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微量のにおい成分を可視化する“ScentEYE(セントアイ)”技術*を開発

PR TIMES / 2018年3月6日 17時1分



 花王株式会社(社長・澤田道隆)香料開発研究所は、微量のにおい成分の存在状況を可視化する “ScentEYE(セントアイ)”技術を開発しました。本技術により、足の裏のにおいを解析したところ、足臭の原因成分であるイソ吉草酸が足を洗ってからの時間経過とともに増加する様子を可視化することが可能になりました。また、足の裏におけるイソ吉草酸の分布状態を詳細に知ることも可能となりました。
 なお、本研究成果は、「日本農芸化学会2018年度大会(名古屋) 2018年3月15~18日開催」にて発表する予定です。
 今後、“ScentEYE”技術により、においの本質研究をさらに深めていきます。
  *:微量のにおい成分の種類と量を正確に可視化する技術

【研究背景】
 悪いにおい(悪臭)は人を不快にし、よいにおい(芳香)は人に安らぎを与えます。においの制御は毎日を快適に過ごす上で極めて重要です。一方、においのある物質は数十万種類あるといわれ、また極めて微量でもにおいを感じる成分もあり、さらに、においの感じ方には個人差があります。このことから、においを制御するには微量のにおい成分を網羅的かつ客観的に分析・評価でき、さらにそのにおいの存在場所を明らかにする必要があります。そこで今回、対象物の部位ごとににおいを収集する方法、においの濃縮法、微量分析法およびにおいの分布の解析法などを新たに開発し“ScentEYE”技術を構築しました。この技術によりにおい成分の種類と量を正確に可視化することが可能となりました。


【研究結果】
[画像1: https://prtimes.jp/i/31003/7/resize/d31003-7-702120-0.jpg ]

<1>“ScentEYE”技術のにおい可視化手法
(1)測定対象の表面に、においを濃縮するシートを接触させ、適切な時間で低侵襲的に表面から揮発するにおい成分を吸着させます(図2の1.)。
(2)シートを適切な数に切断し、断片ごとにGC/MS(ガスクロマトグラフ質量分析計)で測定します(図2の2.)。
(3)各断片について、得られたにおい成分の量と、その断片の場所を示す位置情報を整理し、におい成分ごとに分布状態を図に示します。その際、すべての断片に関して得られたにおいの量から、強度表示のカラースケールを決め、各断片についてにおい成分の量を表現します(図2の3.)。
(4)視覚的に理解しやすくするために、コンピューター上でスムージング処理を行ないます。これにより、におい成分の分布状態を可視化することが可能になりました(図2の4.)。

[画像2: https://prtimes.jp/i/31003/7/resize/d31003-7-366654-1.jpg ]


<2>“ScentEYE”技術を用いた実験例
 “ScentEYE”技術を用いた例として、足の裏のにおいを可視化し、におい成分の分布状態を調べました。
(1)実験条件
 ・被験者:20代の健常男性
 ・測定のタイミング:1.入浴後(夜)、2.通勤後(翌朝)、3.就業後(翌日夕方)
(2)実験結果
 足臭の原因成分であるイソ吉草酸について解析したところ、入浴後と通勤後で大きな差がないのに対し、就業後で増加していることが明らかになりました。また就業後において、イソ吉草酸が多く存在する部位があることがわかりました(図1)。
 体臭は環境や生活習慣、食事、年齢などにより違いが生じます。今後、本技術を使って、個人差等についても解析を進めてまいります。
 “ScentEYE”技術により、極めて微量のにおい成分が、どのタイミングでどの場所からどのくらいの量、揮発しているかといった情報を正確に知ることが可能となり、より効果的なにおいのケアにつながるものと期待されます。

今後も花王では、このたび発表した“ScentEYE”技術に代表されるにおい解析というコア技術を通じて、においの本質研究を進めていきます。

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