最小限の努力で最大の結果を得る方法はコレ…ビル・ゲイツが「大変な仕事」を任せる人物の納得の基準
プレジデントオンライン / 2025年1月1日 15時15分
※本稿は、石川和男『要領がいい人が見えないところでやっている50のこと』(明日香出版社)の一部を再編集したものです。
■要領よく仕事を進める人には「ナマケモノ」が多い
仕事で成功している人は、「努力家で、あきらめずに最後までやり遂げる人」というイメージがあります。面倒なことにも取り組み、何度も挑戦し、自発的に行動する。それ自体はとても素晴らしいことです。
しかし、要領よく仕事を進める人に限って言えば、実は「ナマケモノ」が多いのです。
逆に、要領が悪い人ほど、細かいところまできっちりやろうとする「マメ」な人が多いと私は考えています。
要領がいい人は、仕事を効率的にこなすために最小限の努力で最大の結果を得る方法を事前に考えます。
マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏は、「大変な仕事はナマケモノに任せる」と語っています。
その真意は、「ナマケモノは、実はただ怠けているのではなく、最もシンプルで効果的な方法を探し、時間や労力を最小限に抑えながら素早く成果を上げようとする。そのため、難しい仕事や手間のかかる大変な仕事ほど、ナマケモノに任せたほうが、仕事がスムーズに進むことが多い」ということなのではと、私は解釈しています。
そして、このナマケモノこそ、面倒くさがり屋であり、言葉は一見マイナスに聞こえますが、ここで言われている「ナマケモノ」は、仕事を効率的に進めることができる要領がいい人のことなのです。
■よりラクして成果の出る方法を常に探している
一方、要領が悪い人は、丁寧で細かい作業を好み、細部にこだわりすぎて全体を見失うことがあります。その結果、作業効率が悪くなり、必要以上に時間と労力をかけてしまいます。
また、情報を集めすぎたり、分析に時間をかけすぎたりすることで、逆に決断ができなくなることもあります。この状態は「分析麻痺」と言い、考えすぎて行動に移れなくなることを意味します。
要領がいい人は、面倒を避けるために、よりラクして成果の出る方法を探します。
例えば、直接会う打ち合わせの代わりにZoomなどのオンライン会議を活用することで、移動時間を省き、場所に縛られずにミーティングを効率化できないかと考えます。
専門知識が必要な場面では、最初から専門家に協力を仰ぎ、自分は得意分野に集中します。新しい仕事を一から調べるのではなく、まず過去の前例や似たケースを参考にするなど事前にしっかりと調査を行うことで、無駄な時間を省きます。
■「汗をかいて働くことが美徳の時代」は終わった
その他、手書きのメモをデジタルに移行する方法を探す。よく使うメールや文書のテンプレートを作成して繰り返し使えるようにする。
パソコン作業ではショートカットキーを活用して頻繁に使う操作を効率化する。メールを自動でフォルダに振り分ける設定をして不要なメールの整理にかかる時間を短縮する。このように面倒なことを回避するために、ラクな方法がないか常日頃から考えています。
働き方改革、残業ゼロを目指すなら、「(いい意味で)怠けることを恐れず、いかに効率的に仕事を進めるか」を考えることです。日本人はよくも悪くも「勤勉」「努力」「精進」という言葉が好きです。
投資やネットビジネスによる儲けを否定して、汗をかきながら働いて、稼ぐことが美徳とされてきました。
そのよきところも取り入れながら、ラクをすることを否定的に捉えるのではなく、要領よく、効率の追求に活かす。グローバルな社会になった今、国際競争をするうえでも要領がいい働き方は、必要になると私は考えています。
■忙しい人に仕事を頼む、納得の理由
「仕事は忙しい人に頼め!」という言葉をよく耳にします。
でも、なぜわざわざ暇な人ではなく、忙しい人に頼むのでしょうか?真剣に考察してみると、その理由がいくつか見えてきました。
時間管理のスキルが高い
忙しい人は、多くのタスクを抱えているため効率よく時間を使い、優先順位をつける力が必要になります。つまり、そうしなければ仕事をこなせないからです。だからこそ、新しい仕事が増えても、適切に計画を立ててうまく対応できるのです。
信頼と実績がある
忙しい人は、これまでにも多くの仕事をこなし、その結果、信頼を得て実績を積んできました。だからこそ、次々と仕事が回ってくるのです。この繰り返しで、さらに信頼と実績が積み重なります。そして、本人も頼まれた仕事を確実にやり遂げることで自信がつきます。
私も忙しいときにさらに仕事を頼まれると、「お前はいつも最終的にやり遂げる。今回もきっとできる。今まで一度も失敗したことがないのだから」と自分に言い聞かせ、その言葉をノートに書いてから仕事に取りかかります。
そうすると結局、いつものようにやり遂げているのです。
■仕事上のピンチなんて意外と大したことはない
課題解決能力が高い
忙しい人は、たくさんの問題に直面しますが、その中で迅速に解決策を見つける力を身につけていきます。新しい依頼が増えても、効率よくこなしながら仕事を進める能力が自然と養われていきます。
私も年を重ねるごとに多くの経験を積み、大抵のことは乗り越えられると信じています。実際に問題が起こっても、「ピンチだ、大変だ」と慌てずに、問題点を紙に書き出して整理し、難しい課題は上司や専門家に相談して解決してきました。
話はそれますが、仕事上のピンチなんて意外と大したことはないと思っています。
今、仕事で抱えているピンチを思い浮かべてみてください。そして、1年前の今日、どんなピンチがあったか思い出してみてください。おそらく、思い出せないですよね。
つまり、今抱えている問題も、1年後にはすっかり解決していて、思い出すことすらできないのです。どうせ覚えていないのなら、クヨクヨしたり、ネガティブに考えたりするのはやめて、さっさと行動に移したほうがいいですよね。
自分ひとりで解決できないなら、上司や先輩、同僚に相談して一緒に進めていくのがベストです。何度も言いますが、1年後には解決していて、思い出すことすらできないのですから。
■「自分から進んでやっている」意識を持つ
モチベーションが高い
忙しい人は強いモチベーションを持っているので、多くのタスクをこなし続けることができます。私も、「やらされている」ではなく「自分から進んでやっている」という意識が強いです。
例えば、執筆、セミナーのコンテンツ作り、建設会社の資金繰りなど、どれも自らやりがいを感じ、積極的に行動しています。
出版した本が全国の書店に並ぶ高揚感、私のセミナーで受講生が新しいスキルを身につける達成感、資金繰りで会社がうまく回る充実感――こうした仕事の楽しさや貢献、成長を感じられるからこそ、モチベーション高く仕事に取り組めるのです。
「仕事は忙しい人に頼め!」という言葉は、忙しい人が効率的で信頼でき、問題解決能力やモチベーションが高いことから、安心して仕事を任せられるという考えに基づいています。つまり、忙しい人は要領がいい人なのです。
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建設会社総務経理担当役員、税理士、作家
建設会社総務経理担当役員を本業に、税理士、明治大学客員研究員、ビジネス書著者、人材開発支援会社役員COO、一般社団法人 国際キャリア教育協会理事、時間管理コンサルタント、セミナー講師、オンラインサロン石川塾主宰(受講者数250名)と9つの肩書で複数の仕事を同時にこなす。 著書に累計35万部突破で、『仕事が速い人は、「これ」しかやらない』(PHP研究所)、『仕事が「速いリーダー」と「遅いリーダー」の習慣』(明日香出版社)、『Outlook最強の仕事術』(SBクリエイティブ)など。
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(建設会社総務経理担当役員、税理士、作家 石川 和男 )
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