BPOの放送人権委員会が、 朝日放送の『大阪市長選関連報道への申立て』事案に関し、「放送倫理上重大な問題あり」と判断し、再発防止に努めるよう「勧告」を公表
PR TIMES / 2013年10月1日 15時40分
BPOの放送人権委員会が、
朝日放送の『大阪市長選関連報道への申立て』事案に関し、
「放送倫理上重大な問題あり」と判断し、再発防止に努めるよう「勧告」を公表
http://www.bpo.gr.jp/
BPO放送倫理・番組向上機構の放送人権委員会(委員長・三宅 弘)は、本日10月1日記者会見し、『大阪市長選関連報道への申立て』に関し、「委員会決定」を公表しました。
本件放送が、「スクープ」として疑惑を真実であるかのように断定的に報じ、さらに申立人である大阪交通労組への取材も行われないまま、「やくざ」という強い表現で論評を行ったことについて、委員会は特に、1.申立人に対する取材のあり方、2.断定的報道、3.内部告発者の「やくざ」という発言、4.続報のあり方の4点から、「放送倫理上重大な問題がある」と判断し、再発防止に努めるように勧告しました。
この事案は、朝日放送が2012年2月6日の『ABCニュース』で、「現職市長の支援に協力しなければ不利益があると職員を脅すように市の交通労組が指示した疑い」と、内部告発者から大阪維新の会の市会議員に持ち込まれたリストを基に報道。しかし、後にリストはねつ造と判明し、交通労組と組合員が名誉や信用を毀損されたとして謝罪等を求め申し立てたものです。
「決定の概要」より。
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本件放送は、申立人の社会的信用・評価を低下させるものである。本件放送には、公共性、公益性は認められるが、主要な部分において真実ではなく、また、放送の時点で真実であると考えたことについて相当の理由も認められない。すなわち、本件放送で報じられた「非協力的な組合員がいた場合は、今後、不利益になることを本人に伝える」との指示が書かれた回収リストは、ねつ造されたものであった。また、報道にあたって申立人に対する取材を行っておらず、取材を行わなかったことの理由も薄弱である。
その一方、回収リストの真偽については、朝日放送もその後の報道においてねつ造であることを報じている。本件放送によってもたらされた申立人の社会的評価の低下は、一定程度、回復されているとみることもできる。
しかしながら、本件放送には、放送倫理上の重大な問題がある。本件放送は、「スクープ」として疑惑を真実であるかのように断定的に報じ、さらに「やくざ」という強い表現で論評を行ったものである。そして、すでに述べたように、それは申立人への取材もないままに行われた。本件放送は、「報道は、事実を客観的かつ正確、公平に伝え、真実に迫るために最善の努力を傾けなければならない」とうたう放送倫理基本綱領(NHK・民放連)に違背し、正確・公正な報道を求める「日本民間放送連盟 報道指針」の「2 報道姿勢」に反するものである。
委員会は、朝日放送に対し、本決定の主旨を放送するとともに、スクープ報道における取材や表現のあり方、主要な事実が真実に反すると判明した場合の対応について社内で検討し、再発防止に努めるよう勧告する。
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■ 委員会決定の全文はこちら http://www.bpo.gr.jp/?p=6864&meta_key=2013
■ 委員会決定の「勧告」とは http://www.bpo.gr.jp/?page_id=1124#gradation
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「申立てから『委員会決定』までの流れ」 http://www.bpo.gr.jp/?page_id=1124
「放送人権委員会」運営規則 http://www.bpo.gr.jp/?page_id=1141
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放送倫理・番組向上機構について http://www.bpo.gr.jp/
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名称: 放送倫理・番組向上機構[BPO]
放送事業の公共性と社会的影響の重大性を踏まえて、正確な放送と放送倫理の高揚に寄与することを目的と
した非営利・非政府の団体。言論・表現の自由を確保しつつ、視聴者の基本的人権を擁護するため、
放送への苦情や放送倫理上の問題に対応する独立した第三者機関で、民放連およびNHKによって設置され、
以下の三委員会から構成される。
委員会: 放送倫理検証委員会、放送と人権等権利に関する委員会(放送人権委員会)、
放送と青少年に関する委員会(青少年委員会)
住所: 東京都千代田区紀尾井町1-1 千代田放送会館
理事長: 飽戸 弘
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