AIメディカルサービス、ブラジル初の胃がん診断支援AI「gastroAI-model G」の薬事登録を完了
PR TIMES / 2024年4月22日 18時15分
内視鏡の画像診断支援AI(人工知能)を開発する株式会社AIメディカルサービス(本社:東京都豊島区、代表取締役 CEO:多田 智裕、以下「AIM」)は、2024年4月1日に内視鏡検査中に肉眼的特徴から生検(注1)等追加検査を検討すべき病変候補を検出し、医師の診断補助を行うAI搭載の内視鏡画像診断支援システム(販売名:Endoscopic image diagnosis support software - gastroAI-model G)について、ブラジルの保健省傘下の国家衛生監督庁(Agencia Nacional de Vigilancia Sanitaria、以下「ANVISA」)から医療機器として薬事登録されたことをご報告します。なお、ブラジルにおける上部消化管領域の診断支援AIの薬事認証取得事例として初(注2)となります。
[画像1: https://prtimes.jp/i/49025/26/resize/d49025-26-3da7aded1fdf4b11b172-0.png ]
■ブラジルにおける薬事認証取得を目指した背景
胃がんは世界で5番目に多いがんであり、年間100万人を超える人が胃がんに罹患し、約77万人が胃がんにより亡くなっています。また、ブラジルにおいては、すべてのがんのうち5番目に死亡者数が多いのが胃がんで、年間2万人以上が罹患しています(注3)。
胃がんの特徴として、病期が進行すると死亡率が高まりますが、早期に発見すれば十分に治療可能な疾患です。5年相対生存率は、ステージIII以降で発見された場合は5割以下ですが、ステージIで発見されれば95%以上となります。一方で、早期の胃がんは判別が難しく、4.5-25.8%程度見逃されているとも言われています。
ブラジルにおける胃がんの罹患者数と死亡者数の差は小さく、これは胃がんの早期発見ができていないために胃がんに罹ることが命を落とすことに直結している状況を示唆しています。また、ブラジルの人口は2.1億人を超え「グローバルサウス」の一国としてその経済発展に注目度が高まっています。一方で、ブラジルにおいても少子高齢化の傾向が顕著で、2050年には超高齢化を迎えると予測されています(注4)。日本の約23倍に相当する国土面積で今後更なる内視鏡専門医不足が予想されます。
日本が世界をリードする内視鏡医療技術を活用した胃がん診断支援AIをブラジルの臨床現場に届けることは、将来的に内視鏡専門医不足という課題の解決や胃がんで亡くなってしまう人を減らすことにつながると確信しています。
■Endoscopic image diagnosis support software - gastroAI-model Gについて
Endoscopic image diagnosis support software - gastroAI-model Gは、内視鏡検査中に肉眼的特徴から生検[5]等追加検査を検討すべき病変候補を検出し、医師の診断補助を行うAI搭載の内視鏡画像診断支援システムです。
本ソフトウェアは、100以上の共同研究機関のサポートの下、世界トップクラスの医療機関から提供いただいた教師データをもとに、ディープラーニング技術を活用して開発されたプログラム医療機器です。内視鏡システムの内視鏡ビデオ画像プロセッサから汎用コンピュータに入力された病変候補画像を基に、肉眼的特徴から生検等追加検査を検討すべき病変候補である可能性を推定します。また、本ソフトウェアが生検等追加検査を検討すべき病変候補の可能性があると推定した場合、内視鏡表示エリア内に矩形表示により医師に注意喚起及び診断補助を行います。
[画像2: https://prtimes.jp/i/49025/26/resize/d49025-26-7070fae5c7d7884039df-2.png ]
●薬事認証の概要
製品名:gastroAI
モデル名:model G
医療機器認証番号: 80102513219
クラス分類:II
■今後の展開
当社は、2022年8月に医療ICTを展開する株式会社アルム(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長 坂野 哲平、以下「アルム」)と業務契約を締結しました。同社は医療関係者間のコミュニケーションアプリ「Join」等複数サービスをブラジルでも展開しており、「Join」はブラジルにおいて16000人を超える医療従事者に利用されています。
今後は、販売準備が整い次第、ブラジル市場に知見が深いアルムの支援のもと、ブラジルの医療現場への機器導入を進めていきます。
■AIメディカルサービスについて
AIMは「世界の患者を救う~内視鏡AIでがん見逃しゼロへ~」をミッションに掲げる、医療AIスタートアップ企業です。内視鏡医療は日本が最先端であり、質・量ともに世界最高水準のデータが蓄積されております。なかでも、AIMは100施設以上の医療施設と共同研究・製品開発を進めています。当社は内視鏡AIを医療現場にいち早くお届けすることで、がんの見逃しを減らし、世界の患者を救うことを目指しています。
■代表取締役CEO 多田智裕について
[画像3: https://prtimes.jp/i/49025/26/resize/d49025-26-1d4505b9e75fbb9001c3-1.jpg ]
多田 智裕(ただ ともひろ)医師 医学博士
【所属・役職】
株式会社AIメディカルサービス 代表取締役CEO
医療法人ただともひろ胃腸科肛門科 理事長
【概略】
1996年東京大学医学部医学科卒業。東京大学医学部附属病院外科研修医として勤務。2005年に東京大学大学院医学系研究科博士課程修了。2006年よりただともひろ胃腸科肛門科を開業。2012年より東京大学医学部腫瘍外科学講座客員講師。2017年株式会社AIメディカルサービスを設立、代表取締役CEOに就任し、現在に至る。
会社概要 ――――――――――――――――――――――――――――――
会社名 :株式会社AIメディカルサービス
所在地 :〒170-0013 東京都豊島区東池袋1丁目 18-1 Hareza Tower 11F
代表者 :多田智裕
設立 :2017年9月1日
事業 :内視鏡の画像診断支援AI(人工知能)の開発
(注1)「生検」とは、病変等が見つかった場合に、組織の一部を採取し顕微鏡でその組織の状態を観察することを指します。
(注2)2024年4月3日時点 AIメディカルサービス調べ。
(注3)参照元:WHO “GLOBOCAN 2022”(https://gco.iarc.who.int/media/globocan/factsheets/populations/76-brazil-fact-sheet.pdf)
(注4)参照元:近田亮平「ブラジルの少子高齢化と内政の安定性 増加する高齢者と大統領選挙を前に関心を高める若者」(https://www2.jiia.or.jp/kokusaimondai_archive/2020/2022-08_005.pdf)
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