韓国で「2024年長寿因子HDLシンポジウム」開催!
PR TIMES / 2024年9月6日 11時45分
血管疾患からアルツハイマー病まで……健康長寿のサポーターHDL
高齢化とともに脳卒中や心臓病など、動脈硬化が要因の病気が増加します。また、アルツハイマー病など認知機能の低下も進行していきます。これらの増加が社会問題となるなか、近年、HDLが注目を集めています。
8月27日(火)には韓国で「2024年長寿因子HDLシンポジウム」が開催され、HDLを研究する専門家が世界中から集まり、最新の研究報告を発表しました。
「善玉コレステロール」と呼ばれるHDLは、血管内の余分なコレステロールや血管内膜に沈着した酸化コレステロールを除去して体外に排出し、動脈硬化を抑制する役割を果たします。これまでは悪玉であるLDLに注目が集まりがちでしたが、最近は長寿因子としてのHDLが脚光を浴びています。
心血管リスクの低減に役立つHDL
基調講演を担当したニューサウスウェールズ大学(オーストラリア・シドニー)のKerry-Anne Rye教授は、HDLの心血管疾患リスク低減効果について発表しました。
年齢を重ねると血管にプラークという酸化したコレステロールが蓄積してできるコブのようなものができ、これらが破れると血栓(血の塊)ができて血管を詰まらせ、脳卒中や狭心症、心筋梗塞などを発症します。
Rye教授は「HDLはプラークが形成されるのを防ぎ、アテローム性動脈硬化と心血管疾患のリスクを下げる」など、HDLが動脈硬化予防の重要な役割を担っていることを発表しました。
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/121808/10/121808-10-57825cad9a53750ba865406430a015ac-3900x2600.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
ニューサウスウェールズ大学(オーストラリア・シドニー) Kerry-Anne Rye教授
HDLを増加させるポリコサノール
キューバ国立科学研究センターは、HDLを増加させる「ポリコサノール」に関する研究結果を発表しました。ポリコサノールは、キューバ国立科学研究センターがキューバ産サトウキビの茎と葉のワックスから発見した成分です。
キューバ国立科学研究センターのSarai Mendoza Castano研究開発局長は「メタボリックシンドローム患者100人を対象にポリコサノールの臨床試験を行った結果、摂取群のHDLが8.7%上昇し、総コレステロールとLDLはそれぞれ10.6%、13.8%減少した」と発表しました。
また、レイデル研究院のKyung Hyun Cho院長は「キューバ産ポリコサノールはHDLを増加させ、質と機能を向上させる」「健康な日本人を対象に、12週間キューバ産コリコサノールを摂取する臨床試験を行った結果、ポリコサノール摂取群では肝機能数値(AST,ALT)が有意に改善し、糖尿病の指標であるHbA1cも低下した」と発表しました。Cho院長は「キューバ産ポリコサノールはHDLの量を増加させ、HDLの質と機能を向上させる」などの研究結果を発表しました。
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/121808/10/121808-10-aa974ca07cf0f94c167d5620a371919f-3900x2600.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
キューバ国立科学研究センター Sarai Mendoza Castano研究開発局長
[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/121808/10/121808-10-18242676353fe4a2aea3229712b7934a-3900x2600.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
レイデル研究院のKyung Hyun Cho院長
アルツハイマー病とも関連があるHDL
HDLとアルツハイマー病との関連を示す研究報告にも注目が集まりました。HDLがアルツハイマー病の発症に関与するとされるアミロイドβの酸化を抑制し、脳の外に排出する働きがあるという内容です。
イタリア、ミラノ大学のLaura Calabresi教授は「HDLは神経細胞膜にあるコレステロールを減少させ、アミロイドベータと直接結合して脳外への排出を促進する」とし、「アルツハイマー患者を対象に血中脂質、コレステロール排出能力などを調査した結果、HDLの数値が低く、LCAT比率が減少していることを確認した」と話しました。LCATとはHDLが余分なコレステロールを回収することを助ける酵素です。
Calabresi教授は「アルツハイマー病の予防には大量のHDLが必要であり、どのタイプのHDLが適しているのかを確認する必要があるだろう。今後の研究が必要」と述べました。
[画像4: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/121808/10/121808-10-da1c24810544300e40266f4a4006e0cd-3900x2599.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
イタリア、ミラノ大学 Laura Calabresi教授
日本からも白澤抗加齢研究所の白澤卓二所長が登壇し、「ラットにポリコサノールを長期摂取させると、毒性を持つアミロイドβオリゴマーを抑制し、血液脳関門の機能障害を改善した」と発表し、ポリコサノールがアルツハイマー病の治療薬に活用できるかは、もう少し研究が必要だろうと述べました。
[画像5: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/121808/10/121808-10-48c914d4c4e95230a2109690b8b916a4-3900x2600.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
白澤抗加齢研究所 白澤卓二所長
長寿因子HDL研究会
長寿因子 HDL研究会は、多くの疾患の引き金とされる“血管系の疾患”に深く影響する「善玉コレステロール(以下、HDL)」の重要性を社会へ啓蒙する研究会です。「HDLの正しい知識を広め、人々の健康寿命に役立てる」ことを目指し、シンポジウム開催、特設サイトの運営、論文・コラム・研究レポートの発表やSNSでの情報発信などを多角的に展開しています。
●商号 :長寿因子 HDL研究会
●代表 :上原吉就(うえはら・よしなり)博士(医学)/医師
●設立 :2023年5月
●事業内容:「HDLの正しい知識を広め、人々の健康寿命に役立てる」ことを目的としたシンポジウム開催、特設サイトの運営、論文・コラム・研究レポートの発表やSNSでの情報発信など
●URL :https://hdl-research.jp/
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