Jパワー、インダストリー・ワン、NSW、Scalarの4社が再生可能エネルギーに時間的価値を付与する 「環境価値プラットフォーム」の共同開発を開始
PR TIMES / 2025年1月6日 17時15分
~分散型台帳技術を利用したトラッキングシステムを開発~
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/139665/4/139665-4-9da4a5e518b355bba98bbc3ddb176b6a-1920x1080.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
電源開発株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長 社長執行役員:菅野 等、以下「Jパワー」)、株式会社インダストリー・ワン(本社:東京都中央区、代表取締役社長CEO:遠藤 翼、以下「インダストリー・ワン」)、 NSW株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役執行役員社長:多田 尚二、以下「NSW」)株式会社Scalar(本社:東京都新宿区、代表取締役CEO:深津航、代表取締役CTO:山田浩之、以下「Scalar」)の4社は、再生可能エネルギーの効率的利用と化石燃料の実質的な削減を目指し、「環境価値プラットフォーム」の共同開発を開始したことを本日お知らせいたします。本取り組みは、現在の再生可能エネルギーが持つ課題を解決し、時間的価値を付加させることを目的としています。
現状の課題と開発の背景
再生可能エネルギーから発生する電力は気象や天候に左右されることが大きく1日中安定的に発生するものではないため、現行の商慣習で行われているような時間帯証明のない非化石証書を活用した取引のみでは厳密な意味で同時性のある再生可能エネルギーの電力を調達していると証明することは困難です。
例えば、太陽光発電による電力供給のみでは夜間におけるCO2排出量の多い火力電源の比率が高いという問題があり、夜間における再生可能エネルギー活用促進のため、時間帯別の電力需給実態に即した環境価値活用の必要性が増しています。
取り組みの事例:
- 24/7 Carbon Free Energy (CFE): 時間ごとに100%の非化石電源利用を保証する取り組み。
- 昼間の太陽光発電の夜間シフト:蓄電池等を活用し、昼間の電力を夜間にシフトすることで再生可能エネルギー 電力の付加価値を高める試み。
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/139665/4/139665-4-718b626dfc1aed534ec986a4e76a66b3-1212x770.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
再生可能エネルギー電源の時間ごとの供給量の違い(イメージ)
このような背景から、 電力安定供給を担う総合エネルギー企業である「Jパワー」、三菱商事におけるデジタルソリューション事業の中核会社である「インダストリー・ワン」、 ITソリューションプロバイダの「NSW」、データベースミドルウエアを開発するスタートアップ「Scalar」の4社は、「Scalar」が提供するデータベースにおける改ざん検知ミドルウエア「ScalarDL」を利用したPoC (Proof of Concept:概念実証) を実施しました。発電データの保全ならびに改ざん検知が可能であることを確認し、大量のトランザクション処理に対応した「環境価値プラットフォーム」の基盤構築の手法を確立しました。今後増大する環境価値データの流通において、データの完全性と真正性を担保しながら、第三者に証明可能な信頼性のあるプラットフォームを提供することを目指しています。
環境価値プラットフォームの概要
このプラットフォームは、非化石電源が発電した時間を正確に記録し、需要データと紐付けることで、時間帯ごとの環境価値を顕在化させる仕組みを提供します。
- 改ざん検知機能:
- - ScalarDLを活用した分散台帳技術により、発電データや環境価値データが改ざんされていないことを保証します。
- - これにより、プラットフォーム内のデータがスマートメーターなどから取得されたデータから改ざんされていないことを検証し、その正確性と信頼性を保証します。
- 非化石価値のプールとマッチング:
- - 発電量と使用電力量を直接1対1で紐付けるのではなく、非化石電源から環境価値を分離しプール化。需要家ごとに非化石比率を充当する設計を採用します。この方法はCO2排出係数の計算にも対応することが可能です。
- - これにより、大量のデータ処理を迅速に行いつつ、環境価値の取引を合理的に行うことを可能にします。
- 時間情報等を活用した非化石比率の可視化:
- - 時間帯ごとに異なる電源構成を反映し非化石比率を正確に計算します。
- - これにより、実際にCO2が大量に排出される時間帯における電力需給を可視化し、実質的なCO2排出量の削減に寄与します。
- - また、将来的には産地情報を付与することにより地産地消電源の導入促進にも貢献します。
[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/139665/4/139665-4-e6ce831e62e06597d81ca41c353dd3ab-2640x856.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
時間的価値を付与する「環境価値プラットフォーム」(イメージ)
PoCにおける各社の役割
Jパワー:
- PoCの立案および推進
- 再生可能エネルギー供給の最適化とCO2排出量の削減に向けたビジネスプランニング
- 多様な電源ポートフォリオ(再生可能エネルギーおよび揚水発電等)の発電データの提供
インダストリー・ワン:
- PoCプロジェクト伴走支援(PoC業務要件整理・システム要件化サポート)
- 市場ニーズに応じた事業化検討支援(ビジネス戦略・ビジネスモデル設計・ロードマップ策定)
- 需要家の電力使用データを効率的に管理・可視化するUIUXデザイン(UIプロトタイプ開発含む)
NSW:
- 発電データの改ざん検知システムの開発および構築
- スマートメーターからのデータ収集と損失率を考慮したデータ処理システムの構築
- 需要家の電力使用データを効率的に管理・可視化するシステム構築
Scalar:
- 複数のデータベースを仮想的に統合する汎用的なトランザクションマネージャ/HTAPエンジン「ScalarDB」と改ざん検知ミドルウエア「ScalarDL」の提供および技術支援
期待される効果と今後の展望
このプラットフォームにより、以下の効果が期待されます。
- 非化石価値の最大化:
- - 需要家や小売事業者の非化石比率の向上を容易に実現可能。
- - 将来的に産地証明を付与することで地産地消電源の導入を促進。
- 化石燃料利用の抑制:
- - 非化石電源稼働インセンティブを創出し、化石燃料利用の抑制を実現。
- 制度への対応:
- - 24/7 CFEやGXリーグ(*1)、カーボンクレジット(*2)市場などの動向に柔軟に対応。
*1 GXリーグ:GX(グリーントランスフォーメーション)ヘの取組を行う企業同士が官学共に協働する場
*2 カーボンクレジット:主に企業間で温室効果ガスを売買できる仕組み
「環境価値プラットフォーム」の導入を通じ、蓄電池を含めた多様な電源ポートフォリオを組み合わせて、CO2排出量の多い時間帯の再生可能エネルギー供給量を増加させ、再生可能エネルギーや蓄電池の稼働パターンの最適化により企業の効率的なGXを推進します。
また、将来的には電力以外の環境価値(例:カーボンクレジット)の流通にも拡張可能な設計とし、「GX銀行(仮)」としての機能を実現することを目指します。
Jパワーグループは、水力発電、風力発電(陸上・洋上)、地熱発電、太陽光発電など多様な再生可能エネルギー電源を活用し、J-POWER "BLUE MISSION 2050"で掲げたカーボンニュートラルの実現に向け、再生可能エネルギーの導入拡大に向けて取り組んでいきます。
【インダストリー・ワンについて】
名称 : 株式会社インダストリー・ワン
設立 : 2021年6月1日
代表者 : 代表取締役社長 遠藤 翼
所在地 : 〒104-0031 東京都中央区京橋1₋13-1 WORK VILLA KYOBASHI 8F
事業内容: DXコンサルティング事業 及びDXプラットフォーム/ソリューション事業
URL :https://www.industry-one.com/
株式会社インダストリー・ワン プレスリリース一覧
https://prtimes.jp/main/html/searchrlp/company_id/139665
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