まず、外の体験を与える
(2)短期で成長実感が得られる業務にアサインする
(3)褒めるだけでなく、フィードバックもしっかりする
(4)本人の合理性を超えた機会を提供する
若手のキャリア不安から目を逸らしていると、優秀な部下・後輩が職場を去ってしまうかもしれません。部下・後輩のポテンシャルを引き出し、ともに大きな成果を出せる上司・先輩でありたいなら、できるだけ早く読んでおきたい一冊です。
■管理職の「罰ゲーム化」を修正する4つのアプローチ
最後にご紹介したいのが、第13位の『罰ゲーム化する管理職』。パーソル総合研究所上席主任研究員、小林祐児さんが、管理職の「罰ゲーム化」を修正する方法を示した一冊です。
残念ながら、現代日本において「罰ゲーム化する管理職」という言葉に違和感を抱く人はほとんどいないでしょう。実際、パーソル総合研究所の国際調査によると、日本における「管理職になりたいメンバー層の割合」は21.4%で、他の国に大差をつけて最下位。多くの人が“管理職の罰ゲーム化”を体感しているからこそ、管理職になりたがらないのでしょう。
とはいえ、この惨状を放置するわけにはいきません。小林さんは本書で、管理職の「罰ゲーム化」を修正するためのアプローチを4つ紹介しています。
(1)フォロワーシップ・アプローチ:管理職の部下であるメンバー層へのトレーニングを増やす
(2)ワークシェアリング・アプローチ:管理職の役割を変更したり共有したりすることで、全体の役割や業務量を調整する
(3)ネットワーク・アプローチ:管理職同士のネットワークを構築し、社内に相談し合える相手がいる状態をつくる
(4)キャリア・アプローチ:会社の昇進構造や選抜の在り方を変更する
さて、あなたの組織はどのアプローチから着手しますか? 経営層や人事担当者はもちろん、「来年こそ昇進“してしまう”かもしれない」「マネジメント経験はほしいけど、この会社で昇進するのは正直気が重い」と感じている人にも一読をおすすめします。
続いて、2024年の人気著者ランキングです。今年特によく読まれた著書と一緒にご紹介します。
■「2024年の人気著者」ベスト10&2024年の人気要約
『なぜか話しかけたくなる人、ならない人』(PHP研究所)
第2位:内藤誼人
『イライラ・不安・ストレスがおどろくほど軽くなる本』(明日香出版社)
第3位:樺沢紫苑
『精神科医が教える 幸せの授業』(飛鳥新社)
第4位:中野信子
『新版 科学がつきとめた「運のいい人」』(サンマーク出版)
第5位:安達裕哉
『頭のいい人が話す前に考えていること』(ダイヤモンド社)
第6位:枡野俊明
『人にも自分にも振り回されない動じない心のつくり方』(SBクリエイティブ)
第7位:田尻望
『なぜ、あの人は仕事ができるのか?』(すばる舎)
第8位:三宅香帆
『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』(集英社)
第9位:松橋良紀
『聞き方の一流、二流、三流』(明日香出版社)
第10位:小林弘幸
『はじめる習慣』(日本経済新聞出版)
※本の要約サービス「flier」の有料会員を対象にした、2024年の閲覧数ランキング
■人間関係やコミュニケーションのヒントになる本が人気
第1位に輝いたのは、作家・写真家の有川真由美さんでした。人間関係やコミュニケーション、生活をより良いものにするコツを教えてくれる本が人気を集めています。
多くの著書の中で2024年に特に人気だった要約は、『なぜか話しかけたくなる人、ならない人』(PHP研究所)。誰からも愛される人たちのコミュニケーション術がまとめられています。また『センスいい人がしている80のこと』(扶桑社)もよく読まれていました。
2024年、2番目に多く読まれた著者は、心理学者の内藤誼人さんでした。
内藤さんの著書のうち、今年特に人気だった要約は『イライラ・不安・ストレスがおどろくほど軽くなる本』(明日香出版社)。気分が落ち込んだときの対処法を教えてくれます。内藤さんといえば、『面倒くさがりの自分がおもしろいほどやる気になる本』(明日香出版社)も定番の人気書です。
■2018年の『アウトプット大全』は今も注目を集める
2024年の第3位は、精神科医の樺沢紫苑さんでした。
樺沢さんといえば、シリーズ累計80万部を突破している『アウトプット大全』(サンクチュアリ出版)を思い浮かべる人も多いでしょう。2018年に刊行された書籍ですが、今なお多くの読者に愛されている一冊です。
ストレスフリーで幸せな人生を送りたいなら、『精神科医が教える 幸せの授業』(飛鳥新社)や『19歳までに手に入れる 7つの武器』(幻冬舎)などもおすすめです。
今年も新刊からロングセラーまで、幅広いジャンルの本がランクインしました。また、『「説明が上手い人」がやっていることを1冊にまとめてみた』、『頭のいい人が話す前に考えていること』、『本当の自由を手に入れる お金の大学』は、2023年に続いてのベスト10入りとなっています。気になった本があったら、ぜひ年末年始にチェックしてみてください。
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(flier編集部)
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