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「コミュ力が高い人」は必ずやっている…「話すのが苦手」という人に圧倒的に足りていない「雑談力」以外の要素

プレジデントオンライン / 2025年1月26日 8時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Comeback Images

話し上手な人はどこが違うのか。実業家の永松茂久さんは「『会話が苦手』という人は『苦手だと思い込んでいる』だけだ。まず会話の『べき』『ねばならない』を捨てることから始めたほうがいい」という――。

※本稿は、永松茂久『人は話し方が9割2』(すばる舎)の一部を再編集したものです。

■自称「話し下手」たちの呪縛

「苦手な人とも、うまくやっていかなければいけない」
「多くの人から、好かれなければいけない」
「どんな人に対しても、いい人でいなければいけない」

多くの人が、会話において、「ねばならない」「こうしなければいけない」という思い込みを持っています。

もしあなたが、この中の1つでもあてはまっているとしたら、まず最初にお伝えします。

この「べき」があなたを「会話が苦手」と思い込ませている一番の原因です。

そもそも、この「べき」をすべて満たすことができている人などほぼいません。

ということは、この思い込みは会話において必要ないということです。

まずはこの呪縛から抜け出すことが、あなたが会話上手になる第一歩なのです。

■会話上手になる一番の近道

「苦手な人とどうやったら、うまく会話ができるでしょうか?」

これまで私がコミュニケーションのサポートをさせていただいてきた中で、一番多かったのがこの質問です。

その数の多さは、それくらいたくさんの人が、苦手な人とうまく話そうとして悩んでいる、ということの証明でしょう。

同時に前作『人は話し方が9割』を出版後にいただいた感想の中で、一番反響が大きかったのも、私がお伝えしたこの部分でした。

「あなたが無理することなく、自然と会話上手になる一番の方法、それは苦手な人と話す時間を極力減らし、自分が話しやすい相手と話す時間を、可能な限り増やすということです」

こう伝えると、真面目な人に限って「そんなことしていいんですか?」「苦手な人ともうまく話さなければいけないのではないですか?」という返事が返ってきます。

もちろん、そうできればそれに越したことはありません。

しかし、それはもう少し会話に自信が持てた後にしてほしいのです。

■まずはコレを手放そう

多くの人が、苦手な人やすぐに否定してくる人と、いい関係を作るためにコミュニケーションを取ろうとして、傷ついてしまいます。

その結果「やっぱり自分は会話が苦手なんだ」と思い込んでしまうのです。

あなただけではありません。

どんな会話上手な人でも、苦手な人と話しているとパフォーマンスは下がります。

ゲームでもそうですが、初心者がいきなりラスボス(ゲーム中の最後の敵)に向かって行っても勝てません。

まずは簡単なところからクリアし、徐々に自分のレベルを上げていくことで、はじめて難しい相手にチャレンジできるようになるのです。

この理屈で考えたとき、最初から難しい人と上手に話そうとする人が、自信をなくしてしまうのは当たり前のこと。

成功体験が少ないうちに、その相手に向き合っていこうとするから、傷つけられてしまうのです。

つまり、会話力のステージという視点で見たときに、苦手な人と話そうとすることが、早すぎるのです。

「どんな人とでもうまくやっていかなければいけない」この思い込みをまずは手放しましょう。

【図表1】会話上手になる一番の方法

イラスト=久保久男、図版=システムタンク

出所=『人は話し方が9割2』(すばる舎) - イラスト=久保久男、図版=システムタンク
【まとめ】
会話の「べき」「ねばならない」を捨てる

■過去に話し方で失敗したことがあっても問題ない

「幼い頃に、親から話し方でダメ出しされた」
「うまく会話ができなくて、人といい関係が作れなかった」
「上手に話せなくて、友達から笑われた」

「会話が苦手」という人は、ほとんどの確率で、このように過去になんらかの失敗や、人からの心無い言葉で傷ついた経験を持っています。

もしかしたら、その経験は一度や二度かもしれませんが、そのときの悲しさや、みじめさが原因となって、自信をなくしてしまっているのではないでしょうか。

もしそうであるなら、まずはじめにあなたにやってほしいことがあります。

その相手からの評価とあなた自身を切り離してください。

「あの人が言ったことは正解じゃなかったかも」そう疑ってみてください。

そして、その苦手意識をいったん横に置いてください。

■他人の一言が真実とは限らない

そもそも、その相手が言ったことが、必ずしも真実であるとは限りません。そしてあなたを傷つけた人も、おそらくあなたを深く傷つけようと思って言ったわけではないでしょう。

何より残念なことに、言った相手はたぶんそのことを覚えていません。「え、そんなこと言ったっけ?」程度の記憶だと思って間違いないでしょう。

ということは、あなたもそんなに気にしなくていいということです。

過去に言われた他人の一言に、そこまで神経質になりすぎる必要はないのです。

たった一度や二度のトラウマにずっととらわれ続けて、人とうまく話ができないなど、こんなもったいないことはありません。

■あなたは会話が苦手なわけではない

「自分は話すのが苦手である」

もし、あなたがそう思っているとしたら質問します。

例えば、自分の家族だったり友人だったり、コミュニティで仲良くしている人、つまり慣れた相手と話すとき、緊張しますか?

