液体アンモニア100%燃焼によるCO2フリーガスタービンの開発を開始
PR TIMES / 2022年1月7日 18時15分
IHIは,国立大学法人東北大学,国立研究開発法人産業技術総合研究所とともに,国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「グリーンイノベーション基金事業(*1)/燃料アンモニアサプライチェーンの構築プロジェクト」に対し,液体アンモニア専焼ガスタービンの研究開発に関する事業を応募し,このたび,採択を受けました。
[画像1: https://prtimes.jp/i/89117/11/resize/d89117-11-4678bc7d03396f8790a9-0.jpg ]
アンモニア(NH3)は,炭素(C)を含まないことから,燃焼時にCO2を排出しない燃料として,既存発電設備で利用することが可能です。また,肥料や化学製品の原料として既に広く利用されており,製造・輸送・貯蔵といった供給インフラ構築のノウハウが蓄積されていることから,早期に社会実装が可能で,カーボンニュートラルの実現に向けた有望なエネルギーと期待されています。
このたび採択された事業では,ガスタービンコジェネレーションシステム(*2)から温室効果ガス削減に向けて,2MW級ガスタービンにおいて液体アンモニア専焼(100%)技術を開発するとともに,実証試験を通じた運用ノウハウの取得や安全対策等の検証を行い,早期社会実装を図るものです。また,発電事業におけるアンモニア利用の課題,適用性についてフィージビリティスタディを行い,社会実装の確度をさらに高めていきます。事業期間は2021年度から2027年度までの約7年間です。
液体アンモニアを燃焼器内に直接噴霧して燃焼させるガスタービンは,貯蔵タンクからガスタービンまでの供給システムの簡素化や制御性向上など,社会実装に向けた利点を有します。一方で,液体アンモニアは,天然ガスやアンモニアガスよりも燃焼性が低いため,液体アンモニア専燃では火炎の安定化と排ガス中の有害物質の低減が課題となります。液体アンモニア専燃ガスタービンの研究開発では,これらの課題を解決する燃焼技術の開発を実施します。
IHIは,水素・アンモニアの利用技術開発やサプライチェーン構築を積極的に推進しています。また,CO2の有効利用のためのカーボンリサイクル技術など,カーボンニュートラルを実現する多様なソリューションを提供することで,脱CO2・循環型社会の実現に貢献してまいります。
【実証事業の概要】
[画像2: https://prtimes.jp/i/89117/11/resize/d89117-11-d9df6afaba712d30c9c9-1.png ]
出典:NEDO採択事業概要(https://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_101502.html)
(*1) グリーンイノベーション基金事業:
「2050年カーボンニュートラル」に向けてエネルギー・産業部門の構造転換や,大胆な投資によるイノベーションといった現行の取組を大幅に加速するため,NEDOに2兆円の基金を造成し,官民で野心的かつ具体的な目標を共有した上で,これに経営課題として取り組む企業等に対して,最長10年間,研究開発・実証から社会実装までを継続して支援する基金制度。グリーン成長戦略において実行計画を策定している重点14分野を中心に支援が行われます。
(*2) ガスタービンコジェネレーションシステム:
燃料を利用してガスタービンで発電し,その際に発生する廃熱も同時に回収するコジェネレーション(熱電併給)システムです。回収した廃熱は蒸気等で利用されます。
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