三越伊勢丹ホールディングス社長 大西 洋 -百貨店をやめる百貨店、やめない百貨店
プレジデントオンライン / 2013年5月1日 8時15分
三越伊勢丹ホールディングス社長 大西 洋(おおにし・ひろし)
1955年生まれ。慶応大卒。79年伊勢丹入社。常務執行役員などを経て2010年伊勢丹社長。11年三越伊勢丹社長。三越伊勢丹ホールディングスでは10年取締役、12年2月社長。
「新宿伊勢丹本店は世界一を目指して進化し続けなければならない」と三越伊勢丹HDの大西洋社長は強調する。同店は3月に全面改装オープン。本館2~4階に情報発信スペースを設けた。展示内容を随時入れ替え、ファッション感度の高い顧客を惹きつける。「これほど“とがった”商品構成で大丈夫か」(同業他社)との声もあるが「売れるかどうかわからない、新しい流行を生み出すような商品を増やす」(三越伊勢丹幹部)との考えを貫く。
「世界最高のファッションミュージアム」の実現を目指す新宿本店で、大西氏は百貨店の理想を追求する。
業界では、「百貨店業界No.1の経営者はJ.フロント リテイリングの奥田務氏(取締役相談役)。大西氏は消費者の心をつかむNo.1マーケッター」(流通大手)との評がある。コスト削減を進め、集客のためユニクロに頼ることも辞さないJ.フロントの“脱百貨店経営”と、大西氏は一線を画す。「価値ある商品を丁寧な接客で提供する」のが百貨店の強みと考えるからだ。
昨年、大西氏は夏のセールを例年より約2週間遅らせることを決めた。「最も売れる時期に値下げするのは正しくない。定価で買った顧客の不信感も招く」との判断で、高島屋などが追随。一方、J.フロントやそごう・西武は従来通りの実施で消費者は困惑し、各社ともセール販売が低迷した。主要百貨店の冬のセールは三越伊勢丹以外、初売りと同時の開始となり、同社は孤立した。
そんな中、大西氏が拡充を試みているのは自主企画商品だ。在庫リスクはあるがメーカー品と違って百貨店側が価格をコントロールしやすい。ライバルが脱百貨店に流れる中、百貨店のあるべき姿を追い求める大西氏の孤独な挑戦は続く。
(入江 近 PANA=写真)
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