イベント後に話す人たち
写真=iStock.com/Edwin Tan
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Edwin Tan

「なんて話そう?」「ちゃんと話さなきゃ」

そんなことは考えずに、普通に話しているはずです。

そしておそらく気がついていないと思いますが、その大切な人たちが何かで悩んでいるとき、なんとか相手がよくなるようにと願っているとき、あなたは無意識のうちに、プロも顔負けなくらい、いいことを話しています。

ということは、本来、あなたには話す力があるのです。

にもかかわらず、人前に出たら突然緊張して、目の前が真っ白になってしまったり、初対面の人とうまく話せなくなったり、苦手な人だと会話のパフォーマンスが大きく下がってしまうのはなぜでしょうか?

それはスキルではなく、メンタル、つまり心の持ち方があなたをそうさせているのです。

あなたは「会話が苦手」なのではなく、「会話が苦手だと思い込んでいる」だけなのです。

【まとめ】
あなたには本来話す力があると知る

■最初に考えるのは「話し方以前の大前提」

もちろん会話において、スキルはあったほうがいいかもしれませんし、この本でも多少のスキルはお伝えします。

しかし、まず何よりも大切なのは、スキルを詰め込むことではなく、あなたがふだんどおりに話せるメンタルの作り方です。そういう意味で、この本は、

「話し方のスキル本」ではなく「話し方のメンタル本」

そう考えていただけると、ここからお伝えすることが、スッと心に入りやすくなると思います。

もう少し深く表現すると、この本はあなたが苦手な人とうまく話すための本ではありません。

仮にうまくやることで、その苦手な人から好かれてしまうと逆に大変です。

そうではなく、あなたがあなたの大切な人と、ここからもいい時間を過ごすための会話の在り方を伝えていく本なのです。

■会話の時間を豊かなものにしよう

人と話をしていく中で、まずはじめに大切なこと。それはスキルを身につけることでも、苦手な人と無理して話すという我慢でもありません。

あなたがいい気分でいられる相手と話し、あなた自身がご機嫌でいることです。

そうすることで、会話の時間があなたにとって豊かなものになります。

人は生きていく中で、その大部分を会話を通したコミュニケーションでやりとりします。ということは、その時間を嫌な気分で過ごすか、ご機嫌で過ごすかは、人生の大半を無駄なものにするか、もしくは豊かなものにするかに関わってくる、ということになります。

つまり、ふだん何気なくやっている会話の出来が、あなたの人生を大きく左右しているのです。

■会話上手は「話す相手の選び方」が上手な人

あなたの周りにも、「あの人はコミュニケーション能力が高い」と言われる人が1人や2人はいるでしょう。

永松茂久『人は話し方が9割2』(すばる舎)
永松茂久『人は話し方が9割2』(すばる舎)

「いいなぁ。あの人はなんでいろんな人とうまく話せるんだろう?」

あなたがうらやましく思っているあの人は、あなたと何が違うのか? それは、

これまでの会話の成功体験が多いということ

ただ、それだけです。

そういう人は、自分の話を聞いてくれる人を選んでたくさん話すことで、「あ、自分って実は会話が得意なのかも」と思える機会を増やし続けてきたのです。

そして、この小さな成功体験を積み重ねてきたからこそ、気難しい人とも上手に話ができる、スキルとメンタルを身につけてきたのです。

つまり常識や「べき」にとらわれることなく、自分が話しやすい相手を選んでいるのです。

それならその人に限らず、誰だっていい会話ができて当然です。

これがコミュニケーション能力が高い人の秘密です。

会話上手とは言っても、思ったほど難しいことはやっていないのです。

【まとめ】
好きな人と話して会話の成功体験を増やす

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永松 茂久(ながまつ・しげひさ)
人財育成JAPAN代表取締役
大分県中津市生まれ。2001年、3坪のたこ焼きの行商から商売を始め、2003年に開店したダイニング陽なた家は毎年4万人を集める大繁盛店になる。自身の経験をもとに体系化した人材育成法には定評があり、全国で多くの講演、セミナーを実施。講演の累計動員数は延べ80万人にのぼる。著作業では『人は話し方が9割』(すばる舎)が140万部を突破(2024年11月現在)。このほか『拝啓、諭吉様。もし現代の若者が『学問のすすめ』を学んだら』『喜ばれる人になりなさい』『人は聞き方が9割』『リーダーは話し方が9割』(すばる舎)、『30代を無駄に生きるな』『20代を無難に生きるな』(きずな出版)、『君はなぜ働くのか』『君は誰と生きるか』(フォレスト出版)、『感動の条件』(KKロングセラーズ)などがある。

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(人財育成JAPAN代表取締役 永松 茂久)

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